3つの集合 $A, B, C$ について、以下の2つの命題を示す問題です。 (1) $A$ と $C$ が対等 ($A \sim C$) かつ $A \subseteq B \subseteq C$ ならば、$B \sim C$ である。 (2) 単射 $f: A \rightarrow B$ と全射 $g: A \rightarrow B$ が存在するならば、$A \sim B$ である。

離散数学集合論写像全単射単射ベルンシュタインの定理
2025/7/2

1. 問題の内容

3つの集合 A,B,CA, B, C について、以下の2つの命題を示す問題です。
(1) AACC が対等 (ACA \sim C) かつ ABCA \subseteq B \subseteq C ならば、BCB \sim C である。
(2) 単射 f:ABf: A \rightarrow B と全射 g:ABg: A \rightarrow B が存在するならば、ABA \sim B である。

2. 解き方の手順

(1) ACA \sim C かつ ABCA \subseteq B \subseteq C ならば、BCB \sim C であることの証明
ACA \sim C であるから、全単射 h:ACh: A \rightarrow C が存在する。
ABCA \subseteq B \subseteq C である。
i:BCi: B \rightarrow C を包含写像 (i(x)=xi(x) = x for xBx \in B) とする。このとき ii は単射である。
j:CBj: C \rightarrow B を構成する。
xCx \in C に対して、xh(A)x \in h(A) ならば、x=h(a)x = h(a) なる aAa \in A が存在する。このとき、aABa \in A \subseteq B であるから、j(x)=aj(x) = a とする。
xCx \in C に対して、xh(A)x \notin h(A) ならば、j(x)=xj(x) = x とする。xCh(A)x \in C \setminus h(A) であるから xCx \in C であり、ABCA \subseteq B \subseteq C でもあるので、xCx \in C である。
この場合、jj は単射となる。
ベルンシュタインの定理より、集合 X,YX, Y に対して、XX から YY への単射が存在し、YY から XX への単射が存在すれば、XYX \sim Y となる。
したがって、BCB \sim C が成り立つ。
(2) 単射 f:ABf: A \rightarrow B と全射 g:ABg: A \rightarrow B が存在するならば、ABA \sim B であることの証明
f:ABf: A \rightarrow B が単射なので、AA から f(A)f(A) への全単射が存在する。したがって Af(A)A \sim f(A) である。
g:ABg: A \rightarrow B が全射なので、B=g(A)B = g(A) となる。
f:ABf: A \rightarrow B が単射であるから、BB の部分集合 f(A)f(A) を考えると、f:Af(A)f: A \rightarrow f(A) は全単射となる。
f(A)Bf(A) \subseteq B である。恒等写像 i:f(A)Bi: f(A) \rightarrow B を考えると、ii は単射となる。
g:ABg: A \rightarrow B を全射とする。このとき、h:BAh: B \rightarrow A で、g(h(b))=bg(h(b)) = b となる写像 hh が存在する。
hh は単射となる。もし h(b1)=h(b2)h(b_1) = h(b_2) とすると、g(h(b1))=g(h(b2))g(h(b_1)) = g(h(b_2)) より、b1=b2b_1 = b_2 となるからである。
h:BAh: B \rightarrow A は単射であるから、Bh(B)B \sim h(B) となる。
h(B)Ah(B) \subseteq A である。
ベルンシュタインの定理より、AA から BB への単射が存在し、BB から AA への単射が存在すれば、ABA \sim B となる。
f:ABf: A \rightarrow B が単射であり、g:ABg: A \rightarrow B が全射ならば、ABA \sim B であることが示された。

3. 最終的な答え

(1) ACA \sim C かつ ABCA \subseteq B \subseteq C ならば、BCB \sim C である。
(2) 単射 f:ABf: A \rightarrow B と全射 g:ABg: A \rightarrow B が存在するならば、ABA \sim B である。

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