複素数 $z = \frac{1+i}{\sqrt{3}+i}$ について、$z^n$ が実数となる最小の自然数 $n$ を求め、そのときの $z^n$ の値を求めよ。

代数学複素数極形式ド・モアブルの定理複素数の累乗
2025/7/2

1. 問題の内容

複素数 z=1+i3+iz = \frac{1+i}{\sqrt{3}+i} について、znz^n が実数となる最小の自然数 nn を求め、そのときの znz^n の値を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、zz を簡単にするために分母を実数化します。
z=1+i3+i=(1+i)(3i)(3+i)(3i)=3i+i3i23i2=3i+i3+13+1=3+1+i(31)4=3+14+i314z = \frac{1+i}{\sqrt{3}+i} = \frac{(1+i)(\sqrt{3}-i)}{(\sqrt{3}+i)(\sqrt{3}-i)} = \frac{\sqrt{3} - i + i\sqrt{3} - i^2}{3 - i^2} = \frac{\sqrt{3} - i + i\sqrt{3} + 1}{3 + 1} = \frac{\sqrt{3}+1 + i(\sqrt{3}-1)}{4} = \frac{\sqrt{3}+1}{4} + i\frac{\sqrt{3}-1}{4}
次に、zz を極形式で表します。z=r(cosθ+isinθ)z = r(\cos\theta + i\sin\theta) とおくと、
r=(3+14)2+(314)2=3+23+1+323+116=816=12=12r = \sqrt{\left(\frac{\sqrt{3}+1}{4}\right)^2 + \left(\frac{\sqrt{3}-1}{4}\right)^2} = \sqrt{\frac{3+2\sqrt{3}+1 + 3 - 2\sqrt{3}+1}{16}} = \sqrt{\frac{8}{16}} = \sqrt{\frac{1}{2}} = \frac{1}{\sqrt{2}}
cosθ=3+1412=2(3+1)4=6+24\cos\theta = \frac{\frac{\sqrt{3}+1}{4}}{\frac{1}{\sqrt{2}}} = \frac{\sqrt{2}(\sqrt{3}+1)}{4} = \frac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4}
sinθ=31412=2(31)4=624\sin\theta = \frac{\frac{\sqrt{3}-1}{4}}{\frac{1}{\sqrt{2}}} = \frac{\sqrt{2}(\sqrt{3}-1)}{4} = \frac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{4}
θ=π12\theta = \frac{\pi}{12} である。
よって、z=12(cosπ12+isinπ12)z = \frac{1}{\sqrt{2}} \left( \cos\frac{\pi}{12} + i\sin\frac{\pi}{12} \right)
ド・モアブルの定理より、zn=(12)n(cosnπ12+isinnπ12)z^n = \left(\frac{1}{\sqrt{2}}\right)^n \left( \cos\frac{n\pi}{12} + i\sin\frac{n\pi}{12} \right)
znz^n が実数となるためには、sinnπ12=0\sin\frac{n\pi}{12} = 0 でなければならない。
nπ12=kπ\frac{n\pi}{12} = k\pi ( kk は整数) となるので、n=12kn = 12k
nn が最小の自然数となるのは、k=1k=1 のときで、n=12n=12
z12=(12)12(cos12π12+isin12π12)=(12)6(cosπ+isinπ)=164(1+0i)=164z^{12} = \left(\frac{1}{\sqrt{2}}\right)^{12} \left( \cos\frac{12\pi}{12} + i\sin\frac{12\pi}{12} \right) = \left(\frac{1}{2}\right)^{6} (\cos\pi + i\sin\pi) = \frac{1}{64} (-1 + 0i) = -\frac{1}{64}

3. 最終的な答え

n=12n=12
z12=164z^{12} = -\frac{1}{64}

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