関数 $f(x, y)$ が以下のように定義されている。 $f(x, y) = \begin{cases} |x|^{\alpha} |y|^{\beta} & (x, y) \neq (0, 0) \\ 0 & (x, y) = (0, 0) \end{cases}$ ここで、$\alpha > 0$, $\beta > 0$ である。 (1) $x$軸との角度 $\theta$ ($0 \le \theta < 2\pi$) である方向を $l$ とする。点 $(0, 0)$ で方向微分係数 $\frac{\partial f}{\partial l}(0, 0)$ が存在するための $\alpha$, $\beta$ の条件を求め、そのときの $\frac{\partial f}{\partial l}(0, 0)$ の値を求めよ。 (2) $f(x, y)$ が (全) 微分可能となる $\alpha$, $\beta$ の条件を求めよ。
2025/6/27
1. 問題の内容
関数 が以下のように定義されている。
ここで、, である。
(1) 軸との角度 () である方向を とする。点 で方向微分係数 が存在するための , の条件を求め、そのときの の値を求めよ。
(2) が (全) 微分可能となる , の条件を求めよ。
2. 解き方の手順
(1) 方向微分係数 の存在条件と値を求める。方向 の単位ベクトルを とすると、方向微分係数は以下のように定義される。
なので、
この極限が存在するためには、, つまり が必要である。このとき、極限は 0 となる。
のとき であり、 のとき である。
この場合でも であれば、極限は 0 となる。
(2) が で全微分可能であるための条件を求める。全微分可能であるためには、まず偏微分係数が存在する必要がある。
よって、偏微分係数は常に存在し、, である。
次に、全微分可能性の定義を確認する。
が で全微分可能であるとは、
が成り立つことである。
, , より、
を確かめる。
, とおくと、
この極限が 0 となるためには、, つまり が必要である。
3. 最終的な答え
(1) が存在するための条件は であり、そのときの値は である。
(2) が (全) 微分可能となるための条件は である。