(1) 整数 $m$ について、$m^2$ が 5 の倍数ならば $m$ は 5 の倍数であることを用いて、$\sqrt{5}$ が無理数であることを証明する。 (2) (1) の結果を用いて、$\sqrt{3} + \sqrt{15}$ は無理数であることを証明する。
2025/7/4
1. 問題の内容
(1) 整数 について、 が 5 の倍数ならば は 5 の倍数であることを用いて、 が無理数であることを証明する。
(2) (1) の結果を用いて、 は無理数であることを証明する。
2. 解き方の手順
(1)
まず、 が 5 の倍数ならば は 5 の倍数であることを証明する。
対偶を考える: 「 が 5 の倍数でないならば は 5 の倍数でない」
が 5 の倍数でないとき、 は ( は整数) のいずれかで表せる。
それぞれについて を計算する。
* のとき、
* のとき、
* のとき、
* のとき、
いずれの場合も は 5 で割ると 1 または 4 余るので、5 の倍数ではない。
よって、対偶が真なので、 が 5 の倍数ならば は 5 の倍数である。
次に、 が無理数であることを背理法で証明する。
が有理数であると仮定すると、互いに素な整数 () を用いて と表せる。
両辺を2乗すると、
したがって、 は 5 の倍数である。よって、 は 5 の倍数である。
( は整数) と表せるので、
したがって、 は 5 の倍数である。よって、 は 5 の倍数である。
と がともに 5 の倍数であることは、 と が互いに素であることに矛盾する。
よって、 は無理数である。
(2)
が無理数であることを背理法で証明する。
が有理数であると仮定すると、 ( は有理数) と表せる。
両辺を 2 乗すると、
のとき、
は有理数なので、 も有理数となり、 が有理数であることになり矛盾する。
のとき、 となるが、これは明らかに誤り。
したがって、 は無理数である。
3. 最終的な答え
(1) は無理数である
(2) は無理数である