与えられた条件 $\frac{1}{x} + \frac{1}{y} = \frac{1}{p^n}$ かつ $x < y$ を満たす自然数 $x, y$ の組について、以下の問いに答える。 (1) $p=3, n=1$ のときの $(x, y)$ の組を求める。 (2) $n=1$ のときの $(x, y)$ の組を求める。 (3) $n=2$ のときの $(x, y)$ の組の数を求める。 (4) 一般の自然数 $n$ に対する $(x, y)$ の組の数を求める。

数論分数方程式約数整数の性質
2025/7/7

1. 問題の内容

与えられた条件 1x+1y=1pn\frac{1}{x} + \frac{1}{y} = \frac{1}{p^n} かつ x<yx < y を満たす自然数 x,yx, y の組について、以下の問いに答える。
(1) p=3,n=1p=3, n=1 のときの (x,y)(x, y) の組を求める。
(2) n=1n=1 のときの (x,y)(x, y) の組を求める。
(3) n=2n=2 のときの (x,y)(x, y) の組の数を求める。
(4) 一般の自然数 nn に対する (x,y)(x, y) の組の数を求める。

2. 解き方の手順

(1) p=3,n=1p=3, n=1 のとき、1x+1y=13\frac{1}{x} + \frac{1}{y} = \frac{1}{3} かつ x<yx < y を満たす (x,y)(x, y) を求める。
1x=131y=y33y\frac{1}{x} = \frac{1}{3} - \frac{1}{y} = \frac{y-3}{3y} より、 x=3yy3=3y9+9y3=3+9y3x = \frac{3y}{y-3} = \frac{3y-9+9}{y-3} = 3 + \frac{9}{y-3}.
xx が自然数であるためには y3y-399 の約数である必要がある。y>xy>x より、y3>x3y-3 > x-3.
99 の約数は 1,3,91, 3, 9.
y3=1y-3=1 のとき y=4y=4 であり x=3+91=12x = 3 + \frac{9}{1} = 12. このとき x>yx > y となり条件を満たさない。
y3=3y-3=3 のとき y=6y=6 であり x=3+93=6x = 3 + \frac{9}{3} = 6. このとき x=yx = y となり条件を満たさない。
y3=9y-3=9 のとき y=12y=12 であり x=3+99=4x = 3 + \frac{9}{9} = 4. このとき x<yx < y となり条件を満たす。よって (x,y)=(4,12)(x, y) = (4, 12).
(2) n=1n=1 のとき、1x+1y=1p\frac{1}{x} + \frac{1}{y} = \frac{1}{p} かつ x<yx < y を満たす (x,y)(x, y) を求める。
1x=1p1y=yppy\frac{1}{x} = \frac{1}{p} - \frac{1}{y} = \frac{y-p}{py} より、x=pyyp=pyp2+p2yp=p+p2ypx = \frac{py}{y-p} = \frac{py-p^2+p^2}{y-p} = p + \frac{p^2}{y-p}.
xx が自然数であるためには ypy-pp2p^2 の約数である必要がある。y>xy > x より、yp>xpy-p > x-p.
p2p^2 の約数は 1,p,p21, p, p^2.
yp=1y-p=1 のとき y=p+1y=p+1 であり x=p+p21=p+p2x = p + \frac{p^2}{1} = p + p^2. このとき x>yx > y となり条件を満たさない。
yp=py-p=p のとき y=2py=2p であり x=p+p2p=p+p=2px = p + \frac{p^2}{p} = p + p = 2p. このとき x=yx = y となり条件を満たさない。
yp=p2y-p=p^2 のとき y=p2+py=p^2+p であり x=p+p2p2=p+1x = p + \frac{p^2}{p^2} = p + 1. このとき x<yx < y となり条件を満たす。よって (x,y)=(p+1,p2+p)(x, y) = (p+1, p^2+p).
(3) n=2n=2 のとき、1x+1y=1p2\frac{1}{x} + \frac{1}{y} = \frac{1}{p^2} かつ x<yx < y を満たす (x,y)(x, y) の組の数を求める。
1x=1p21y=yp2p2y\frac{1}{x} = \frac{1}{p^2} - \frac{1}{y} = \frac{y-p^2}{p^2y} より、x=p2yyp2=p2yp4+p4yp2=p2+p4yp2x = \frac{p^2y}{y-p^2} = \frac{p^2y-p^4+p^4}{y-p^2} = p^2 + \frac{p^4}{y-p^2}.
xx が自然数であるためには yp2y-p^2p4p^4 の約数である必要がある。y>xy > x より、yp2>xp2y-p^2 > x-p^2.
p4p^4 の約数は 1,p,p2,p3,p41, p, p^2, p^3, p^4.
yp2=1y-p^2=1 のとき y=p2+1y=p^2+1 であり x=p2+p4x = p^2 + p^4. このとき x>yx>y となり条件を満たさない。
yp2=py-p^2=p のとき y=p2+py=p^2+p であり x=p2+p3x = p^2 + p^3. このとき x>yx>y となり条件を満たさない。
yp2=p2y-p^2=p^2 のとき y=2p2y=2p^2 であり x=p2+p2=2p2x = p^2 + p^2 = 2p^2. このとき x=yx = y となり条件を満たさない。
yp2=p3y-p^2=p^3 のとき y=p2+p3y=p^2+p^3 であり x=p2+px = p^2 + p. このとき x<yx<y となり条件を満たす。よって (x,y)=(p2+p,p2+p3)(x, y) = (p^2+p, p^2+p^3).
yp2=p4y-p^2=p^4 のとき y=p2+p4y=p^2+p^4 であり x=p2+1x = p^2 + 1. このとき x<yx<y となり条件を満たす。よって (x,y)=(p2+1,p2+p4)(x, y) = (p^2+1, p^2+p^4).
したがって、条件を満たす (x,y)(x, y) の組の数は 2 組。
(4) 一般の自然数 nn に対して、1x+1y=1pn\frac{1}{x} + \frac{1}{y} = \frac{1}{p^n} かつ x<yx < y を満たす (x,y)(x, y) の組の数を求める。
1x=1pn1y=ypnpny\frac{1}{x} = \frac{1}{p^n} - \frac{1}{y} = \frac{y-p^n}{p^ny} より、x=pnyypn=pnyp2n+p2nypn=pn+p2nypnx = \frac{p^ny}{y-p^n} = \frac{p^ny-p^{2n}+p^{2n}}{y-p^n} = p^n + \frac{p^{2n}}{y-p^n}.
xx が自然数であるためには ypny-p^np2np^{2n} の約数である必要がある。y>xy > x より、ypn>xpny-p^n > x-p^n.
p2np^{2n} の約数は 1,p,p2,...,p2n1, p, p^2, ..., p^{2n}.
ypn=pky-p^n = p^k (ただし 0k2n0 \le k \le 2n)とおくと y=pn+pky = p^n + p^k となる。
このとき x=pn+p2npk=pn+p2nkx = p^n + \frac{p^{2n}}{p^k} = p^n + p^{2n-k} となる。
x<yx < y であるためには pn+p2nk<pn+pkp^n + p^{2n-k} < p^n + p^k が必要である。
すなわち、p2nk<pkp^{2n-k} < p^k, よって 2nk<k2n-k < k, 2n<2k2n < 2k, n<kn < k.
したがって、kkn+1,n+2,...,2nn+1, n+2, ..., 2n のいずれかの値をとる。
kk の取りうる値の数は 2n(n+1)+1=n2n - (n+1) + 1 = n 個である。
よって、条件を満たす (x,y)(x, y) の組の数は nn 組。

3. 最終的な答え

ア: (4, 12)
イ: (p+1, p^2+p)
ウ: 2
エ: n

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