ある種の蝶の体長を6個体測定した結果、76, 85, 82, 83, 76, 78ミリメートルであった。この標本から母平均$\mu$を区間推定する問題である。具体的には、標本平均、標本分散、標本標準偏差を計算し、$t$分布を利用して母平均$\mu$の95%信頼区間を求める。

確率論・統計学区間推定標本平均標本分散標本標準偏差t分布信頼区間
2025/7/4

1. 問題の内容

ある種の蝶の体長を6個体測定した結果、76, 85, 82, 83, 76, 78ミリメートルであった。この標本から母平均μ\muを区間推定する問題である。具体的には、標本平均、標本分散、標本標準偏差を計算し、tt分布を利用して母平均μ\muの95%信頼区間を求める。

2. 解き方の手順

(1) 標本平均の計算
標本平均xˉ\bar{x}は、データの総和をデータ数で割ったものである。
xˉ=76+85+82+83+76+786=4806=80\bar{x} = \frac{76 + 85 + 82 + 83 + 76 + 78}{6} = \frac{480}{6} = 80
(2) 標本分散の計算
標本分散s2s^2は、各データと標本平均の差の二乗和を自由度(データ数 - 1)で割ったものである。
まず、各データと標本平均の差を計算する。
76 - 80 = -4
85 - 80 = 5
82 - 80 = 2
83 - 80 = 3
76 - 80 = -4
78 - 80 = -2
次に、これらの差の二乗を計算する。
(-4)^2 = 16
5^2 = 25
2^2 = 4
3^2 = 9
(-4)^2 = 16
(-2)^2 = 4
これらの二乗和は、16 + 25 + 4 + 9 + 16 + 4 = 74
標本分散は、s2=7461=745=14.8s^2 = \frac{74}{6-1} = \frac{74}{5} = 14.8
(3) 標本標準偏差の計算
標本標準偏差ssは、標本分散の平方根である。
s=14.83.847s = \sqrt{14.8} \approx 3.847
(4) TTの式の作成
T=xˉμs/nT = \frac{\bar{x} - \mu}{s / \sqrt{n}}
ここで、xˉ=80\bar{x}=80, s=14.8s = \sqrt{14.8}, n=6n = 6なので、
T=80μ14.8/6=80μ14.8/6=80μ2.467T = \frac{80 - \mu}{\sqrt{14.8} / \sqrt{6}} = \frac{80 - \mu}{\sqrt{14.8/6}} = \frac{80-\mu}{\sqrt{2.467}}
(5) 母平均μ\muの95%信頼区間の計算
自由度5のtt分布において、95%信頼区間に対応するtt値を求める。t0.025,52.571t_{0.025, 5} \approx 2.571
2.571T2.571-2.571 \le T \le 2.571
2.57180μ14.8/62.571-2.571 \le \frac{80 - \mu}{\sqrt{14.8/6}} \le 2.571
2.57114.8/680μ2.57114.8/6-2.571 \sqrt{14.8/6} \le 80 - \mu \le 2.571 \sqrt{14.8/6}
2.5712.46780μ2.5712.467-2.571 \sqrt{2.467} \le 80 - \mu \le 2.571 \sqrt{2.467}
2.571×1.57180μ2.571×1.571-2.571 \times 1.571 \le 80 - \mu \le 2.571 \times 1.571
4.0480μ4.04-4.04 \le 80 - \mu \le 4.04
4.0480μ4.0480-4.04 - 80 \le -\mu \le 4.04 - 80
84.04μ75.96-84.04 \le -\mu \le -75.96
75.96μ84.0475.96 \le \mu \le 84.04

3. 最終的な答え

(1) 標本平均: xˉ=80\bar{x} = 80
(2) 標本分散: s2=14.8s^2 = 14.8
(3) 標本標準偏差: s=14.83.847s = \sqrt{14.8} \approx 3.847
(4) T=80μ14.8/6T = \frac{80 - \mu}{\sqrt{14.8/6}}
(5) 自由度 5
母平均μ\muの95%信頼区間: 75.96μ84.0475.96 \le \mu \le 84.04

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