集合 $A = \{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10\}$ と $B = \{a, b, c\}$ が与えられています。 関係 $R_1, R_2, R_3, R_4$ について、それぞれの商集合を求める問題です。 $R_1 = \{(x, y) \in A \times A \mid x \mod 3 = y \mod 3\}$ $R_2 = \{(x, y) \in A \times A \mid x \mod 4 = y \mod 4\}$ $R_3 = \{(x, y) \in A \times A \mid x + y \text{ が偶数である}\}$ $R_4 = \{(a, a), (b, b), (c, c), (a, b), (b, a)\}$

離散数学集合関係同値関係商集合
2025/7/3

1. 問題の内容

集合 A={1,2,3,4,5,6,7,8,9,10}A = \{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10\}B={a,b,c}B = \{a, b, c\} が与えられています。
関係 R1,R2,R3,R4R_1, R_2, R_3, R_4 について、それぞれの商集合を求める問題です。
R1={(x,y)A×Axmod3=ymod3}R_1 = \{(x, y) \in A \times A \mid x \mod 3 = y \mod 3\}
R2={(x,y)A×Axmod4=ymod4}R_2 = \{(x, y) \in A \times A \mid x \mod 4 = y \mod 4\}
R3={(x,y)A×Ax+y が偶数である}R_3 = \{(x, y) \in A \times A \mid x + y \text{ が偶数である}\}
R4={(a,a),(b,b),(c,c),(a,b),(b,a)}R_4 = \{(a, a), (b, b), (c, c), (a, b), (b, a)\}

2. 解き方の手順

(1) R1R_1 について:
xmod3=ymod3x \mod 3 = y \mod 3 となるような (x,y)(x, y) の組を集めた関係です。
AA の要素を 33 で割った余りを考えると、0,1,20, 1, 2 のいずれかになります。
したがって、R1R_1 による AA の商集合は、余りが 0,1,20, 1, 2 である要素の集合に分割されます。
A0={3,6,9}A_0 = \{3, 6, 9\}, A1={1,4,7,10}A_1 = \{1, 4, 7, 10\}, A2={2,5,8}A_2 = \{2, 5, 8\} とすると、
商集合は {A0,A1,A2}\{A_0, A_1, A_2\} となります。
(2) R2R_2 について:
xmod4=ymod4x \mod 4 = y \mod 4 となるような (x,y)(x, y) の組を集めた関係です。
AA の要素を 44 で割った余りを考えると、0,1,2,30, 1, 2, 3 のいずれかになります。
したがって、R2R_2 による AA の商集合は、余りが 0,1,2,30, 1, 2, 3 である要素の集合に分割されます。
A0={4,8}A_0 = \{4, 8\}, A1={1,5,9}A_1 = \{1, 5, 9\}, A2={2,6,10}A_2 = \{2, 6, 10\}, A3={3,7}A_3 = \{3, 7\} とすると、
商集合は {A0,A1,A2,A3}\{A_0, A_1, A_2, A_3\} となります。
(3) R3R_3 について:
x+yx + y が偶数となるような (x,y)(x, y) の組を集めた関係です。
x+yx + y が偶数であるのは、xxyy がともに偶数であるか、または xxyy がともに奇数であるときです。
AA の要素を偶数と奇数に分けると、
Aodd={1,3,5,7,9}A_{odd} = \{1, 3, 5, 7, 9\}, Aeven={2,4,6,8,10}A_{even} = \{2, 4, 6, 8, 10\} となります。
商集合は {Aodd,Aeven}\{A_{odd}, A_{even}\} となります。
(4) R4R_4 について:
関係 R4R_4 は集合 BB 上の関係です。
R4={(a,a),(b,b),(c,c),(a,b),(b,a)}R_4 = \{(a, a), (b, b), (c, c), (a, b), (b, a)\} は、同値関係ではありません。
例えば、aR4ba R_4 b かつ bR4ab R_4 a ですが、R4R_4 が推移律を満たさないため、同値関係ではありません。
R4R_4 の商集合を計算するには、まず、BBの要素がR4R_4によってどのように関連付けられているかを確認する必要があります。
aR4a,bR4b,cR4c,aR4b,bR4aa R_4 a, b R_4 b, c R_4 c, a R_4 b, b R_4 aが与えられているので、aabbは同じ同値類に属し、ccは別の同値類に属します。
したがって、商集合は{{a,b},{c}}\{\{a, b\}, \{c\}\}となります。

3. 最終的な答え

R1R_1 の商集合: {{3,6,9},{1,4,7,10},{2,5,8}}\{\{3, 6, 9\}, \{1, 4, 7, 10\}, \{2, 5, 8\}\}
R2R_2 の商集合: {{4,8},{1,5,9},{2,6,10},{3,7}}\{\{4, 8\}, \{1, 5, 9\}, \{2, 6, 10\}, \{3, 7\}\}
R3R_3 の商集合: {{1,3,5,7,9},{2,4,6,8,10}}\{\{1, 3, 5, 7, 9\}, \{2, 4, 6, 8, 10\}\}
R4R_4 の商集合: {{a,b},{c}}\{\{a, b\}, \{c\}\}

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