$n > 1$ のとき、$n^7 - n$ が42で割り切れることを示す問題です。

数論整数の性質合同式因数分解フェルマーの小定理
2025/3/31

1. 問題の内容

n>1n > 1 のとき、n7nn^7 - n が42で割り切れることを示す問題です。

2. 解き方の手順

n7nn^7 - n が42で割り切れることを示すには、n7nn^7 - n が2, 3, 7で割り切れることを示せばよいです。なぜなら、42=2×3×742 = 2 \times 3 \times 7 であり、2, 3, 7が互いに素だからです。
まず、n7nn^7 - nを因数分解します。
n7n=n(n61)=n(n31)(n3+1)=n(n1)(n2+n+1)(n+1)(n2n+1)n^7 - n = n(n^6 - 1) = n(n^3 - 1)(n^3 + 1) = n(n-1)(n^2+n+1)(n+1)(n^2-n+1)
=(n1)n(n+1)(n2+n+1)(n2n+1)= (n-1)n(n+1)(n^2+n+1)(n^2-n+1)
(1) 2で割り切れること:
(n1)n(n+1)(n-1)n(n+1)は連続する3つの整数の積なので、n1n-1, nn, n+1n+1のいずれかは偶数です。したがって、n7nn^7-nは2で割り切れます。
(2) 3で割り切れること:
(n1)n(n+1)(n-1)n(n+1)は連続する3つの整数の積なので、n1n-1, nn, n+1n+1のいずれかは3の倍数です。したがって、n7nn^7-nは3で割り切れます。
(3) 7で割り切れること:
フェルマーの小定理より、nnが素数ppと互いに素な整数のとき、np11(modp)n^{p-1} \equiv 1 \pmod{p} が成り立ちます。
したがって、n61(mod7)n^6 \equiv 1 \pmod{7} が成り立ちます。
よって、n7n(mod7)n^7 \equiv n \pmod{7} が成り立ちます。
これは、n7n0(mod7)n^7 - n \equiv 0 \pmod{7} を意味し、n7nn^7 - nは7で割り切れます。
あるいは、
n7n=n(n61)n^7 - n = n(n^6 - 1)
n61=(n1)(n5+n4+n3+n2+n+1)n^6 - 1 = (n-1)(n^5 + n^4 + n^3 + n^2 + n + 1)
ここで、n0,1,2,3,4,5,6(mod7)n \equiv 0, 1, 2, 3, 4, 5, 6 \pmod{7}のいずれかです。
n0(mod7)n \equiv 0 \pmod{7}のとき、n7n0(mod7)n^7 - n \equiv 0 \pmod{7}
n1(mod7)n \equiv 1 \pmod{7}のとき、n7n110(mod7)n^7 - n \equiv 1 - 1 \equiv 0 \pmod{7}
n2(mod7)n \equiv 2 \pmod{7}のとき、n7n27212821260(mod7)n^7 - n \equiv 2^7 - 2 \equiv 128 - 2 \equiv 126 \equiv 0 \pmod{7}
n3(mod7)n \equiv 3 \pmod{7}のとき、n7n3732187321840(mod7)n^7 - n \equiv 3^7 - 3 \equiv 2187 - 3 \equiv 2184 \equiv 0 \pmod{7}
n4(mod7)n \equiv 4 \pmod{7}のとき、n7n474163844163800(mod7)n^7 - n \equiv 4^7 - 4 \equiv 16384 - 4 \equiv 16380 \equiv 0 \pmod{7}
n5(mod7)n \equiv 5 \pmod{7}のとき、n7n575781255781200(mod7)n^7 - n \equiv 5^7 - 5 \equiv 78125 - 5 \equiv 78120 \equiv 0 \pmod{7}
n6(mod7)n \equiv 6 \pmod{7}のとき、n7n67627993662799300(mod7)n^7 - n \equiv 6^7 - 6 \equiv 279936 - 6 \equiv 279930 \equiv 0 \pmod{7}
よって、n7nn^7 - nは7で割り切れます。
以上より、n7nn^7 - nは2, 3, 7で割り切れるため、n7nn^7 - nは42で割り切れます。

3. 最終的な答え

n>1n > 1 のとき、n7nn^7 - n は 42 で割り切れる。

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