すべての正の実数 $x$ に対して、不等式 $\sqrt{x+2} \le k\sqrt{x+1}$ が成り立つような実数 $k$ の最小値を求めよ。

解析学不等式関数の最大値平方根単調減少
2025/7/3

1. 問題の内容

すべての正の実数 xx に対して、不等式 x+2kx+1\sqrt{x+2} \le k\sqrt{x+1} が成り立つような実数 kk の最小値を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、与えられた不等式を kk について解きます。xx は正の実数なので、x+1>0\sqrt{x+1} > 0 であることに注意して両辺を x+1\sqrt{x+1} で割ると、
kx+2x+1=x+2x+1=1+1x+1k \ge \frac{\sqrt{x+2}}{\sqrt{x+1}} = \sqrt{\frac{x+2}{x+1}} = \sqrt{1+\frac{1}{x+1}}
となります。この不等式がすべての正の実数 xx について成り立つような kk の最小値を求めるには、f(x)=1+1x+1f(x) = \sqrt{1+\frac{1}{x+1}} の最大値を求める必要があります。
xx が正の実数の範囲で変化するとき、x+1x+111 より大きい値をとり、1x+1\frac{1}{x+1}00 より大きく 11 より小さい値をとり、1+1x+11+\frac{1}{x+1}11 より大きく 22 より小さい値をとり、f(x)=1+1x+1f(x) = \sqrt{1+\frac{1}{x+1}}11 より大きく 2\sqrt{2} より小さい値を持ちます。
xx が正の実数であるとき、x+1x+111 より大きいので、1x+1\frac{1}{x+1}00 に近づくことができます。したがって、xx \to \infty のとき、f(x)=1+1x+11+0=1f(x) = \sqrt{1+\frac{1}{x+1}} \to \sqrt{1+0} = 1 となります。
一方、x0x \to 0 のとき、f(x)=1+1x+11+10+1=1+1=2f(x) = \sqrt{1+\frac{1}{x+1}} \to \sqrt{1+\frac{1}{0+1}} = \sqrt{1+1} = \sqrt{2} となります。
関数 f(x)f(x) は、x>0x>0 において単調減少関数です。なぜなら、xx が大きくなるほど 1x+1\frac{1}{x+1} は小さくなるため、1+1x+11+\frac{1}{x+1} も小さくなり、その平方根も小さくなるからです。
したがって、f(x)f(x) の最大値は x0x \to 0 のときの値 2\sqrt{2} に近づきます。不等式 x+2kx+1\sqrt{x+2} \le k\sqrt{x+1} がすべての正の実数 xx について成り立つためには、k1+1x+1k \ge \sqrt{1+\frac{1}{x+1}} がすべての正の実数 xx で成り立つ必要があり、この不等式を満たす最小の kk は、1+1x+1\sqrt{1+\frac{1}{x+1}} の上限に等しくなります。xx が正の実数の範囲を動くとき、1+1x+1\sqrt{1+\frac{1}{x+1}}2\sqrt{2} に限りなく近づきますが、2\sqrt{2} を超えることはありません。したがって、2\sqrt{2} が上限となります。

3. 最終的な答え

2\sqrt{2}

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