$p$ は奇数の素数とする。$N = (p+1)(p+3)(p+5)$ とおく。 (1) $N$ が 48 の倍数であることを示す。 (2) $N$ が 144 の倍数になるような $p$ の値を、小さい順に 5 つ求める。

数論素数倍数整数の性質因数分解
2025/7/3

1. 問題の内容

pp は奇数の素数とする。N=(p+1)(p+3)(p+5)N = (p+1)(p+3)(p+5) とおく。
(1) NN が 48 の倍数であることを示す。
(2) NN が 144 の倍数になるような pp の値を、小さい順に 5 つ求める。

2. 解き方の手順

(1) pp は奇素数なので、p+1p+1, p+3p+3, p+5p+5 は連続する 3 つの偶数である。したがって、これらの数はすべて 2 の倍数である。
p+1p+1, p+3p+3, p+5p+5 のうち、少なくとも 1 つは 4 の倍数であり、また 1 つは 6 の倍数である。
したがって、(p+1)(p+3)(p+5)(p+1)(p+3)(p+5)2×2×2×3=242 \times 2 \times 2 \times 3 = 24 の倍数である。
N=(p+1)(p+3)(p+5)N = (p+1)(p+3)(p+5) は 24 の倍数である。
ここで、pp は奇数なので、p+1p+1 は偶数である。よって、NN は少なくとも 232^3 で割り切れる。
p+1p+1, p+3p+3, p+5p+5 は連続する 3 つの偶数なので、そのうち 1 つは 6 の倍数である。
p+1p+1, p+3p+3, p+5p+5 の少なくとも一つは 3 で割り切れる。
p=3p = 3 のとき、N=(3+1)(3+3)(3+5)=4×6×8=192=48×4N = (3+1)(3+3)(3+5) = 4 \times 6 \times 8 = 192 = 48 \times 4 となり、NN は 48 の倍数である。
p3p \neq 3 のとき、pp は 3 の倍数ではないので、p+1p+1, p+3p+3, p+5p+5 のうち、p+3p+3 が 3 の倍数になることはない。しかし、p+1p+1, p+5p+5 のいずれかが 3 で割り切れる。よって、NN は 3 の倍数である。
NN は 8 の倍数であり、3 の倍数でもあるので、NN8×3=248 \times 3 = 24 の倍数である。
連続する3つの偶数の中には、4の倍数が少なくとも1つあるので、(p+1)(p+3)(p+5)(p+1)(p+3)(p+5)2×2×2×2=162 \times 2 \times 2 \times 2 = 16 の倍数である。また、p+1p+1, p+3p+3, p+5p+5 のいずれかは 3 の倍数なので、NN は 3 の倍数。よって、NN16×3=4816 \times 3 = 48 の倍数である。
(2) N=(p+1)(p+3)(p+5)N = (p+1)(p+3)(p+5) が 144 の倍数であるとき、N=144kN = 144k (kk は整数) と表せる。144=16×9144 = 16 \times 9 なので、NN が 144 の倍数であるためには、NN が 16 の倍数かつ 9 の倍数でなければならない。
p=3p=3 のとき、N=4×6×8=192N = 4 \times 6 \times 8 = 192. 192=144×43192 = 144 \times \frac{4}{3} なので、NN は 144 の倍数ではない。
p=5p=5 のとき、N=6×8×10=480N = 6 \times 8 \times 10 = 480. 480=144×103480 = 144 \times \frac{10}{3} なので、NN は 144 の倍数ではない。
p=7p=7 のとき、N=8×10×12=960N = 8 \times 10 \times 12 = 960. 960=144×203960 = 144 \times \frac{20}{3} なので、NN は 144 の倍数ではない。
p=11p=11 のとき、N=12×14×16=2688N = 12 \times 14 \times 16 = 2688. 2688=144×18+962688 = 144 \times 18 + 96 なので、NN は 144 の倍数ではない。
p=13p=13 のとき、N=14×16×18=4032N = 14 \times 16 \times 18 = 4032. 4032=144×284032 = 144 \times 28. よって、NN は 144 の倍数である。
p=17p=17 のとき、N=18×20×22=7920N = 18 \times 20 \times 22 = 7920. 7920=144×557920 = 144 \times 55. よって、NN は 144 の倍数である。
p=19p=19 のとき、N=20×22×24=10560N = 20 \times 22 \times 24 = 10560. 10560=144×73+4810560 = 144 \times 73 + 48 なので、NN は 144 の倍数ではない。
p=23p=23 のとき、N=24×26×28=17472N = 24 \times 26 \times 28 = 17472. 17472=144×121+4817472 = 144 \times 121 + 48 なので、NN は 144 の倍数ではない。
p=29p=29 のとき、N=30×32×34=32640N = 30 \times 32 \times 34 = 32640. 32640=144×226+9632640 = 144 \times 226 + 96 なので、NN は 144 の倍数ではない。
p=31p=31 のとき、N=32×34×36=39168N = 32 \times 34 \times 36 = 39168. 39168=144×27239168 = 144 \times 272. よって、NN は 144 の倍数である。
p=37p=37 のとき、N=38×40×42=63840N = 38 \times 40 \times 42 = 63840. 63840=144×443+288=144×443+144×2=144×44563840 = 144 \times 443 + 288 = 144 \times 443 + 144 \times 2 = 144 \times 445. よって、NN は 144 の倍数である。
p=41p=41 のとき、N=42×44×46=85512N = 42 \times 44 \times 46 = 85512. 85512=144×59485512 = 144 \times 594. よって、NN は 144 の倍数である。
p=43p=43 のとき、N=44×46×48=97536N = 44 \times 46 \times 48 = 97536. 97536=144×677+288=144×677+144×2=144×67997536 = 144 \times 677 + 288 = 144 \times 677 + 144 \times 2 = 144 \times 679. よって、NN は 144 の倍数である。
したがって、小さい順に5つの pp の値は 13, 17, 31, 37, 41 である。

3. 最終的な答え

(1) NN は 48 の倍数である。
(2) p=13,17,31,37,41p = 13, 17, 31, 37, 41

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