半径1の円柱を、底面の直径を含み、底面と角$\alpha$ $(0 < \alpha < \frac{\pi}{2})$ をなす平面で切断してできる小さい方の立体の体積 $V$ と切り口の面積 $A$ を求めよ。ただし、円柱の高さは $\tan \alpha$ 以上とする。

1. 問題の内容

半径1の円柱を、底面の直径を含み、底面と角$\alpha$ $(0 < \alpha < \frac{\pi}{2})$ をなす平面で切断してできる小さい方の立体の体積 $V$ と切り口の面積 $A$ を求めよ。ただし、円柱の高さは $\tan \alpha$ 以上とする。

2. 解き方の手順

(1) 体積 $V$ を求める。

円柱の底面を $xy$ 平面とし、中心を原点とする。切り口の平面を $z = (\tan \alpha) x + \tan \alpha$ とする。

$x^2 + y^2 \le 1$ かつ $z \ge 0$ の範囲で、体積を積分で求める。

$V = \int_{-1}^{1} \int_{-\sqrt{1-x^2}}^{\sqrt{1-x^2}} (\tan \alpha) (1 + x) dy dx$

$V = \int_{-1}^{1} 2 (\tan \alpha) (1 + x) \sqrt{1-x^2} dx$

$V = 2 \tan \alpha \int_{-1}^{1} \sqrt{1-x^2} dx + 2 \tan \alpha \int_{-1}^{1} x\sqrt{1-x^2} dx$

ここで、$\int_{-1}^{1} \sqrt{1-x^2} dx$ は半径1の半円の面積を表すので $\frac{\pi}{2}$。

また、$\int_{-1}^{1} x\sqrt{1-x^2} dx$ は奇関数を $[-1, 1]$ で積分するので 0。

したがって、

$V = 2 \tan \alpha \cdot \frac{\pi}{2} + 2 \tan \alpha \cdot 0 = \pi \tan \alpha$

(2) 切り口の面積 $A$ を求める。

切り口の平面は $z = (\tan \alpha) (1 + x)$ であり、$x^2 + y^2 \le 1$ なので、この楕円の面積を求める。

楕円の式は $x^2 + y^2 = 1$。この楕円を $xy$ 平面に正射影すると円になる。

この円の面積は $\pi$。

切り口の平面と底面のなす角は $\alpha$ なので、

$A \cos \alpha = \pi$

$A = \frac{\pi}{\cos \alpha} = \pi \sec \alpha$

3. 最終的な答え

(1) 体積 $V = \pi \tan \alpha$

(2) 切り口の面積 $A = \pi \sec \alpha$