行列 $A = \begin{bmatrix} 3 & 0 \\ 0 & 4 \end{bmatrix}$ と $B = \begin{bmatrix} \cos 60^\circ & -\sin 60^\circ \\ \sin 60^\circ & \cos 60^\circ \end{bmatrix}$ で定められる線形変換 $f_A$ と $f_B$ について、以下の問題を解きます。 (1) 合成変換 $f_A \circ f_B$ と $f_B \circ f_A$ を定める行列をそれぞれ求め、その幾何学的な意味を説明します。 (2) 合成変換 $f_A \circ f_A$ と $f_B \circ f_B$ を定める行列をそれぞれ求め、その幾何学的な意味を説明します。

1. 問題の内容

行列 $A = \begin{bmatrix} 3 & 0 \\ 0 & 4 \end{bmatrix}$ と $B = \begin{bmatrix} \cos 60^\circ & -\sin 60^\circ \\ \sin 60^\circ & \cos 60^\circ \end{bmatrix}$ で定められる線形変換 $f_A$ と $f_B$ について、以下の問題を解きます。

(1) 合成変換 $f_A \circ f_B$ と $f_B \circ f_A$ を定める行列をそれぞれ求め、その幾何学的な意味を説明します。

(2) 合成変換 $f_A \circ f_A$ と $f_B \circ f_B$ を定める行列をそれぞれ求め、その幾何学的な意味を説明します。

2. 解き方の手順

(1) 合成変換 $f_A \circ f_B$ は、まず $f_B$ で変換を行い、その結果を $f_A$ で変換することを意味します。したがって、この合成変換を表す行列は $AB$ となります。

$f_B \circ f_A$ は、まず $f_A$ で変換を行い、その結果を $f_B$ で変換することを意味します。したがって、この合成変換を表す行列は $BA$ となります。

$B = \begin{bmatrix} \cos 60^\circ & -\sin 60^\circ \\ \sin 60^\circ & \cos 60^\circ \end{bmatrix} = \begin{bmatrix} \frac{1}{2} & -\frac{\sqrt{3}}{2} \\ \frac{\sqrt{3}}{2} & \frac{1}{2} \end{bmatrix}$

$AB = \begin{bmatrix} 3 & 0 \\ 0 & 4 \end{bmatrix} \begin{bmatrix} \frac{1}{2} & -\frac{\sqrt{3}}{2} \\ \frac{\sqrt{3}}{2} & \frac{1}{2} \end{bmatrix} = \begin{bmatrix} \frac{3}{2} & -\frac{3\sqrt{3}}{2} \\ 2\sqrt{3} & 2 \end{bmatrix}$

$BA = \begin{bmatrix} \frac{1}{2} & -\frac{\sqrt{3}}{2} \\ \frac{\sqrt{3}}{2} & \frac{1}{2} \end{bmatrix} \begin{bmatrix} 3 & 0 \\ 0 & 4 \end{bmatrix} = \begin{bmatrix} \frac{3}{2} & -2\sqrt{3} \\ \frac{3\sqrt{3}}{2} & 2 \end{bmatrix}$

幾何学的な意味:

$AB$: $60^\circ$回転してからx軸方向に3倍、y軸方向に4倍に拡大

$BA$: x軸方向に3倍、y軸方向に4倍に拡大してから$60^\circ$回転

(2) 合成変換 $f_A \circ f_A$ は、変換 $f_A$ を2回行うことを意味します。したがって、この合成変換を表す行列は $A^2$ となります。

$f_B \circ f_B$ は、変換 $f_B$ を2回行うことを意味します。したがって、この合成変換を表す行列は $B^2$ となります。

$A^2 = A \times A = \begin{bmatrix} 3 & 0 \\ 0 & 4 \end{bmatrix} \begin{bmatrix} 3 & 0 \\ 0 & 4 \end{bmatrix} = \begin{bmatrix} 9 & 0 \\ 0 & 16 \end{bmatrix}$

$B^2 = B \times B = \begin{bmatrix} \frac{1}{2} & -\frac{\sqrt{3}}{2} \\ \frac{\sqrt{3}}{2} & \frac{1}{2} \end{bmatrix} \begin{bmatrix} \frac{1}{2} & -\frac{\sqrt{3}}{2} \\ \frac{\sqrt{3}}{2} & \frac{1}{2} \end{bmatrix} = \begin{bmatrix} -\frac{1}{2} & -\frac{\sqrt{3}}{2} \\ \frac{\sqrt{3}}{2} & -\frac{1}{2} \end{bmatrix}$

幾何学的な意味:

$A^2$: x軸方向に9倍、y軸方向に16倍に拡大

$B^2$: $120^\circ$回転

3. 最終的な答え

(1)

$f_A \circ f_B$ を定める行列: $\begin{bmatrix} \frac{3}{2} & -\frac{3\sqrt{3}}{2} \\ 2\sqrt{3} & 2 \end{bmatrix}$

$f_B \circ f_A$ を定める行列: $\begin{bmatrix} \frac{3}{2} & -2\sqrt{3} \\ \frac{3\sqrt{3}}{2} & 2 \end{bmatrix}$

$AB$: $60^\circ$回転してからx軸方向に3倍、y軸方向に4倍に拡大

$BA$: x軸方向に3倍、y軸方向に4倍に拡大してから$60^\circ$回転

(2)

$f_A \circ f_A$ を定める行列: $\begin{bmatrix} 9 & 0 \\ 0 & 16 \end{bmatrix}$

$f_B \circ f_B$ を定める行列: $\begin{bmatrix} -\frac{1}{2} & -\frac{\sqrt{3}}{2} \\ \frac{\sqrt{3}}{2} & -\frac{1}{2} \end{bmatrix}$

$A^2$: x軸方向に9倍、y軸方向に16倍に拡大

$B^2$: $120^\circ$回転