問題2: $V = R[x]_2$ (2次以下の実数係数多項式全体のなすベクトル空間) のベクトル $f_1(x) = 1 - x + x^2$, $f_2(x) = -1 + 2x + 2x^2$, $f_3(x) = 1 - 2x - x^2$ が $V$ の基であることを示す。 問題3: $\{u_1, u_2, u_3\}$ がベクトル空間 $V$ の基であるとき、次のベクトルの組 $\{v_1, v_2, v_3\}$ が $V$ の基であるかどうかを判定する。 (a) $v_1 = 2u_1 + u_2 - u_3$, $v_2 = u_1 + 2u_2 + u_3$, $v_3 = u_1 + u_2 + u_3$ (b) $v_1 = u_1 - u_2 + u_3$, $v_2 = -u_1 + 3u_2 - u_3$, $v_3 = u_1 + u_3$
2025/6/27
1. 問題の内容
問題2: (2次以下の実数係数多項式全体のなすベクトル空間) のベクトル , , が の基であることを示す。
問題3: がベクトル空間 の基であるとき、次のベクトルの組 が の基であるかどうかを判定する。
(a) , ,
(b) , ,
2. 解き方の手順
問題2:
が の基であるためには、線形独立である必要がある。つまり、 となるスカラー が のみであることを示す。
この式が恒等的に0となるためには、各係数が0でなければならない。
この連立一次方程式を行列で表現すると
行列式を計算する:
行列式が0でないので、この連立一次方程式の解は のみである。したがって、 は線形独立であり、 の基である。
問題3(a):
が の基であるためには、線形独立である必要がある。
となるスカラー が のみであることを示す。
は基なので線形独立である。したがって、
この連立一次方程式を行列で表現すると
行列式を計算する:
行列式が0でないので、この連立一次方程式の解は のみである。したがって、 は線形独立であり、 の基である。
問題3(b):
が の基であるためには、線形独立である必要がある。
となるスカラー が のみであることを示す。
は基なので線形独立である。したがって、
この連立一次方程式を行列で表現すると
行列式を計算する:
行列式が0なので、この連立一次方程式は自明な解以外の解を持つ。例えば、第2式よりである。第1式に代入すると、より、すなわち。
とすると、、 となる。
したがって、 は線形従属であり、 の基ではない。
3. 最終的な答え
問題2: は の基である。
問題3(a): は の基である。
問題3(b): は の基ではない。