$f(x)$ は 0 でない $x$ の整式であり、以下の微分方程式と初期条件を満たすとき、(1) $f(x)$ の次数を求めよ。(2) $f(x)$ を求めよ。 $xf''(x) + (1-x)f'(x) + 3f(x) = 0, \quad f(0) = 1$

## 問題9 の解答

1. 問題の内容

$f(x)$ は 0 でない $x$ の整式であり、以下の微分方程式と初期条件を満たすとき、(1) $f(x)$ の次数を求めよ。(2) $f(x)$ を求めよ。

$xf''(x) + (1-x)f'(x) + 3f(x) = 0, \quad f(0) = 1$

2. 解き方の手順

(1) $f(x)$ の次数を求める。

$f(x)$ の次数を $n$ とおく。このとき、$f'(x)$ の次数は $n-1$、$f''(x)$ の次数は $n-2$ である。

微分方程式の各項の次数を比較する。

$xf''(x)$ の次数は $1+(n-2) = n-1$

$(1-x)f'(x)$ の次数は $\max(0, 1) + (n-1) = n$

$3f(x)$ の次数は $n$

微分方程式

$xf''(x) + (1-x)f'(x) + 3f(x) = 0$

において、左辺の次数が最も高い項は $(1-x)f'(x)$ および $3f(x)$ である。これらの項が打ち消しあう必要があるため、次数 $n$ の項の係数が 0 になる必要がある。

$f(x) = a_n x^n + a_{n-1} x^{n-1} + \dots + a_1 x + a_0$ ($a_n \ne 0$) とおく。

$f'(x) = n a_n x^{n-1} + (n-1) a_{n-1} x^{n-2} + \dots + a_1$

$(1-x)f'(x) = n a_n x^{n-1} + (n-1) a_{n-1} x^{n-2} + \dots + a_1 - n a_n x^n - (n-1) a_{n-1} x^{n-1} - \dots - a_1 x$

微分方程式に代入すると、

$(-n a_n + 3 a_n) x^n + \dots = 0$

係数比較から、 $-n a_n + 3 a_n = 0$。 $a_n \ne 0$ より、$n = 3$。

(2) $f(x)$ を求める。

$f(x)$ は3次式なので、$f(x) = ax^3 + bx^2 + cx + d$ とおく。$f(0) = 1$ より $d = 1$。

$f'(x) = 3ax^2 + 2bx + c$

$f''(x) = 6ax + 2b$

微分方程式に代入すると、

$x(6ax + 2b) + (1-x)(3ax^2 + 2bx + c) + 3(ax^3 + bx^2 + cx + 1) = 0$

$6ax^2 + 2bx + 3ax^2 + 2bx + c - 3ax^3 - 2bx^2 - cx + 3ax^3 + 3bx^2 + 3cx + 3 = 0$

$6ax^2 + 2bx + 3ax^2 + 2bx + c - 2bx^2 - cx + 3bx^2 + 3cx + 3 = 0$

$(6a + 3a - 2b + 3b)x^2 + (2b + 2b + c - c + 3c)x + c + 3 = 0$

$(9a+b)x^2 + (4b+3c)x + c+3 = 0$

係数比較から、

$9a + b = 0$

$4b + 3c = 0$

$c + 3 = 0$

したがって、$c = -3$, $4b + 3(-3) = 0$ より $b = \frac{9}{4}$, $9a + \frac{9}{4} = 0$ より $a = -\frac{1}{4}$。

よって、$f(x) = -\frac{1}{4} x^3 + \frac{9}{4} x^2 - 3x + 1$。

3. 最終的な答え

(1) $f(x)$ の次数: 3

(2) $f(x) = -\frac{1}{4} x^3 + \frac{9}{4} x^2 - 3x + 1$