確率変数 $Z$ が標準正規分布 $N(0, 1)$ に従うとき、以下の確率を求めます。 (1) $P(Z \le 1)$ (2) $P(Z \ge 0.5)$ (3) $P(-2 \le Z \le -1)$ (4) $P(|Z| \le 1)$ 標準正規分布表または関数電卓を用いて計算することを前提とします。標準正規分布表では通常、 $P(0 \le Z \le z)$ の値が与えられています。この値を $\Phi(z)$ とします。また、$P(Z \le z)$ の値を $\Psi(z)$ とします。$\Psi(z)$ は標準正規分布の累積分布関数です。

確率論・統計学確率正規分布累積分布関数標準正規分布
2025/6/30

1. 問題の内容

確率変数 ZZ が標準正規分布 N(0,1)N(0, 1) に従うとき、以下の確率を求めます。
(1) P(Z1)P(Z \le 1)
(2) P(Z0.5)P(Z \ge 0.5)
(3) P(2Z1)P(-2 \le Z \le -1)
(4) P(Z1)P(|Z| \le 1)
標準正規分布表または関数電卓を用いて計算することを前提とします。標準正規分布表では通常、 P(0Zz)P(0 \le Z \le z) の値が与えられています。この値を Φ(z)\Phi(z) とします。また、P(Zz)P(Z \le z) の値を Ψ(z)\Psi(z) とします。Ψ(z)\Psi(z) は標準正規分布の累積分布関数です。

2. 解き方の手順

(1) P(Z1)P(Z \le 1)
Ψ(1)\Psi(1) を求めます。標準正規分布表から、Ψ(1)0.8413\Psi(1) \approx 0.8413 です。
(2) P(Z0.5)P(Z \ge 0.5)
P(Z0.5)=1P(Z<0.5)=1P(Z0.5)P(Z \ge 0.5) = 1 - P(Z < 0.5) = 1 - P(Z \le 0.5) です。
Ψ(0.5)\Psi(0.5) を求めます。標準正規分布表から、Ψ(0.5)0.6915\Psi(0.5) \approx 0.6915 です。
したがって、P(Z0.5)=10.6915=0.3085P(Z \ge 0.5) = 1 - 0.6915 = 0.3085 です。
(3) P(2Z1)P(-2 \le Z \le -1)
P(2Z1)=P(Z1)P(Z<2)=P(Z1)P(Z2)P(-2 \le Z \le -1) = P(Z \le -1) - P(Z < -2) = P(Z \le -1) - P(Z \le -2) です。
P(Z1)=1P(Z1)=1Ψ(1)10.8413=0.1587P(Z \le -1) = 1 - P(Z \le 1) = 1 - \Psi(1) \approx 1 - 0.8413 = 0.1587 です。
P(Z2)=1P(Z2)=1Ψ(2)10.9772=0.0228P(Z \le -2) = 1 - P(Z \le 2) = 1 - \Psi(2) \approx 1 - 0.9772 = 0.0228 です。
したがって、P(2Z1)=0.15870.0228=0.1359P(-2 \le Z \le -1) = 0.1587 - 0.0228 = 0.1359 です。
(4) P(Z1)P(|Z| \le 1)
P(Z1)P(|Z| \le 1)P(1Z1)P(-1 \le Z \le 1) と同じです。
P(1Z1)=P(Z1)P(Z<1)=P(Z1)P(Z1)P(-1 \le Z \le 1) = P(Z \le 1) - P(Z < -1) = P(Z \le 1) - P(Z \le -1) です。
P(Z1)=Ψ(1)0.8413P(Z \le 1) = \Psi(1) \approx 0.8413 です。
P(Z1)=1P(Z1)=1Ψ(1)10.8413=0.1587P(Z \le -1) = 1 - P(Z \le 1) = 1 - \Psi(1) \approx 1 - 0.8413 = 0.1587 です。
したがって、P(1Z1)=0.84130.1587=0.6826P(-1 \le Z \le 1) = 0.8413 - 0.1587 = 0.6826 です。

3. 最終的な答え

(1) P(Z1)0.8413P(Z \le 1) \approx 0.8413
(2) P(Z0.5)0.3085P(Z \ge 0.5) \approx 0.3085
(3) P(2Z1)0.1359P(-2 \le Z \le -1) \approx 0.1359
(4) P(Z1)0.6826P(|Z| \le 1) \approx 0.6826

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