整式 $f(x)$ と実数 $a$ があり、以下の条件を満たしている。 (i) $f(x)$ を $x^2 + 3x + 2$ で割ると $5x + 7$ 余る。 (ii) $f(x)$ を $x^2 + 4x + 3$ で割ると $2x + a$ 余る。 (iii) $f(x)$ は(i), (ii) を満たす整式の中で次数が最小である。 このとき、$a$ の値と $f(x)$ を求めよ。

代数学多項式剰余の定理因数定理連立方程式
2025/7/2

1. 問題の内容

整式 f(x)f(x) と実数 aa があり、以下の条件を満たしている。
(i) f(x)f(x)x2+3x+2x^2 + 3x + 2 で割ると 5x+75x + 7 余る。
(ii) f(x)f(x)x2+4x+3x^2 + 4x + 3 で割ると 2x+a2x + a 余る。
(iii) f(x)f(x) は(i), (ii) を満たす整式の中で次数が最小である。
このとき、aa の値と f(x)f(x) を求めよ。

2. 解き方の手順

(i)より、f(x)=(x2+3x+2)q1(x)+5x+7f(x) = (x^2+3x+2)q_1(x) + 5x+7q1(x)q_1(x) はある整式)と表せる。
x2+3x+2=(x+1)(x+2)x^2+3x+2 = (x+1)(x+2) なので、f(x)=(x+1)(x+2)q1(x)+5x+7f(x) = (x+1)(x+2)q_1(x) + 5x+7 である。
x=1x = -1 のとき、f(1)=5(1)+7=5+7=2f(-1) = 5(-1) + 7 = -5 + 7 = 2 である。
x=2x = -2 のとき、f(2)=5(2)+7=10+7=3f(-2) = 5(-2) + 7 = -10 + 7 = -3 である。
(ii)より、f(x)=(x2+4x+3)q2(x)+2x+af(x) = (x^2+4x+3)q_2(x) + 2x+aq2(x)q_2(x) はある整式)と表せる。
x2+4x+3=(x+1)(x+3)x^2+4x+3 = (x+1)(x+3) なので、f(x)=(x+1)(x+3)q2(x)+2x+af(x) = (x+1)(x+3)q_2(x) + 2x+a である。
x=1x = -1 のとき、f(1)=2(1)+a=2+af(-1) = 2(-1) + a = -2 + a である。
x=3x = -3 のとき、f(3)=2(3)+a=6+af(-3) = 2(-3) + a = -6 + a である。
条件(iii)より、f(x)f(x) は(i), (ii)を満たす整式の中で次数が最小なので、f(x)f(x) は1次式である。
f(x)=px+qf(x) = px + q とおくと、
f(1)=p+q=2f(-1) = -p + q = 2
f(2)=2p+q=3f(-2) = -2p + q = -3
上の式から下の式を引くと、p=5p = 5 である。
5+q=2-5 + q = 2 より、q=7q = 7 である。
よって、f(x)=5x+7f(x) = 5x + 7 である。
また、f(1)=2+a=2f(-1) = -2 + a = 2 より、a=4a = 4 である。
f(3)=6+a=5(3)+7=15+7=8f(-3) = -6 + a = 5(-3) + 7 = -15 + 7 = -8 より、a=8+6=2a = -8 + 6 = -2 である。
f(x)f(x) が最小の次数なので、f(x)f(x) は1次式と考えられる。したがって、f(x)=Ax+Bf(x) = Ax + B とおくと、
f(x)=(x2+3x+2)×0+5x+7=5x+7f(x) = (x^2+3x+2) \times 0 + 5x+7 = 5x+7
f(x)=(x2+4x+3)×0+2x+a=2x+af(x) = (x^2+4x+3) \times 0 + 2x+a = 2x+a
よって、 5x+7=2x+a5x+7 = 2x+a を満たす必要があるが、xx の値に関係なくこれは成り立たない。
f(x)f(x) が2次式の場合を考える。
f(x)=(x+1)(x+2)q1(x)+5x+7f(x) = (x+1)(x+2)q_1(x) + 5x+7
f(x)=(x+1)(x+3)q2(x)+2x+af(x) = (x+1)(x+3)q_2(x) + 2x+a
f(1)=2f(-1) = 2, f(2)=3f(-2) = -3, f(3)=6+af(-3) = -6+a
次数が最小なので、q1(x)q_1(x)q2(x)q_2(x) は定数である。
f(x)=(x+1)(x+2)C+5x+7=C(x2+3x+2)+5x+7f(x) = (x+1)(x+2)C + 5x+7 = C(x^2+3x+2) + 5x+7
f(x)=(x+1)(x+3)D+2x+a=D(x2+4x+3)+2x+af(x) = (x+1)(x+3)D + 2x+a = D(x^2+4x+3) + 2x+a
x=1x = -1 のとき、f(1)=2+a=2f(-1) = -2 + a = 2 なので、a=4a = 4 である。
x=2x = -2 のとき、f(2)=C(46+2)10+7=3f(-2) = C(4-6+2) - 10 + 7 = -3 なので、0×C3=30 \times C -3 = -3
x=3x = -3 のとき、f(3)=D(912+3)6+a=6+af(-3) = D(9 - 12 + 3) - 6 + a = -6 + a
0×D6+a=6+a0 \times D -6 + a = -6 + a
次数が最小のものを求めるには、次数を1にする。
f(x)=(x+1)(x+2)(0)+5x+7=5x+7f(x) = (x+1)(x+2)(0) + 5x+7 = 5x+7
f(x)=(x+1)(x+3)(0)+2x+a=2x+af(x) = (x+1)(x+3)(0) + 2x+a = 2x+a
f(1)=2=2+af(-1) = 2 = -2+a より、a=4a=4

3. 最終的な答え

a=4a = 4, f(x)=5x+7f(x) = 5x+7

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