与えられた2つの無限等比級数が収束するような $x$ の値の範囲を求める問題です。 (1) $1 + x(1-x) + x^2(1-x)^2 + x^3(1-x)^3 + \cdots$ (2) $1 + (x-\frac{x^3}{3}) + (x-\frac{x^3}{3})^2 + (x-\frac{x^3}{3})^3 + \cdots$

1. 問題の内容

与えられた2つの無限等比級数が収束するような $x$ の値の範囲を求める問題です。

(1) $1 + x(1-x) + x^2(1-x)^2 + x^3(1-x)^3 + \cdots$

(2) $1 + (x-\frac{x^3}{3}) + (x-\frac{x^3}{3})^2 + (x-\frac{x^3}{3})^3 + \cdots$

2. 解き方の手順

無限等比級数 $a + ar + ar^2 + ar^3 + \cdots$ が収束するための条件は、$-1 < r < 1$ です。ここで、$r$ は公比を表します。

(1) の場合、公比は $r = x(1-x)$ なので、$-1 < x(1-x) < 1$ を満たす $x$ の範囲を求めます。

まず、$x(1-x) < 1$ を解きます。

$x - x^2 < 1$

$x^2 - x + 1 > 0$

この不等式は、$x$ のすべての実数に対して成立します。なぜなら、判別式が $D = (-1)^2 - 4(1)(1) = 1 - 4 = -3 < 0$ であり、2次の係数が正だからです。

次に、$-1 < x(1-x)$ を解きます。

$-1 < x - x^2$

$x^2 - x - 1 < 0$

この不等式を解くために、$x^2 - x - 1 = 0$ の解を求めます。

$x = \frac{1 \pm \sqrt{1 - 4(-1)}}{2} = \frac{1 \pm \sqrt{5}}{2}$

したがって、$\frac{1 - \sqrt{5}}{2} < x < \frac{1 + \sqrt{5}}{2}$

(2) の場合、公比は $r = x - \frac{x^3}{3}$ なので、$-1 < x - \frac{x^3}{3} < 1$ を満たす $x$ の範囲を求めます。

まず、$x - \frac{x^3}{3} < 1$ を解きます。

$3x - x^3 < 3$

$x^3 - 3x + 3 > 0$

次に、$-1 < x - \frac{x^3}{3}$ を解きます。

$-3 < 3x - x^3$

$x^3 - 3x - 3 < 0$

$f(x)=x^3-3x+3$, $g(x)=x^3-3x-3$とおく。

$f(x)$ の解を求め、 $x^3 - 3x + 3 > 0$を満たすxを求める。

$g(x)$の解を求め、 $x^3 - 3x - 3 < 0$を満たすxを求める。

ここでは解法を簡単にするために、

$x - \frac{x^3}{3} = x(1 - \frac{x^2}{3})$ について、$|x(1 - \frac{x^2}{3})| < 1$を満たす $x$ を求めます。

$-1 < x - \frac{x^3}{3} < 1$

$x=2$の時、$2-\frac{8}{3} = -\frac{2}{3} > -1$

$x=3$の時、$3-\frac{27}{3} = -6 < -1$

$x=-2$の時、$-2 - \frac{-8}{3} = -2 + \frac{8}{3} = \frac{2}{3} < 1$

$x=-3$の時、$-3 - \frac{-27}{3} = -3+9 = 6 > 1$

なので、$-2 < x < 2$

3. 最終的な答え

(1) $\frac{1 - \sqrt{5}}{2} < x < \frac{1 + \sqrt{5}}{2}$

(2) $-2 < x < 2$