数列 $\frac{1-r^n}{1+r^n}$ の極限を、以下の4つの場合について求める。 (1) $r > 1$ (2) $r = 1$ (3) $|r| < 1$ (4) $r < -1$

解析学数列極限収束発散
2025/6/29

1. 問題の内容

数列 1rn1+rn\frac{1-r^n}{1+r^n} の極限を、以下の4つの場合について求める。
(1) r>1r > 1
(2) r=1r = 1
(3) r<1|r| < 1
(4) r<1r < -1

2. 解き方の手順

(1) r>1r > 1 の場合:
分子と分母を rnr^n で割ると、
1rn1+rn=1rn11rn+1\frac{1-r^n}{1+r^n} = \frac{\frac{1}{r^n}-1}{\frac{1}{r^n}+1}
r>1r>1 より limn1rn=0\lim_{n \to \infty} \frac{1}{r^n} = 0 なので、
limn1rn11rn+1=010+1=1\lim_{n \to \infty} \frac{\frac{1}{r^n}-1}{\frac{1}{r^n}+1} = \frac{0-1}{0+1} = -1
(2) r=1r = 1 の場合:
1rn1+rn=11n1+1n=111+1=02=0\frac{1-r^n}{1+r^n} = \frac{1-1^n}{1+1^n} = \frac{1-1}{1+1} = \frac{0}{2} = 0
したがって、limn1rn1+rn=0\lim_{n \to \infty} \frac{1-r^n}{1+r^n} = 0
(3) r<1|r| < 1 の場合:
r<1|r| < 1 より limnrn=0\lim_{n \to \infty} r^n = 0 なので、
limn1rn1+rn=101+0=1\lim_{n \to \infty} \frac{1-r^n}{1+r^n} = \frac{1-0}{1+0} = 1
(4) r<1r < -1 の場合:
r<1r < -1 のとき、rnr^n は振動し、極限値を持たない。
1rn1+rn=1rn11rn+1\frac{1-r^n}{1+r^n} = \frac{\frac{1}{r^n}-1}{\frac{1}{r^n}+1}
r<1r < -1 なので、rnr^nnn が偶数のとき正、奇数のとき負となる。
limnrn\lim_{n \to \infty} r^n は発散し、振動するため、limn1rn=0\lim_{n \to \infty} \frac{1}{r^n} = 0 とはならない。
したがって、limn1rn1+rn\lim_{n \to \infty} \frac{1-r^n}{1+r^n} は存在しない。

3. 最終的な答え

(1) r>1r > 1 のとき、1-1
(2) r=1r = 1 のとき、00
(3) r<1|r| < 1 のとき、11
(4) r<1r < -1 のとき、極限は存在しない

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