与えられた二つの関数 $f(x, y)$ について、それぞれが何次の同次関数であるかを示し、オイラーの公式が成り立つことを確認します。 a) $f(x, y) = x^m y^{2-m}$ b) $f(x, y) = \ln(\frac{x}{y})$

解析学同次関数偏微分オイラーの公式
2025/7/2

1. 問題の内容

与えられた二つの関数 f(x,y)f(x, y) について、それぞれが何次の同次関数であるかを示し、オイラーの公式が成り立つことを確認します。
a) f(x,y)=xmy2mf(x, y) = x^m y^{2-m}
b) f(x,y)=ln(xy)f(x, y) = \ln(\frac{x}{y})

2. 解き方の手順

a) f(x,y)=xmy2mf(x, y) = x^m y^{2-m} の場合:
まず、同次関数の定義を確認します。関数 f(x,y)f(x, y)nn 次の同次関数であるとは、任意の t>0t > 0 に対して、f(tx,ty)=tnf(x,y)f(tx, ty) = t^n f(x, y) が成り立つことです。
与えられた関数 f(x,y)=xmy2mf(x, y) = x^m y^{2-m} について、f(tx,ty)f(tx, ty) を計算します。
f(tx,ty)=(tx)m(ty)2m=tmxmt2my2m=tm+2mxmy2m=t2xmy2m=t2f(x,y)f(tx, ty) = (tx)^m (ty)^{2-m} = t^m x^m t^{2-m} y^{2-m} = t^{m + 2 - m} x^m y^{2-m} = t^2 x^m y^{2-m} = t^2 f(x, y)
したがって、f(x,y)f(x, y) は2次の同次関数です。
次に、オイラーの公式が成り立つことを確認します。オイラーの公式は、xfx+yfy=nf(x,y)x \frac{\partial f}{\partial x} + y \frac{\partial f}{\partial y} = nf(x, y) で与えられます。
まず、偏微分を計算します。
fx=mxm1y2m\frac{\partial f}{\partial x} = m x^{m-1} y^{2-m}
fy=(2m)xmy1m\frac{\partial f}{\partial y} = (2-m) x^m y^{1-m}
これらの偏微分をオイラーの公式に代入します。
xfx+yfy=x(mxm1y2m)+y((2m)xmy1m)=mxmy2m+(2m)xmy2m=(m+2m)xmy2m=2xmy2m=2f(x,y)x \frac{\partial f}{\partial x} + y \frac{\partial f}{\partial y} = x(m x^{m-1} y^{2-m}) + y((2-m) x^m y^{1-m}) = m x^m y^{2-m} + (2-m) x^m y^{2-m} = (m + 2 - m) x^m y^{2-m} = 2 x^m y^{2-m} = 2f(x, y)
したがって、オイラーの公式が成り立ちます。
b) f(x,y)=ln(xy)f(x, y) = \ln(\frac{x}{y}) の場合:
f(tx,ty)=ln(txty)=ln(xy)=f(x,y)=t0f(x,y)f(tx, ty) = \ln(\frac{tx}{ty}) = \ln(\frac{x}{y}) = f(x, y) = t^0 f(x, y)
したがって、f(x,y)f(x, y) は0次の同次関数です。
次に、オイラーの公式が成り立つことを確認します。
まず、偏微分を計算します。
fx=1xy1y=yx1y=1x\frac{\partial f}{\partial x} = \frac{1}{\frac{x}{y}} \cdot \frac{1}{y} = \frac{y}{x} \cdot \frac{1}{y} = \frac{1}{x}
fy=1xy(xy2)=yx(xy2)=1y\frac{\partial f}{\partial y} = \frac{1}{\frac{x}{y}} \cdot (-\frac{x}{y^2}) = \frac{y}{x} \cdot (-\frac{x}{y^2}) = -\frac{1}{y}
これらの偏微分をオイラーの公式に代入します。
xfx+yfy=x(1x)+y(1y)=11=0=0f(x,y)x \frac{\partial f}{\partial x} + y \frac{\partial f}{\partial y} = x (\frac{1}{x}) + y (-\frac{1}{y}) = 1 - 1 = 0 = 0 \cdot f(x,y)
したがって、オイラーの公式が成り立ちます。

3. 最終的な答え

a) 関数 f(x,y)=xmy2mf(x, y) = x^m y^{2-m} は2次の同次関数であり、オイラーの公式が成り立ちます。
b) 関数 f(x,y)=ln(xy)f(x, y) = \ln(\frac{x}{y}) は0次の同次関数であり、オイラーの公式が成り立ちます。

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