6次対称群 $S_6$ の元 $\sigma = \begin{pmatrix} 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 \\ 2 & 4 & 5 & 6 & 1 & 3 \end{pmatrix}$ と $\tau = \begin{pmatrix} 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 \\ 6 & 1 & 5 & 3 & 4 & 2 \end{pmatrix}$ に対して、以下の問いに答えます。 (1) $\tau \sigma$ を求めよ。 (2) $\sigma^{-1}$ を求めよ。 (3) $\sigma$ を互換の積で表せ。 (4) $\mathrm{sgn}(\sigma)$ を求めよ。

1. 問題の内容

6次対称群 $S_6$ の元 $\sigma = \begin{pmatrix} 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 \\ 2 & 4 & 5 & 6 & 1 & 3 \end{pmatrix}$ と $\tau = \begin{pmatrix} 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 \\ 6 & 1 & 5 & 3 & 4 & 2 \end{pmatrix}$ に対して、以下の問いに答えます。

(1) $\tau \sigma$ を求めよ。

(2) $\sigma^{-1}$ を求めよ。

(3) $\sigma$ を互換の積で表せ。

(4) $\mathrm{sgn}(\sigma)$ を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) $\tau \sigma$ を計算します。これは $\sigma$ を適用した後に $\tau$ を適用することです。

例えば、1 は $\sigma$ によって 2 に写り、2 は $\tau$ によって 1 に写るので、$\tau \sigma$ は 1 を 1 に写します。同様に、

2 は $\sigma$ によって 4 に写り、4 は $\tau$ によって 3 に写るので、$\tau \sigma$ は 2 を 3 に写します。

3 は $\sigma$ によって 5 に写り、5 は $\tau$ によって 4 に写るので、$\tau \sigma$ は 3 を 4 に写します。

4 は $\sigma$ によって 6 に写り、6 は $\tau$ によって 2 に写るので、$\tau \sigma$ は 4 を 2 に写します。

5 は $\sigma$ によって 1 に写り、1 は $\tau$ によって 6 に写るので、$\tau \sigma$ は 5 を 6 に写します。

6 は $\sigma$ によって 3 に写り、3 は $\tau$ によって 5 に写るので、$\tau \sigma$ は 6 を 5 に写します。

したがって、$\tau \sigma = \begin{pmatrix} 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 \\ 1 & 3 & 4 & 2 & 6 & 5 \end{pmatrix}$ です。

(2) $\sigma^{-1}$ を求めるには、$\sigma$ の上下を入れ替えて、上段が昇順になるように並び替えます。

$\sigma = \begin{pmatrix} 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 \\ 2 & 4 & 5 & 6 & 1 & 3 \end{pmatrix}$ なので、上下を入れ替えると $\begin{pmatrix} 2 & 4 & 5 & 6 & 1 & 3 \\ 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 \end{pmatrix}$ となります。

これを並び替えると $\sigma^{-1} = \begin{pmatrix} 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 \\ 5 & 1 & 6 & 2 & 3 & 4 \end{pmatrix}$ です。

(3) $\sigma$ を互換の積で表します。$\sigma = \begin{pmatrix} 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 \\ 2 & 4 & 5 & 6 & 1 & 3 \end{pmatrix}$ は

1 -> 2 -> 4 -> 6 -> 3 -> 5 -> 1 と巡回しています。したがって、$\sigma = (1 2 4 6 3 5)$ です。

巡回置換を互換の積で表すと、$(1 2 4 6 3 5) = (1 2)(2 4)(4 6)(6 3)(3 5)$ となります。

(4) $\mathrm{sgn}(\sigma)$ を求めます。互換の積で表したときの互換の個数が偶数なら $\mathrm{sgn}(\sigma) = 1$、奇数なら $\mathrm{sgn}(\sigma) = -1$ です。

$\sigma$ は 5 個の互換の積で表されたので、$\mathrm{sgn}(\sigma) = -1$ です。

3. 最終的な答え

(1) $\tau \sigma = \begin{pmatrix} 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 \\ 1 & 3 & 4 & 2 & 6 & 5 \end{pmatrix}$

(2) $\sigma^{-1} = \begin{pmatrix} 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 \\ 5 & 1 & 6 & 2 & 3 & 4 \end{pmatrix}$

(3) $\sigma = (1 2)(2 4)(4 6)(6 3)(3 5)$

(4) $\mathrm{sgn}(\sigma) = -1$