袋の中に赤球2個と白球4個が入っている。この袋から同時に2個の球を取り出す操作を、取り出した球の中に少なくとも1つの赤球が含まれるまで繰り返す。ただし、取り出した球は元に戻さない。このとき、操作の繰り返し回数 $X$ の平均 $E[X]$ と標準偏差 $\sigma[X]$ を求めよ。

確率論・統計学確率確率分布期待値分散標準偏差組み合わせ
2025/6/29

1. 問題の内容

袋の中に赤球2個と白球4個が入っている。この袋から同時に2個の球を取り出す操作を、取り出した球の中に少なくとも1つの赤球が含まれるまで繰り返す。ただし、取り出した球は元に戻さない。このとき、操作の繰り返し回数 XX の平均 E[X]E[X] と標準偏差 σ[X]\sigma[X] を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、X=kX=k となる確率 P(X=k)P(X=k) を求める。X=kX=k となるのは、k1k-1 回目まで赤球が出ず、kk 回目に初めて赤球が出る場合である。
P(X=1)P(X=1) は、1回目の操作で赤球が出る確率である。これは、
P(X=1)=2C14C1+2C26C2=24+115=915=35P(X=1) = \frac{{}_2C_1 {}_4C_1 + {}_2C_2}{{}_6C_2} = \frac{2 \cdot 4 + 1}{15} = \frac{9}{15} = \frac{3}{5}
P(X=2)P(X=2) は、1回目に赤球が出ず、2回目に初めて赤球が出る確率である。1回目に白球2個を取り出す確率は 4C2/6C2=6/15=2/5{}_4C_2 / {}_6C_2 = 6/15 = 2/5。1回目の操作後、袋の中には赤球2個と白球2個が残っている。2回目の操作で赤球が出る確率は、2C12C1+2C2/4C2=(22+1)/6=5/6{}_2C_1 {}_2C_1 + {}_2C_2 / {}_4C_2 = (2\cdot 2 + 1)/6 = 5/6 。よって
P(X=2)=4C26C22C12C1+2C24C2=61556=2556=13P(X=2) = \frac{{}_4C_2}{{}_6C_2} \cdot \frac{{}_2C_1 {}_2C_1 + {}_2C_2}{{}_4C_2} = \frac{6}{15} \cdot \frac{5}{6} = \frac{2}{5} \cdot \frac{5}{6} = \frac{1}{3}
P(X=3)P(X=3) は、1回目も2回目も赤球が出ず、3回目に初めて赤球が出る確率である。1回目に白球2個を取り出す確率は 4C2/6C2=6/15=2/5{}_4C_2 / {}_6C_2 = 6/15 = 2/5。1回目の操作後、袋の中には赤球2個と白球2個が残っている。2回目に白球2個を取り出す確率は 2C2/4C2=1/6{}_2C_2 / {}_4C_2 = 1/6 。2回目の操作後、袋の中には赤球2個が残っている。3回目の操作で赤球が出る確率は1。よって
P(X=3)=4C26C22C24C21=61516=2516=115P(X=3) = \frac{{}_4C_2}{{}_6C_2} \cdot \frac{{}_2C_2}{{}_4C_2} \cdot 1 = \frac{6}{15} \cdot \frac{1}{6} = \frac{2}{5} \cdot \frac{1}{6} = \frac{1}{15}
P(X)P(X) の確率分布は以下のようになる。
P(X=1)=35P(X=1) = \frac{3}{5}
P(X=2)=13P(X=2) = \frac{1}{3}
P(X=3)=115P(X=3) = \frac{1}{15}
合計すると 915+515+115=1515=1\frac{9}{15} + \frac{5}{15} + \frac{1}{15} = \frac{15}{15} = 1 となる。
平均 E[X]E[X] は、
E[X]=1P(X=1)+2P(X=2)+3P(X=3)=135+213+3115=35+23+15=45+23=12+1015=2215E[X] = 1 \cdot P(X=1) + 2 \cdot P(X=2) + 3 \cdot P(X=3) = 1 \cdot \frac{3}{5} + 2 \cdot \frac{1}{3} + 3 \cdot \frac{1}{15} = \frac{3}{5} + \frac{2}{3} + \frac{1}{5} = \frac{4}{5} + \frac{2}{3} = \frac{12+10}{15} = \frac{22}{15}
E[X2]=12P(X=1)+22P(X=2)+32P(X=3)=135+413+9115=35+43+35=65+43=18+2015=3815E[X^2] = 1^2 \cdot P(X=1) + 2^2 \cdot P(X=2) + 3^2 \cdot P(X=3) = 1 \cdot \frac{3}{5} + 4 \cdot \frac{1}{3} + 9 \cdot \frac{1}{15} = \frac{3}{5} + \frac{4}{3} + \frac{3}{5} = \frac{6}{5} + \frac{4}{3} = \frac{18+20}{15} = \frac{38}{15}
分散 V[X]=E[X2](E[X])2=3815(2215)2=3815484225=3815484225=570484225=86225V[X] = E[X^2] - (E[X])^2 = \frac{38}{15} - \left(\frac{22}{15}\right)^2 = \frac{38}{15} - \frac{484}{225} = \frac{38 \cdot 15 - 484}{225} = \frac{570-484}{225} = \frac{86}{225}
標準偏差 σ[X]=V[X]=86225=8615\sigma[X] = \sqrt{V[X]} = \sqrt{\frac{86}{225}} = \frac{\sqrt{86}}{15}

3. 最終的な答え

平均: 2215\frac{22}{15}
標準偏差: 8615\frac{\sqrt{86}}{15}

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