ベクトル空間 $V$ の基 $\\{u_1, u_2, u_3\\}$ が与えられたとき、以下のベクトルの組 $\\{v_1, v_2, v_3\\}$ が $V$ の基となるかどうかを調べる問題です。 (a) $v_1 = 2u_1 + u_2 - u_3$, $v_2 = u_1 + 2u_2 + u_3$, $v_3 = u_1 + u_2 + u_3$ (b) $v_1 = u_1 - u_2 + u_3$, $v_2 = -u_1 + 3u_2 - u_3$, $v_3 = u_1 + u_3$

代数学線形代数ベクトル空間基底線形独立行列式
2025/6/27

1. 問題の内容

ベクトル空間 VV の基 u1,u2,u3\\{u_1, u_2, u_3\\} が与えられたとき、以下のベクトルの組 v1,v2,v3\\{v_1, v_2, v_3\\}VV の基となるかどうかを調べる問題です。
(a) v1=2u1+u2u3v_1 = 2u_1 + u_2 - u_3, v2=u1+2u2+u3v_2 = u_1 + 2u_2 + u_3, v3=u1+u2+u3v_3 = u_1 + u_2 + u_3
(b) v1=u1u2+u3v_1 = u_1 - u_2 + u_3, v2=u1+3u2u3v_2 = -u_1 + 3u_2 - u_3, v3=u1+u3v_3 = u_1 + u_3

2. 解き方の手順

ベクトル空間の基となるかどうかを判定するには、与えられたベクトルが線形独立であるかどうかを調べます。これは、与えられたベクトルを列ベクトルとする行列の行列式を計算し、その値がゼロでないかどうかを確認することで判定できます。行列式がゼロでない場合、ベクトルは線形独立であり、与えられたベクトル空間の基となります。
(a) の場合:
v1,v2,v3v_1, v_2, v_3u1,u2,u3u_1, u_2, u_3の線形結合として表す行列を考えます。
A=(211121111)A = \begin{pmatrix} 2 & 1 & 1 \\ 1 & 2 & 1 \\ -1 & 1 & 1 \end{pmatrix}
行列 AA の行列式を計算します。
det(A)=2(2111)1(111(1))+1(112(1))=2(1)1(2)+1(3)=22+3=3\det(A) = 2(2 \cdot 1 - 1 \cdot 1) - 1(1 \cdot 1 - 1 \cdot (-1)) + 1(1 \cdot 1 - 2 \cdot (-1)) = 2(1) - 1(2) + 1(3) = 2 - 2 + 3 = 3
det(A)=30\det(A) = 3 \neq 0 であるので、v1,v2,v3v_1, v_2, v_3 は線形独立であり、VV の基となります。
(b) の場合:
v1,v2,v3v_1, v_2, v_3u1,u2,u3u_1, u_2, u_3の線形結合として表す行列を考えます。
B=(111130111)B = \begin{pmatrix} 1 & -1 & 1 \\ -1 & 3 & 0 \\ 1 & -1 & 1 \end{pmatrix}
行列 BB の行列式を計算します。
det(B)=1(310(1))(1)(1101)+1((1)(1)31)=1(3)(1)(1)+1(13)=312=0\det(B) = 1(3 \cdot 1 - 0 \cdot (-1)) - (-1)(-1 \cdot 1 - 0 \cdot 1) + 1((-1) \cdot (-1) - 3 \cdot 1) = 1(3) - (-1)(-1) + 1(1 - 3) = 3 - 1 - 2 = 0
det(B)=0\det(B) = 0 であるので、v1,v2,v3v_1, v_2, v_3 は線形従属であり、VV の基とはなりません。

3. 最終的な答え

(a) v1,v2,v3\\{v_1, v_2, v_3\\}VV の基となる。
(b) v1,v2,v3\\{v_1, v_2, v_3\\}VV の基とならない。

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