(1) 整数 $m$ について、$m^2$ が 5 の倍数ならば $m$ は 5 の倍数であることを用いて、$\sqrt{5}$ が無理数であることを証明する。 (2) (1) の結果を用いて、$\sqrt{3} + \sqrt{15}$ は無理数であることを証明する。

数論無理数背理法整数の性質平方根
2025/7/4

1. 問題の内容

(1) 整数 mm について、m2m^2 が 5 の倍数ならば mm は 5 の倍数であることを用いて、5\sqrt{5} が無理数であることを証明する。
(2) (1) の結果を用いて、3+15\sqrt{3} + \sqrt{15} は無理数であることを証明する。

2. 解き方の手順

(1)
まず、m2m^2 が 5 の倍数ならば mm は 5 の倍数であることを証明する。
対偶を考える: 「mm が 5 の倍数でないならば m2m^2 は 5 の倍数でない」
mm が 5 の倍数でないとき、mm5k+1,5k+2,5k+3,5k+45k+1, 5k+2, 5k+3, 5k+4 (kk は整数) のいずれかで表せる。
それぞれについて m2m^2 を計算する。
* m=5k+1m = 5k+1 のとき、m2=(5k+1)2=25k2+10k+1=5(5k2+2k)+1m^2 = (5k+1)^2 = 25k^2 + 10k + 1 = 5(5k^2 + 2k) + 1
* m=5k+2m = 5k+2 のとき、m2=(5k+2)2=25k2+20k+4=5(5k2+4k)+4m^2 = (5k+2)^2 = 25k^2 + 20k + 4 = 5(5k^2 + 4k) + 4
* m=5k+3m = 5k+3 のとき、m2=(5k+3)2=25k2+30k+9=5(5k2+6k+1)+4m^2 = (5k+3)^2 = 25k^2 + 30k + 9 = 5(5k^2 + 6k + 1) + 4
* m=5k+4m = 5k+4 のとき、m2=(5k+4)2=25k2+40k+16=5(5k2+8k+3)+1m^2 = (5k+4)^2 = 25k^2 + 40k + 16 = 5(5k^2 + 8k + 3) + 1
いずれの場合も m2m^2 は 5 で割ると 1 または 4 余るので、5 の倍数ではない。
よって、対偶が真なので、m2m^2 が 5 の倍数ならば mm は 5 の倍数である。
次に、5\sqrt{5} が無理数であることを背理法で証明する。
5\sqrt{5} が有理数であると仮定すると、互いに素な整数 m,nm, n (n0n \ne 0) を用いて 5=mn\sqrt{5} = \frac{m}{n} と表せる。
両辺を2乗すると、
5=m2n25 = \frac{m^2}{n^2}
5n2=m25n^2 = m^2
したがって、m2m^2 は 5 の倍数である。よって、mm は 5 の倍数である。
m=5km = 5k (kk は整数) と表せるので、5n2=(5k)2=25k25n^2 = (5k)^2 = 25k^2
n2=5k2n^2 = 5k^2
したがって、n2n^2 は 5 の倍数である。よって、nn は 5 の倍数である。
mmnn がともに 5 の倍数であることは、mmnn が互いに素であることに矛盾する。
よって、5\sqrt{5} は無理数である。
(2)
3+15\sqrt{3} + \sqrt{15} が無理数であることを背理法で証明する。
3+15\sqrt{3} + \sqrt{15} が有理数であると仮定すると、3+15=r\sqrt{3} + \sqrt{15} = r (rr は有理数) と表せる。
15=r3\sqrt{15} = r - \sqrt{3}
両辺を 2 乗すると、
15=r22r3+315 = r^2 - 2r\sqrt{3} + 3
2r3=r2122r\sqrt{3} = r^2 - 12
r0r \ne 0 のとき、
3=r2122r\sqrt{3} = \frac{r^2 - 12}{2r}
rr は有理数なので、r2122r\frac{r^2 - 12}{2r} も有理数となり、3\sqrt{3} が有理数であることになり矛盾する。
r=0r=0 のとき、3+15=0\sqrt{3} + \sqrt{15} = 0 となるが、これは明らかに誤り。
したがって、3+15\sqrt{3} + \sqrt{15} は無理数である。

3. 最終的な答え

(1) 5\sqrt{5} は無理数である
(2) 3+15\sqrt{3} + \sqrt{15} は無理数である

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