1個のサイコロを投げて出る目を確率変数 $X$ とするとき、以下の確率変数の期待値、分散、標準偏差を求める問題です。 (1) $X+4$ (2) $-2X$ (3) $3X-2$

確率論・統計学確率変数期待値分散標準偏差サイコロ
2025/7/3

1. 問題の内容

1個のサイコロを投げて出る目を確率変数 XX とするとき、以下の確率変数の期待値、分散、標準偏差を求める問題です。
(1) X+4X+4
(2) 2X-2X
(3) 3X23X-2

2. 解き方の手順

まず、確率変数 XX の期待値 E(X)E(X), 分散 V(X)V(X), 標準偏差 σ(X)\sigma(X) を求めます。
サイコロの目は1から6なので、XX は1から6までの値を等確率でとります。
* 期待値 E(X)E(X) の計算
E(X)=1+2+3+4+5+66=216=72E(X) = \frac{1+2+3+4+5+6}{6} = \frac{21}{6} = \frac{7}{2}
* 分散 V(X)V(X) の計算
V(X)=E(X2)(E(X))2V(X) = E(X^2) - (E(X))^2
E(X2)=12+22+32+42+52+626=1+4+9+16+25+366=916E(X^2) = \frac{1^2+2^2+3^2+4^2+5^2+6^2}{6} = \frac{1+4+9+16+25+36}{6} = \frac{91}{6}
V(X)=916(72)2=916494=18214712=3512V(X) = \frac{91}{6} - (\frac{7}{2})^2 = \frac{91}{6} - \frac{49}{4} = \frac{182 - 147}{12} = \frac{35}{12}
* 標準偏差 σ(X)\sigma(X) の計算
σ(X)=V(X)=3512=3512=3523=1056\sigma(X) = \sqrt{V(X)} = \sqrt{\frac{35}{12}} = \frac{\sqrt{35}}{\sqrt{12}} = \frac{\sqrt{35}}{2\sqrt{3}} = \frac{\sqrt{105}}{6}
次に、以下の公式を利用して各確率変数の期待値、分散、標準偏差を計算します。
E(aX+b)=aE(X)+bE(aX+b) = aE(X) + b
V(aX+b)=a2V(X)V(aX+b) = a^2V(X)
σ(aX+b)=aσ(X)\sigma(aX+b) = |a|\sigma(X)
(1) X+4X+4
E(X+4)=E(X)+4=72+4=7+82=152E(X+4) = E(X) + 4 = \frac{7}{2} + 4 = \frac{7+8}{2} = \frac{15}{2}
V(X+4)=V(X)=3512V(X+4) = V(X) = \frac{35}{12}
σ(X+4)=σ(X)=1056\sigma(X+4) = \sigma(X) = \frac{\sqrt{105}}{6}
(2) 2X-2X
E(2X)=2E(X)=272=7E(-2X) = -2E(X) = -2 \cdot \frac{7}{2} = -7
V(2X)=(2)2V(X)=43512=353V(-2X) = (-2)^2V(X) = 4 \cdot \frac{35}{12} = \frac{35}{3}
σ(2X)=2σ(X)=21056=1053\sigma(-2X) = |-2|\sigma(X) = 2 \cdot \frac{\sqrt{105}}{6} = \frac{\sqrt{105}}{3}
(3) 3X23X-2
E(3X2)=3E(X)2=3722=21242=172E(3X-2) = 3E(X) - 2 = 3 \cdot \frac{7}{2} - 2 = \frac{21}{2} - \frac{4}{2} = \frac{17}{2}
V(3X2)=32V(X)=93512=31512=1054V(3X-2) = 3^2V(X) = 9 \cdot \frac{35}{12} = \frac{315}{12} = \frac{105}{4}
σ(3X2)=3σ(X)=31056=1052\sigma(3X-2) = |3|\sigma(X) = 3 \cdot \frac{\sqrt{105}}{6} = \frac{\sqrt{105}}{2}

3. 最終的な答え

(1) X+4X+4
期待値: 152\frac{15}{2}
分散: 3512\frac{35}{12}
標準偏差: 1056\frac{\sqrt{105}}{6}
(2) 2X-2X
期待値: 7-7
分散: 353\frac{35}{3}
標準偏差: 1053\frac{\sqrt{105}}{3}
(3) 3X23X-2
期待値: 172\frac{17}{2}
分散: 1054\frac{105}{4}
標準偏差: 1052\frac{\sqrt{105}}{2}

「確率論・統計学」の関連問題

プロ野球のA, B両チームの年間の対戦成績がAの18勝7敗であったとき、両チームの力に差があるといえるかを、両チームの力に差がないときAが勝つ確率が0.5であるとして、有意水準5%で検定する問題です。

統計的仮説検定有意水準標本比率正規分布両側検定
2025/7/9

5つの選択肢の中から正しいものを2つ選ぶ問題がある。 (1) 正答1つにつき6点を与え、誤答には減点がないとき、得点の期待値を求める。 (2) 正答1つにつき6点を与え、得点の期待値を0にするには、誤...

期待値組み合わせ確率
2025/7/9

A, B 2つのチームが最大7回戦で優勝を争う。先に4勝したチームが優勝し、その時点で試合は打ち切られる。Aチームが1回の試合で勝つ確率が $2/3$ であるとき、どちらかのチームが優勝するまでに行わ...

確率期待値二項分布
2025/7/9

ジュースの売店があり、晴れた日には1日に200杯、晴れた日以外には1日に100杯のジュースが売れる。ジュース1杯の原価は150円、売価は300円であり、売れ残りはすべて廃棄するものとする。晴れる確率が...

期待値確率最大化場合分け意思決定
2025/7/9

1から6までの数字が書かれた6枚のカードから3枚を選ぶとき、選んだ3枚のカードの数字の最大値の期待値を求めよ。

期待値組み合わせ確率場合の数
2025/7/9

子ども3人と大人2人の計5人が1列に並ぶとき、以下の並び方はそれぞれ何通りあるか。 (1) 大人2人が隣り合う (2) 大人2人が両端に並ぶ (3) 子どもと大人が交互に並ぶ

順列組み合わせ場合の数
2025/7/9

袋Sには赤玉4個と白玉2個が、袋Tには赤玉2個と白玉4個が入っている。袋Sと袋Tからそれぞれ1個ずつ玉を取り出すとき、取り出した2個の玉の色が異なる確率を求める。

確率確率計算事象の確率組み合わせ
2025/7/9

8本のくじの中に当たりくじが2本入っている。A, Bの2人がこの順に1本ずつくじを引く。ただし、引いたくじは元に戻さない。このとき、Bが当たりくじを引く確率を求めよ。

確率条件付き確率くじ引き
2025/7/9

8本のくじの中に当たりくじが2本含まれている。A, Bの順に1本ずつくじを引くとき、AもBも当たる確率を求めよ。ただし、引いたくじは元に戻さない。

確率事象条件付き確率
2025/7/9

赤玉3個と白玉9個が入った袋から玉を1個取り出し、色を確認した後、袋に戻す試行を4回繰り返します。このとき、白玉をちょうど3回取り出す確率を求めます。

確率反復試行組み合わせ
2025/7/9