不良品率が0.1%である自動車の生産工程から500台を取り出したとき、 (1) 不良品が入っていない確率を求めよ。 (2) 不良品が3台以上入る確率を求めよ。 ただし、確率は小数点第6位を四捨五入して答えよ。

確率論・統計学確率二項分布ポアソン分布統計
2025/7/2

1. 問題の内容

不良品率が0.1%である自動車の生産工程から500台を取り出したとき、
(1) 不良品が入っていない確率を求めよ。
(2) 不良品が3台以上入る確率を求めよ。
ただし、確率は小数点第6位を四捨五入して答えよ。

2. 解き方の手順

総台数 n=500n=500, 不良品率 p=0.001p=0.001 とおく。不良品の台数を確率変数 XX とおくと、XX は二項分布 B(n,p)B(n, p) に従う。
nn は大きく、pp は小さい値より、この B(n,p)B(n, p) は、平均 μ=np\mu = np のポアソン分布 Po(μ)P_o(\mu) に近似できる。
μ=500×0.001=0.5\mu = 500 \times 0.001 = 0.5 なので、μ=0.5\mu = 0.5
このポアソン分布の確率密度は、
Pp(x)=eμμxx!=e0.50.5xx!P_p(x) = e^{-\mu} \frac{\mu^x}{x!} = e^{-0.5} \frac{0.5^x}{x!} ...(1) (x=0,1,2,...x = 0, 1, 2, ...)
(1) 不良品がない確率は、x=0x=0 を代入して、
Pp(0)=e0.50.500!=e0.5×1=e0.50.606531P_p(0) = e^{-0.5} \frac{0.5^0}{0!} = e^{-0.5} \times 1 = e^{-0.5} \approx 0.606531
(2) 不良品が3台以上ある確率は、余事象の確率 P(X3)=1P(X<3)=1P(X2)P(X \ge 3) = 1 - P(X < 3) = 1 - P(X \le 2) を用いて、次のように求められる。
P(X3)=1P(X2)=1[P(X=0)+P(X=1)+P(X=2)]P(X \ge 3) = 1 - P(X \le 2) = 1 - [P(X=0) + P(X=1) + P(X=2)]
=1[e0.50.500!+e0.50.511!+e0.50.522!]=1e0.5[1+0.5+0.252]= 1 - [e^{-0.5}\frac{0.5^0}{0!} + e^{-0.5}\frac{0.5^1}{1!} + e^{-0.5}\frac{0.5^2}{2!}] = 1 - e^{-0.5} [1 + 0.5 + \frac{0.25}{2}]
=1e0.5[1+0.5+0.125]=1e0.5[1.625]= 1 - e^{-0.5} [1 + 0.5 + 0.125] = 1 - e^{-0.5} [1.625]
P(X3)=11.625e0.511.625×0.60653110.985603=0.014397P(X \ge 3) = 1 - 1.625 e^{-0.5} \approx 1 - 1.625 \times 0.606531 \approx 1 - 0.985603 = 0.014397
P(X3)=1P(X2)P(X \ge 3) = 1 - P(X \le 2)
P(X2)=P(X=0)+P(X=1)+P(X=2)P(X \le 2) = P(X=0) + P(X=1) + P(X=2)
=e0.5+0.5e0.5+0.522e0.5=e0.5(1+0.5+0.125)=1.625e0.5= e^{-0.5} + 0.5e^{-0.5} + \frac{0.5^2}{2}e^{-0.5} = e^{-0.5}(1 + 0.5 + 0.125) = 1.625 e^{-0.5}
したがって、
P(X3)=11.625e0.50.014397P(X \ge 3) = 1 - 1.625e^{-0.5} \approx 0.014397

3. 最終的な答え

(1) 不良品がない確率: 0.606531
(2) 不良品が3台以上入る確率: 0.014397

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