次の3つの数列の極限値 $\alpha$ を求め、また $|a_n - \alpha| < 10^{-2}$ ($n \ge N$) が成り立つための $N$ の条件を調べる問題です。ただし $\alpha \in \mathbb{R}$ とします。 (1) $a_n = 2^{-n}$ (2) $a_n = \frac{n}{n+1}$ (3) $a_1 = a, \quad a_{n+1} = \frac{a_n}{2} + 1$

1. 問題の内容

次の3つの数列の極限値 $\alpha$ を求め、また $|a_n - \alpha| < 10^{-2}$ ($n \ge N$) が成り立つための $N$ の条件を調べる問題です。ただし $\alpha \in \mathbb{R}$ とします。

(1) $a_n = 2^{-n}$

(2) $a_n = \frac{n}{n+1}$

(3) $a_1 = a, \quad a_{n+1} = \frac{a_n}{2} + 1$

2. 解き方の手順

(1) $a_n = 2^{-n}$ の場合：

極限値 $\alpha$ は $0$ です。

$|a_n - \alpha| = |2^{-n} - 0| = 2^{-n}$ となります。

$2^{-n} < 2^{-N}$ であるので、$2^{-N} < 10^{-2}$ となる $N$ の条件を求めます。

$2^{-N} < 10^{-2}$ より、両辺の $\log_2$ をとると $-N < \log_2(10^{-2}) = -2 \log_2 10$ となり、

$N > 2 \log_2 10$ であればよいことになります。

(2) $a_n = \frac{n}{n+1}$ の場合：

極限値 $\alpha$ は $1$ です。

$|a_n - \alpha| = |\frac{n}{n+1} - 1| = |\frac{n - (n+1)}{n+1}| = |\frac{-1}{n+1}| = \frac{1}{n+1}$ となります。

$\frac{1}{n+1} \le \frac{1}{N+1}$ であるので、$\frac{1}{N+1} < 10^{-2}$ となる $N$ の条件を求めます。

$\frac{1}{N+1} < 10^{-2}$ より、$N+1 > 10^2 = 100$ となり、$N > 99$ であればよいことになります。

(3) $a_1 = a, \quad a_{n+1} = \frac{a_n}{2} + 1$ の場合：

漸化式を変形すると $a_{n+1} - 2 = \frac{a_n - 2}{2}$ となります。

よって一般項は $a_n = (a-2)2^{-n+1} + 2$ となります。

極限値 $\alpha$ は $2$ です。

$|a_n - \alpha| = |(a-2)2^{-n+1} + 2 - 2| = |a-2|2^{-n+1}$ となります。

$|a-2|2^{-n+1} \le |a-2|2^{-N+1}$ であるので、$|a-2|2^{-N+1} < 10^{-2}$ となる $N$ の条件を求めます。

もし $a=2$ の時は $N$ の条件はありません。

$a \neq 2$ のとき、$|a-2|2^{-N+1} < 10^{-2}$ より、$2^{-N+1} < \frac{10^{-2}}{|a-2|} = \frac{1}{100|a-2|}$ となり、

両辺の $\log_2$ をとると $-N+1 < \log_2 \frac{1}{100|a-2|} = - \log_2 (100|a-2|)$ となり、

$N-1 > \log_2 (100|a-2|)$

$N > \log_2 (100|a-2|) + 1 = \log_2 (200|a-2|)$ であればよいことになります。

3. 最終的な答え

(1) 極限値 $\alpha = 0$。 $N > 2 \log_2 10$

(2) 極限値 $\alpha = 1$。 $N > 99$

(3) 極限値 $\alpha = 2$。 $a=2$ のときは条件なし。$a \neq 2$ のときは $N > \log_2 (200|a-2|)$