関数 $f(x, y) = x^2 + 2x + 6xy + 3y + 2y^2$ について、点 $(1, 2)$ における2次のテイラー展開を求める。

解析学テイラー展開偏微分同次関数オイラーの公式
2025/7/2
## 問題1(a)

1. 問題の内容

関数 f(x,y)=x2+2x+6xy+3y+2y2f(x, y) = x^2 + 2x + 6xy + 3y + 2y^2 について、点 (1,2)(1, 2) における2次のテイラー展開を求める。

2. 解き方の手順

2変数関数の2次のテイラー展開は、点(a,b)(a, b)の近傍において以下の式で表される。
f(x,y)f(a,b)+fx(a,b)(xa)+fy(a,b)(yb)+12fxx(a,b)(xa)2+fxy(a,b)(xa)(yb)+12fyy(a,b)(yb)2f(x, y) \approx f(a, b) + f_x(a, b)(x-a) + f_y(a, b)(y-b) + \frac{1}{2}f_{xx}(a, b)(x-a)^2 + f_{xy}(a, b)(x-a)(y-b) + \frac{1}{2}f_{yy}(a, b)(y-b)^2
まず、与えられた関数 f(x,y)f(x, y) の偏導関数を計算する。
fx(x,y)=2x+2+6yf_x(x, y) = 2x + 2 + 6y
fy(x,y)=6x+3+4yf_y(x, y) = 6x + 3 + 4y
fxx(x,y)=2f_{xx}(x, y) = 2
fxy(x,y)=6f_{xy}(x, y) = 6
fyy(x,y)=4f_{yy}(x, y) = 4
次に、これらの偏導関数を点 (1,2)(1, 2) で評価する。
f(1,2)=12+2(1)+6(1)(2)+3(2)+2(2)2=1+2+12+6+8=29f(1, 2) = 1^2 + 2(1) + 6(1)(2) + 3(2) + 2(2)^2 = 1 + 2 + 12 + 6 + 8 = 29
fx(1,2)=2(1)+2+6(2)=2+2+12=16f_x(1, 2) = 2(1) + 2 + 6(2) = 2 + 2 + 12 = 16
fy(1,2)=6(1)+3+4(2)=6+3+8=17f_y(1, 2) = 6(1) + 3 + 4(2) = 6 + 3 + 8 = 17
fxx(1,2)=2f_{xx}(1, 2) = 2
fxy(1,2)=6f_{xy}(1, 2) = 6
fyy(1,2)=4f_{yy}(1, 2) = 4
これらの値をテイラー展開の式に代入する。
f(x,y)29+16(x1)+17(y2)+12(2)(x1)2+6(x1)(y2)+12(4)(y2)2f(x, y) \approx 29 + 16(x-1) + 17(y-2) + \frac{1}{2}(2)(x-1)^2 + 6(x-1)(y-2) + \frac{1}{2}(4)(y-2)^2
f(x,y)29+16(x1)+17(y2)+(x1)2+6(x1)(y2)+2(y2)2f(x, y) \approx 29 + 16(x-1) + 17(y-2) + (x-1)^2 + 6(x-1)(y-2) + 2(y-2)^2

3. 最終的な答え

f(x,y)29+16(x1)+17(y2)+(x1)2+6(x1)(y2)+2(y2)2f(x, y) \approx 29 + 16(x-1) + 17(y-2) + (x-1)^2 + 6(x-1)(y-2) + 2(y-2)^2
## 問題3(a)

1. 問題の内容

関数 f(x,y)=xny2nf(x, y) = x^n y^{2-n} が何次の同次関数であるかを示し、オイラーの公式が成り立つことを確認する。

2. 解き方の手順

まず、同次関数の定義を確認する。関数 f(x,y)f(x, y) が k次の同次関数であるとは、すべての t>0t > 0 に対して
f(tx,ty)=tkf(x,y)f(tx, ty) = t^k f(x, y)
が成り立つことである。
与えられた関数について、
f(tx,ty)=(tx)n(ty)2n=tnxnt2ny2n=tn+2nxny2n=t2xny2n=t2f(x,y)f(tx, ty) = (tx)^n (ty)^{2-n} = t^n x^n t^{2-n} y^{2-n} = t^{n + 2 - n} x^n y^{2-n} = t^2 x^n y^{2-n} = t^2 f(x, y)
したがって、f(x,y)f(x, y) は2次の同次関数である。
次に、オイラーの公式を確認する。k次の同次関数 f(x,y)f(x, y) に対して、オイラーの公式は
xfx+yfy=kf(x,y)x \frac{\partial f}{\partial x} + y \frac{\partial f}{\partial y} = k f(x, y)
で与えられる。
偏導関数を計算する。
fx=nxn1y2n\frac{\partial f}{\partial x} = n x^{n-1} y^{2-n}
fy=(2n)xny1n\frac{\partial f}{\partial y} = (2-n) x^n y^{1-n}
オイラーの公式の左辺に代入する。
xfx+yfy=x(nxn1y2n)+y((2n)xny1n)=nxny2n+(2n)xny2n=(n+2n)xny2n=2xny2n=2f(x,y)x \frac{\partial f}{\partial x} + y \frac{\partial f}{\partial y} = x (n x^{n-1} y^{2-n}) + y ((2-n) x^n y^{1-n}) = n x^n y^{2-n} + (2-n) x^n y^{2-n} = (n + 2 - n) x^n y^{2-n} = 2 x^n y^{2-n} = 2 f(x, y)
これはオイラーの公式の右辺に一致する(k=2k = 2)。

3. 最終的な答え

f(x,y)=xny2nf(x, y) = x^n y^{2-n} は2次の同次関数であり、オイラーの公式が成り立つ。

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