整数 $m, n$ に関する以下の3つの命題を証明します。 (1) $n^3 + 1$ が奇数ならば、$n$ は偶数である。 (2) $2m = 3n$ ならば、$m$ は 3 の倍数である。 (3) $mn$ が 3 の倍数ならば、$m$ または $n$ は 3 の倍数である。

数論整数の性質命題証明対偶
2025/7/4

1. 問題の内容

整数 m,nm, n に関する以下の3つの命題を証明します。
(1) n3+1n^3 + 1 が奇数ならば、nn は偶数である。
(2) 2m=3n2m = 3n ならば、mm は 3 の倍数である。
(3) mnmn が 3 の倍数ならば、mm または nn は 3 の倍数である。

2. 解き方の手順

(1) 対偶を証明します。つまり、nn が奇数ならば、n3+1n^3 + 1 は偶数であることを示します。
nn が奇数であるとき、n=2k+1n = 2k + 1 (kk は整数) と表せます。
すると、
n3+1=(2k+1)3+1=8k3+12k2+6k+1+1=8k3+12k2+6k+2=2(4k3+6k2+3k+1)n^3 + 1 = (2k + 1)^3 + 1 = 8k^3 + 12k^2 + 6k + 1 + 1 = 8k^3 + 12k^2 + 6k + 2 = 2(4k^3 + 6k^2 + 3k + 1)
4k3+6k2+3k+14k^3 + 6k^2 + 3k + 1 は整数なので、n3+1n^3 + 1 は 2 の倍数、つまり偶数です。
よって、対偶が真なので、元の命題も真です。
(2) 2m=3n2m = 3n より、m=3n2m = \frac{3n}{2} です。mm は整数なので、3n2\frac{3n}{2} も整数です。
3n3n は 2 の倍数である必要があります。3 は 2 で割り切れないので、nn が 2 の倍数である必要があります。
したがって、n=2kn = 2k (kk は整数) と表せます。
これを m=3n2m = \frac{3n}{2} に代入すると、m=3(2k)2=3km = \frac{3(2k)}{2} = 3k となり、mm は 3 の倍数であることがわかります。
(3) 対偶を証明します。つまり、mmnn も 3 の倍数でないならば、mnmn は 3 の倍数でないことを示します。
mmnn も 3 の倍数でないとき、m=3k+1m = 3k + 1 または m=3k+2m = 3k + 2 (kk は整数) であり、n=3l+1n = 3l + 1 または n=3l+2n = 3l + 2 (ll は整数) です。
場合1: m=3k+1m = 3k + 1 かつ n=3l+1n = 3l + 1 のとき、
mn=(3k+1)(3l+1)=9kl+3k+3l+1=3(3kl+k+l)+1mn = (3k + 1)(3l + 1) = 9kl + 3k + 3l + 1 = 3(3kl + k + l) + 1 となり、mnmn は 3 の倍数ではありません。
場合2: m=3k+1m = 3k + 1 かつ n=3l+2n = 3l + 2 のとき、
mn=(3k+1)(3l+2)=9kl+6k+3l+2=3(3kl+2k+l)+2mn = (3k + 1)(3l + 2) = 9kl + 6k + 3l + 2 = 3(3kl + 2k + l) + 2 となり、mnmn は 3 の倍数ではありません。
場合3: m=3k+2m = 3k + 2 かつ n=3l+1n = 3l + 1 のとき、
mn=(3k+2)(3l+1)=9kl+3k+6l+2=3(3kl+k+2l)+2mn = (3k + 2)(3l + 1) = 9kl + 3k + 6l + 2 = 3(3kl + k + 2l) + 2 となり、mnmn は 3 の倍数ではありません。
場合4: m=3k+2m = 3k + 2 かつ n=3l+2n = 3l + 2 のとき、
mn=(3k+2)(3l+2)=9kl+6k+6l+4=3(3kl+2k+2l+1)+1mn = (3k + 2)(3l + 2) = 9kl + 6k + 6l + 4 = 3(3kl + 2k + 2l + 1) + 1 となり、mnmn は 3 の倍数ではありません。
いずれの場合も mnmn は 3 の倍数ではないので、対偶が真であり、元の命題も真です。

3. 最終的な答え

(1) n3+1n^3 + 1 が奇数ならば、nn は偶数である。(証明終わり)
(2) 2m=3n2m = 3n ならば、mm は 3 の倍数である。(証明終わり)
(3) mnmn が 3 の倍数ならば、mm または nn は 3 の倍数である。(証明終わり)

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