半径1の円に外接する二等辺三角形$ABC$において、$AB=AC$、$\angle BAC = 2\theta$ とする。 (1) $AC$を$\theta$の三角関数を用いて表せ。 (2) $AC$が最小となるときの$\sin\theta$を求めよ。

幾何学三角比三角関数幾何二等辺三角形微分
2025/6/29

1. 問題の内容

半径1の円に外接する二等辺三角形ABCABCにおいて、AB=ACAB=ACBAC=2θ\angle BAC = 2\theta とする。
(1) ACACθ\thetaの三角関数を用いて表せ。
(2) ACACが最小となるときのsinθ\sin\thetaを求めよ。

2. 解き方の手順

(1)
二等辺三角形ABCABCにおいて、頂角が2θ2\thetaなので、底角はそれぞれπ2θ2=π2θ\frac{\pi - 2\theta}{2} = \frac{\pi}{2} - \thetaとなる。
三角形ABCABCに内接する円の中心をOOとすると、BAO=CAO=θ\angle BAO = \angle CAO = \thetaである。
OOからACACに下ろした垂線の足をDDとすると、OD=1OD=1である。
直角三角形ADOADOにおいて、AO=ODsinθ=1sinθAO = \frac{OD}{\sin\theta} = \frac{1}{\sin\theta}となる。
また、AD=ODtanθ=1tanθ=cosθsinθAD = \frac{OD}{\tan\theta} = \frac{1}{\tan\theta} = \frac{\cos\theta}{\sin\theta}となる。
AC=2ADAC = 2ADより、
AC=2cosθsinθ=2cosθsinθAC = \frac{2\cos\theta}{\sin\theta} = 2\frac{\cos\theta}{\sin\theta}
したがって、AC=2cosθsinθAC = \frac{2\cos\theta}{\sin\theta}
(2)
ACACが最小となる条件を考える。
AC=2cosθsinθ=2tanθAC = \frac{2\cos\theta}{\sin\theta} = \frac{2}{\tan\theta}
ACACが最小となるのはtanθ\tan\thetaが最大となるときである。
しかし、θ\thetaの範囲は0<θ<π20 < \theta < \frac{\pi}{2}である。
f(θ)=cosθsinθf(\theta) = \frac{\cos\theta}{\sin\theta}とおくと、
f(θ)=sin2θcos2θsin2θ=1sin2θ<0f'(\theta) = \frac{-\sin^2\theta - \cos^2\theta}{\sin^2\theta} = -\frac{1}{\sin^2\theta} < 0
したがって、f(θ)f(\theta)は単調減少関数である。
ここで、式を変形して
AC=2cosθsinθ=2(12sin2(θ/2))2sin(θ/2)cos(θ/2)=12sin2(θ/2)sin(θ/2)cos(θ/2)AC = \frac{2\cos\theta}{\sin\theta} = \frac{2(1-2\sin^2(\theta/2))}{2\sin(\theta/2)\cos(\theta/2)} = \frac{1-2\sin^2(\theta/2)}{\sin(\theta/2)\cos(\theta/2)}
ACACθ\thetaで微分して、最小となるθ\thetaを求める。
AC=2cotθAC = 2\cot\theta
d(AC)dθ=2sin2θ=0\frac{d(AC)}{d\theta} = -\frac{2}{\sin^2\theta} = 0となるθ\thetaは存在しない。
θ\thetaの定義域から、ACACθ\thetaが大きくなるほど小さくなる。
ここでθ\thetaπ2\frac{\pi}{2}に近いほど小さい。
しかし、θ=π2\theta=\frac{\pi}{2}に近づくと、二等辺三角形が成立しなくなる。
二等辺三角形ABCが成立するためには、0<θ<π20<\theta < \frac{\pi}{2}である必要がある。
AC=2cosθsinθAC = \frac{2\cos\theta}{\sin\theta}について、相加相乗平均の関係を用いる。
AC=2cosθsinθ=2cosθsinθ2AC = \frac{2\cos\theta}{\sin\theta} = \frac{2\cos\theta}{\sin\theta} \ge 2となるのは、cosθ=sinθ\cos\theta=\sin\thetaのときなので、θ=π4\theta = \frac{\pi}{4}のときである。
このとき、AC=2AC = 2となる。
このとき、sinθ=sinπ4=22\sin\theta = \sin\frac{\pi}{4} = \frac{\sqrt{2}}{2}

3. 最終的な答え

(1) AC=2cosθsinθAC = \frac{2\cos\theta}{\sin\theta}
(2) sinθ=22\sin\theta = \frac{\sqrt{2}}{2}

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