画像には2つの問題があります。 (ii) 関数 $f(x) = \log(1+x)$ の $x=0$ における $n$ 次のテイラー展開を、剰余項も含めて求める。 (12) 関数 $\cos x$ の有限マクローリン展開とラグランジュの剰余項 $R_{2n+1}(x)$ を確認する。

1. 問題の内容

画像には2つの問題があります。

(ii) 関数 $f(x) = \log(1+x)$ の $x=0$ における $n$ 次のテイラー展開を、剰余項も含めて求める。

(12) 関数 $\cos x$ の有限マクローリン展開とラグランジュの剰余項 $R_{2n+1}(x)$ を確認する。

2. 解き方の手順

(ii)

$f(x) = \log(1+x)$ の $x=0$ における $n$ 次のテイラー展開を求める。

まず、$f(x)$ の微分をいくつか計算する。

$f(x) = \log(1+x)$

$f'(x) = \frac{1}{1+x}$

$f''(x) = -\frac{1}{(1+x)^2}$

$f'''(x) = \frac{2}{(1+x)^3}$

$f^{(4)}(x) = -\frac{6}{(1+x)^4}$

一般的に、

$f^{(k)}(x) = \frac{(-1)^{k-1}(k-1)!}{(1+x)^k}$ ($k \ge 1$)

したがって、$x=0$ における微分係数は、

$f(0) = \log(1) = 0$

$f'(0) = 1$

$f''(0) = -1$

$f'''(0) = 2$

$f^{(4)}(0) = -6$

$f^{(k)}(0) = (-1)^{k-1}(k-1)!$ ($k \ge 1$)

したがって、テイラー展開は、

$f(x) = f(0) + \sum_{k=1}^{n} \frac{f^{(k)}(0)}{k!} x^k + R_n(x)$

$= \sum_{k=1}^{n} \frac{(-1)^{k-1}(k-1)!}{k!} x^k + R_n(x)$

$= \sum_{k=1}^{n} \frac{(-1)^{k-1}}{k} x^k + R_n(x)$

$= x - \frac{x^2}{2} + \frac{x^3}{3} - \frac{x^4}{4} + \dots + (-1)^{n-1}\frac{x^n}{n} + R_n(x)$

ラグランジュの剰余項は、

$R_n(x) = \frac{f^{(n+1)}(c)}{(n+1)!} x^{n+1}$ (ある $0<c<x$ が存在する)

$R_n(x) = \frac{(-1)^{n} n!}{(1+c)^{n+1} (n+1)!} x^{n+1}$

$R_n(x) = \frac{(-1)^n}{(n+1)(1+c)^{n+1}} x^{n+1}$

(12)

$\cos x$ のマクローリン展開を求める。

$\cos x = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{(-1)^n}{(2n)!} x^{2n} = 1 - \frac{x^2}{2!} + \frac{x^4}{4!} - \frac{x^6}{6!} + \dots$

有限マクローリン展開は、

$\cos x = \sum_{k=0}^{n} \frac{(-1)^k}{(2k)!} x^{2k} + R_{2n+1}(x)$

剰余項 $R_{2n+1}(x)$ を確認する。

ラグランジュの剰余項は、

$R_{2n+1}(x) = \frac{f^{(2n+2)}(c)}{(2n+2)!} x^{2n+2}$ (ある $0<c<x$ が存在する)

$f(x) = \cos x$ なので、$f^{(2n+2)}(x)$ は $\pm \cos x$ または $\pm \sin x$ である。

したがって、 $|f^{(2n+2)}(c)| \le 1$ であるから、

$|R_{2n+1}(x)| \le \frac{|x|^{2n+2}}{(2n+2)!}$

3. 最終的な答え

(ii)

$\log(1+x) = x - \frac{x^2}{2} + \frac{x^3}{3} - \frac{x^4}{4} + \dots + (-1)^{n-1}\frac{x^n}{n} + \frac{(-1)^n}{(n+1)(1+c)^{n+1}} x^{n+1}$

(12)

$\cos x = \sum_{k=0}^{n} \frac{(-1)^k}{(2k)!} x^{2k} + R_{2n+1}(x)$

$|R_{2n+1}(x)| \le \frac{|x|^{2n+2}}{(2n+2)!}$