(a) と (b) は、行列 A の零空間を求める問題です。行列を簡約化し、自由変数の数を数えることで次元がわかります。基底は、自由変数を1つずつ1に、残りを0にして得られる解を並べたものです。 (c) と (d) は、連立一次方程式の解空間を求める問題です。連立一次方程式を解き、自由変数の数を数えることで次元がわかります。基底は、自由変数を1つずつ1に、残りを0にして得られる解を並べたものです。
(e) と (f) は、多項式空間の部分空間を求める問題です。条件を満たす多項式の一般形を求め、それを基に基底を構成します。
以下、(a), (c), (e) について詳細に解答します。
**(a)**
与えられた行列は、
A=1121−1111210−1125 この行列を簡約化します。
まず2行目から1行目を引きます。
1021−211021−1−1115 次に3行目から1行目の2倍を引きます。
1001−2−11001−1−3113 2行目と3行目を入れ替えます。
1001−1−21001−3−1131 2行目に-1をかけます。
10011−210013−11−31 3行目に2行目の2倍を加えます。
1001101001351−3−5 3行目を5で割ります。
1001101001311−3−1 1行目から2行目を引きます。
100010100−2314−3−1 1行目に3行目の2倍を加えます。
1000101000312−3−1 2行目から3行目の3倍を引きます。
10001010000120−1 ランクは3なので、自由変数は2つです。次元は2です。
基底を求めるには、x3=s と x5=t と置きます。すると、x1=−s−2t, x2=0, x4=t となります。 従って、
x1x2x3x4x5=s−10100+t−20011 **(c)**
x1+2x2−x3=0 3x1−3x2+2x3=0 この連立一次方程式を解きます。1つ目の式を3倍して2つ目の式から引きます。
−9x2+5x3=0, つまり 9x2=5x3. x2=95x3. x1=x3−2x2=x3−910x3=−91x3. したがって、
x1x2x3=x3−91951 次元は1です。
基底は −159 など。 **(e)**
f(x)=ax3+bx2+cx+d f(1)=a+b+c+d=0 f′(x)=3ax2+2bx+c f′(1)=3a+2b+c=0 a+b+c+d=0 から d=−a−b−c 3a+2b+c=0 から c=−3a−2b d=−a−b−(−3a−2b)=2a+b f(x)=ax3+bx2+(−3a−2b)x+(2a+b)=a(x3−3x+2)+b(x2−2x+1)=a(x−1)2(x+2)+b(x−1)2 次元は2です。
基底は (x−1)2(x+2), (x−1)2 ##