サイコロを3回投げるとき、最小の目の数を確率変数 $Y$ とする。$Y$ の分布関数と確率分布を求める問題です。

確率論・統計学確率分布分布関数確率変数サイコロ最小値
2025/7/3

1. 問題の内容

サイコロを3回投げるとき、最小の目の数を確率変数 YY とする。YY の分布関数と確率分布を求める問題です。

2. 解き方の手順

まず、確率変数 YY がとりうる値は 1,2,3,4,5,61, 2, 3, 4, 5, 6 であることを確認します。
次に、分布関数 FY(y)=P(Yy)F_Y(y) = P(Y \le y) を求めます。これは YYyy 以下の値をとる確率です。YyY \le y は、「3回の試行において、少なくとも1回は yy 以下の目が出る」ということと同値です。これを余事象の考え方で求めます。「3回とも yy より大きい目が出る」確率を全体から引けば、P(Yy)P(Y \le y) が求まります。
3回とも yy より大きい目が出る確率は、各回の試行で y+1,y+2,,6y+1, y+2, \dots, 6 のいずれかが出る確率の積となります。各回の確率は 6y6\frac{6-y}{6} なので、3回とも yy より大きい目が出る確率は (6y6)3(\frac{6-y}{6})^3 です。したがって、分布関数は次のようになります。
FY(y)=P(Yy)=1(6y6)3F_Y(y) = P(Y \le y) = 1 - (\frac{6-y}{6})^3
次に、確率質量関数 P(Y=y)P(Y=y) を求めます。これは YY が特定の値 yy をとる確率です。これは分布関数の差分として求めることができます。
P(Y=y)=P(Yy)P(Yy1)=FY(y)FY(y1)P(Y=y) = P(Y \le y) - P(Y \le y-1) = F_Y(y) - F_Y(y-1)
上記の式に分布関数の式を代入して、
P(Y=y)=[1(6y6)3][1(6(y1)6)3]=(7y6)3(6y6)3P(Y=y) = [1 - (\frac{6-y}{6})^3] - [1 - (\frac{6-(y-1)}{6})^3] = (\frac{7-y}{6})^3 - (\frac{6-y}{6})^3

3. 最終的な答え

分布関数:
FY(y)=1(6y6)3F_Y(y) = 1 - (\frac{6-y}{6})^3
確率質量関数:
P(Y=y)=(7y6)3(6y6)3P(Y=y) = (\frac{7-y}{6})^3 - (\frac{6-y}{6})^3 (ただし、y=1,2,3,4,5,6y = 1, 2, 3, 4, 5, 6)

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