(1) $\lim_{x\to\infty} x\{\log(x-2) - \log x\}$ を求める。 (2) $\lim_{x\to 0} \frac{x(e^{2x}-1)}{1-\cos x}$ を求める。

1. 問題の内容

(1) $\lim_{x\to\infty} x\{\log(x-2) - \log x\}$ を求める。

(2) $\lim_{x\to 0} \frac{x(e^{2x}-1)}{1-\cos x}$ を求める。

2. 解き方の手順

(1)

まず、対数の性質を用いて式を簡単にする。

$\log(x-2) - \log x = \log\left(\frac{x-2}{x}\right) = \log\left(1-\frac{2}{x}\right)$

したがって、求める極限は

$\lim_{x\to\infty} x\log\left(1-\frac{2}{x}\right)$

ここで、$t = -\frac{2}{x}$ とおくと、$x = -\frac{2}{t}$ であり、$x\to\infty$ のとき $t\to 0$ となる。

よって、極限は

$\lim_{t\to 0} -\frac{2}{t}\log(1+t) = -2\lim_{t\to 0} \frac{\log(1+t)}{t}$

$\lim_{t\to 0} \frac{\log(1+t)}{t} = 1$ であるから、求める極限は $-2$ となる。

(2)

$\lim_{x\to 0} \frac{x(e^{2x}-1)}{1-\cos x}$ を求める。

ロピタルの定理を適用することを考える。

$x\to 0$ のとき、$x(e^{2x}-1)\to 0$ かつ $1-\cos x \to 0$ なので、不定形$\frac{0}{0}$である。

したがって、ロピタルの定理を適用できる。

分子を微分すると、$\frac{d}{dx}x(e^{2x}-1) = (e^{2x}-1) + x(2e^{2x}) = e^{2x} - 1 + 2xe^{2x}$

分母を微分すると、$\frac{d}{dx}(1-\cos x) = \sin x$

したがって、

$\lim_{x\to 0} \frac{e^{2x} - 1 + 2xe^{2x}}{\sin x}$

$x\to 0$ のとき、$e^{2x} - 1 + 2xe^{2x}\to 0$ かつ $\sin x \to 0$ なので、再び不定形$\frac{0}{0}$である。

したがって、再びロピタルの定理を適用できる。

分子を微分すると、$\frac{d}{dx}(e^{2x} - 1 + 2xe^{2x}) = 2e^{2x} + 2e^{2x} + 4xe^{2x} = 4e^{2x} + 4xe^{2x}$

分母を微分すると、$\frac{d}{dx}\sin x = \cos x$

したがって、

$\lim_{x\to 0} \frac{4e^{2x} + 4xe^{2x}}{\cos x} = \frac{4e^{0} + 4(0)e^{0}}{\cos 0} = \frac{4+0}{1} = 4$

別解

$\lim_{x\to 0} \frac{x(e^{2x}-1)}{1-\cos x} = \lim_{x\to 0} \frac{x}{1-\cos x} \cdot \lim_{x\to 0} (e^{2x}-1)$

$\lim_{x\to 0} \frac{e^{2x}-1}{x} = 2$ を用いると

$\lim_{x\to 0} \frac{x(e^{2x}-1)}{1-\cos x} = \lim_{x\to 0} \frac{x^2}{1-\cos x} \cdot \lim_{x\to 0} \frac{e^{2x}-1}{x}$

$\lim_{x\to 0} \frac{1-\cos x}{x^2} = \frac{1}{2}$ より、$\lim_{x\to 0} \frac{x^2}{1-\cos x} = 2$

$\lim_{x\to 0} \frac{e^{2x}-1}{x} = 2$

したがって、$\lim_{x\to 0} \frac{x(e^{2x}-1)}{1-\cos x} = 2 \cdot 2 = 4$

3. 最終的な答え

(1) -2

(2) 4