1から8までの数字が書かれた8個の玉があり、そこから2個ずつを箱A, B, Cに入れる。 (1) 箱Aに入れる玉の選び方は何通りあるか。 (2) 3つの箱への玉の入れ方は何通りあるか。また、箱Aと箱Bには5以下の数、箱Cには6以上の数が入るような入れ方は何通りあるか。 (3) 各箱に入れた玉の数の和をそれぞれa, b, cとする。a, b, cがすべて偶数になるような入れ方は何通りあるか。また、a, b, cのうち少なくとも1つが偶数になるような入れ方は何通りあるか。

離散数学組み合わせ場合の数数え上げ
2025/7/1
## 解答

1. 問題の内容

1から8までの数字が書かれた8個の玉があり、そこから2個ずつを箱A, B, Cに入れる。
(1) 箱Aに入れる玉の選び方は何通りあるか。
(2) 3つの箱への玉の入れ方は何通りあるか。また、箱Aと箱Bには5以下の数、箱Cには6以上の数が入るような入れ方は何通りあるか。
(3) 各箱に入れた玉の数の和をそれぞれa, b, cとする。a, b, cがすべて偶数になるような入れ方は何通りあるか。また、a, b, cのうち少なくとも1つが偶数になるような入れ方は何通りあるか。

2. 解き方の手順

(1) 箱Aに入れる玉の選び方
8個の玉から2個を選ぶ組み合わせなので、組み合わせの公式を用いる。
8C2=8!2!(82)!=8×72×1=28_8C_2 = \frac{8!}{2!(8-2)!} = \frac{8 \times 7}{2 \times 1} = 28
(2) 3つの箱への玉の入れ方
まず、8個から2個を箱Aに入れる選び方は 8C2=28_8C_2 = 28通り。
次に、残りの6個から2個を箱Bに入れる選び方は 6C2=6!2!(62)!=6×52×1=15_6C_2 = \frac{6!}{2!(6-2)!} = \frac{6 \times 5}{2 \times 1} = 15通り。
最後に、残りの4個から2個を箱Cに入れる選び方は 4C2=4!2!(42)!=4×32×1=6_4C_2 = \frac{4!}{2!(4-2)!} = \frac{4 \times 3}{2 \times 1} = 6通り。
したがって、3つの箱への入れ方は 28×15×6=252028 \times 15 \times 6 = 2520通り。
ただし、箱A, B, Cの区別はないので、上記の方法ではA, B, Cの順列を考慮してしまっている。A, B, Cの区別がない場合は、組み合わせの数を3! = 6で割る必要がある。しかし、本問題では箱A, B, Cの区別があるので、この操作は不要である。
次に、箱Aと箱Bには5以下の数、箱Cには6以上の数が入る場合の数について考える。
5以下の数は1, 2, 3, 4, 5の5個、6以上の数は6, 7, 8の3個である。
箱Cには6以上の数から2個選ぶので、3C2=3!2!(32)!=3×22×1=3_3C_2 = \frac{3!}{2!(3-2)!} = \frac{3 \times 2}{2 \times 1} = 3通り。
残りの6個の玉は1, 2, 3, 4, 5の5個と、6以上の数の中から箱Cに入れられなかった1個である。
これらの6個から2個を箱Aに入れる。箱Aに入れられるのは5以下の数なので、5個の玉から2個選ぶことになる。
5C2=5!2!(52)!=5×42×1=10_5C_2 = \frac{5!}{2!(5-2)!} = \frac{5 \times 4}{2 \times 1} = 10通り。
残りの4個から2個を箱Bに入れる。これも同様に5以下の数から選ぶ必要があるため、残った3個の5以下の玉と箱Cに入れられなかった6以上の玉の中から2個を選ぶ。つまり3個の5以下の玉から2個を選ぶ必要がある。3C2=3_3C_2 = 3通り。
したがって、箱Aと箱Bに5以下の数、箱Cに6以上の数が入るような入れ方は 3×10×3=903 \times 10 \times 3 = 90通り。
(3) a, b, cがすべて偶数となるような入れ方
2個の玉の数の和が偶数になるのは、2個とも偶数か、2個とも奇数の場合である。
1から8の数字のうち、偶数は2, 4, 6, 8の4個、奇数は1, 3, 5, 7の4個である。
したがって、すべての箱で2個とも偶数か、2個とも奇数となる必要がある。
まず箱Aに2個の偶数を入れる場合、4C2=6_4C_2 = 6通り。箱Bにも2個の偶数を入れる場合、残りの2個から2C2=1_2C_2 = 1通り。箱Cは偶数を入れられないので、このパターンは存在しない。
次に箱Aに2個の奇数を入れる場合、4C2=6_4C_2 = 6通り。箱Bにも2個の奇数を入れる場合、残りの2個から2C2=1_2C_2 = 1通り。箱Cは奇数を入れられないので、このパターンは存在しない。
したがって、どの箱にも偶数または奇数だけが入るケースはない。
全ての箱の和を偶数にするためには、2個とも偶数または2個とも奇数であることが条件である。
箱A: 偶数+偶数 or 奇数+奇数
箱B: 偶数+偶数 or 奇数+奇数
箱C: 偶数+偶数 or 奇数+奇数
箱Aに2個の偶数を選ぶ場合、4C2=6_4C_2 = 6通り。箱Bに2個の偶数を選ぶ場合、2C2=1_2C_2 = 1通り。箱Cに2個の奇数を選ぶ場合、4C2=6_4C_2 = 6通り。
箱Aに2個の奇数を選ぶ場合、4C2=6_4C_2 = 6通り。箱Bに2個の奇数を選ぶ場合、2C2=1_2C_2 = 1通り。箱Cに2個の偶数を選ぶ場合、4C2=6_4C_2 = 6通り。
よって 6×1×6+6×1×6=36+36=726 \times 1 \times 6 + 6 \times 1 \times 6 = 36 + 36 = 72
a, b, cのうち少なくとも1つが偶数になる入れ方
すべての入れ方からすべて奇数になる入れ方を引けばよい。
すべての入れ方は2520通り。(2)より
a, b, cがすべて奇数になる入れ方は0通り。(上記より)
よって、2520通り。

3. 最終的な答え

(1) 28通り
(2) 2520通り、90通り
(3) 72通り、2520通り

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