実数 $a, b$ に関する以下の3つの命題の真偽を判定し、真であれば証明、偽であれば反例を挙げる問題です。 (1) $a+b$ と $ab$ がともに無理数ならば、$a, b$ はともに無理数である。 (2) $a^3$ と $a^5$ がともに有理数ならば、$a$ は有理数である。 (3) $a+b>2$ かつ $ab>1$ ならば、$a>1$ かつ $b>1$ である。

数論命題有理数無理数真偽判定反例
2025/6/26

1. 問題の内容

実数 a,ba, b に関する以下の3つの命題の真偽を判定し、真であれば証明、偽であれば反例を挙げる問題です。
(1) a+ba+babab がともに無理数ならば、a,ba, b はともに無理数である。
(2) a3a^3a5a^5 がともに有理数ならば、aa は有理数である。
(3) a+b>2a+b>2 かつ ab>1ab>1 ならば、a>1a>1 かつ b>1b>1 である。

2. 解き方の手順

(1) の命題について
この命題は偽です。反例を挙げます。
a=1+2a = 1 + \sqrt{2} , b=12b = 1 - \sqrt{2} とすると、
a+b=2a + b = 2 (有理数)
ab=(1+2)(12)=12=1ab = (1 + \sqrt{2})(1 - \sqrt{2}) = 1 - 2 = -1 (有理数)
となり、a+ba+babab がともに有理数ですが、a,ba, b はともに無理数です。命題の仮定が成り立たないため、反例として不適格です。
a=2a = \sqrt{2}, b=2b = -\sqrt{2}とすると、
a+b=0a+b = 0 (有理数)
ab=2ab = -2 (有理数)
これも仮定が成り立たないため不適格です。
a=2a=\sqrt{2}, b=1b=1 とすると、
a+b=2+1a+b = \sqrt{2} + 1 (無理数)
ab=2ab = \sqrt{2} (無理数)
しかし、a=2a = \sqrt{2} は無理数ですが、b=1b=1 は有理数なので、a,ba,bがともに無理数であるという結論を満たしません。
したがって、この命題は偽であり、a=2a=\sqrt{2}, b=1b=1が反例となります。
(2) の命題について
この命題は真です。証明します。
a3a^3a5a^5 がともに有理数であるとします。
このとき、a=0a = 0 ならば aa は有理数なので、 a0a \neq 0 とします。
a2=a5a3a^2 = \frac{a^5}{a^3} であり、a5a^5a3a^3 は有理数なので、a2a^2 も有理数です。
ここで、a2a^2 が有理数であることと a3a^3 が有理数であることから、a=a3a2a = \frac{a^3}{a^2} も有理数となります。
(3) の命題について
この命題は偽です。反例を挙げます。
a=3a = 3, b=12b = \frac{1}{2} とすると、
a+b=3+12=72>2a + b = 3 + \frac{1}{2} = \frac{7}{2} > 2
ab=312=32>1ab = 3 \cdot \frac{1}{2} = \frac{3}{2} > 1
ですが、a=3>1a = 3 > 1 であるにもかかわらず、b=12<1b = \frac{1}{2} < 1 となり、a>1a > 1 かつ b>1b > 1 を満たしません。
したがって、この命題は偽であり、a=3a=3, b=1/2b=1/2が反例となります。

3. 最終的な答え

(1) 偽 (反例: a=2a=\sqrt{2}, b=1b=1)
(2) 真 (証明は上記参照)
(3) 偽 (反例: a=3a=3, b=1/2b=1/2)

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