確率変数 $X$ が、モーメント母関数 $M(\theta) = e^{3\theta + 8\theta^2}$ の正規分布 $N(\mu, \sigma^2)$ に従うとき、平均 $\mu$ と分散 $\sigma^2$ を求め、標準正規分布表を用いて、確率 $P(2 \le X \le 5)$ を求めよ。

確率論・統計学確率分布正規分布モーメント母関数確率
2025/7/2

1. 問題の内容

確率変数 XX が、モーメント母関数 M(θ)=e3θ+8θ2M(\theta) = e^{3\theta + 8\theta^2} の正規分布 N(μ,σ2)N(\mu, \sigma^2) に従うとき、平均 μ\mu と分散 σ2\sigma^2 を求め、標準正規分布表を用いて、確率 P(2X5)P(2 \le X \le 5) を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、正規分布 N(μ,σ2)N(\mu, \sigma^2) のモーメント母関数は M(θ)=eμθ+12σ2θ2M(\theta) = e^{\mu\theta + \frac{1}{2}\sigma^2\theta^2} で与えられる。
与えられたモーメント母関数 M(θ)=e3θ+8θ2M(\theta) = e^{3\theta + 8\theta^2} と比較すると、
μ=3\mu = 3
12σ2=8\frac{1}{2}\sigma^2 = 8
σ2=16\sigma^2 = 16
したがって、平均 μ=3\mu = 3、分散 σ2=16\sigma^2 = 16 である。
次に、確率変数 Z=Xμσ=X34Z = \frac{X - \mu}{\sigma} = \frac{X - 3}{4} を定義する。
2X52 \le X \le 5 のとき、
234Z534\frac{2 - 3}{4} \le Z \le \frac{5 - 3}{4}
14Z24-\frac{1}{4} \le Z \le \frac{2}{4}
0.25Z0.5-0.25 \le Z \le 0.5
よって、
P(2X5)=P(0.25Z0.5)=Φ(0.5)Φ(0.25)P(2 \le X \le 5) = P(-0.25 \le Z \le 0.5) = \Phi(0.5) - \Phi(-0.25)
ここで、Φ(z)\Phi(z) は標準正規分布の累積分布関数を表す。
Φ(0.25)=1Φ(0.25)\Phi(-0.25) = 1 - \Phi(0.25) なので、
P(0.25Z0.5)=Φ(0.5)(1Φ(0.25))=Φ(0.5)+Φ(0.25)1P(-0.25 \le Z \le 0.5) = \Phi(0.5) - (1 - \Phi(0.25)) = \Phi(0.5) + \Phi(0.25) - 1
標準正規分布表から、Φ(0.5)0.6915\Phi(0.5) \approx 0.6915Φ(0.25)0.5987\Phi(0.25) \approx 0.5987 である。
したがって、
P(2X5)0.6915+0.59871=1.29021=0.2902P(2 \le X \le 5) \approx 0.6915 + 0.5987 - 1 = 1.2902 - 1 = 0.2902

3. 最終的な答え

平均 μ=3\mu = 3
分散 σ2=16\sigma^2 = 16
P(2X5)0.2902P(2 \le X \le 5) \approx 0.2902

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