曲線 $C: y = 2x^3 + 1$ 上の点 $P(t, 2t^3 + 1)$ における接線を $l$ とする。直線 $l$ と曲線 $C$ のもう一つの共有点を $Q$ とする。曲線 $C$ の点 $Q$ における接線を $m$ とし、直線 $l$ と直線 $m$ のなす角の大きさを $\theta$ とする。ただし、$0 \le \theta \le \frac{\pi}{2}$ である。以下の問いに答えよ。 (1) 直線 $l$ の方程式を $y = ax + b$ とするとき、$a, b$ を $t$ を用いてそれぞれ表せ。 (2) 点 $Q$ の $x$ 座標を $t$ を用いて表せ。 (3) 直線 $m$ の傾きを $t$ を用いて表せ。 (4) $\tan \theta$ を $t$ を用いて表せ。 (5) $\theta$ が最大になるときの $t$ の値を求めよ。

1. 問題の内容

曲線 $C: y = 2x^3 + 1$ 上の点 $P(t, 2t^3 + 1)$ における接線を $l$ とする。直線 $l$ と曲線 $C$ のもう一つの共有点を $Q$ とする。曲線 $C$ の点 $Q$ における接線を $m$ とし、直線 $l$ と直線 $m$ のなす角の大きさを $\theta$ とする。ただし、$0 \le \theta \le \frac{\pi}{2}$ である。以下の問いに答えよ。

(1) 直線 $l$ の方程式を $y = ax + b$ とするとき、$a, b$ を $t$ を用いてそれぞれ表せ。

(2) 点 $Q$ の $x$ 座標を $t$ を用いて表せ。

(3) 直線 $m$ の傾きを $t$ を用いて表せ。

(4) $\tan \theta$ を $t$ を用いて表せ。

(5) $\theta$ が最大になるときの $t$ の値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) $y = 2x^3 + 1$ より、$y' = 6x^2$。点 $P(t, 2t^3 + 1)$ における接線 $l$ の傾きは $6t^2$ である。

したがって、$l$ の方程式は

$y - (2t^3 + 1) = 6t^2(x - t)$

$y = 6t^2x - 6t^3 + 2t^3 + 1$

$y = 6t^2x - 4t^3 + 1$

よって、$a = 6t^2$, $b = -4t^3 + 1$

(2) 点 $Q$ の $x$ 座標を $s$ とすると、$Q(s, 2s^3 + 1)$ である。点 $Q$ は $l$ 上にあるので、

$2s^3 + 1 = 6t^2s - 4t^3 + 1$

$2s^3 - 6t^2s + 4t^3 = 0$

$s^3 - 3t^2s + 2t^3 = 0$

$(s - t)(s^2 + ts - 2t^2) = 0$

$(s - t)(s - t)(s + 2t) = 0$

$(s - t)^2(s + 2t) = 0$

$s = t, -2t$

$Q$ は $P$ と異なる点なので、$s = -2t$

よって、点 $Q$ の $x$ 座標は $-2t$

(3) 点 $Q(-2t, -16t^3 + 1)$ における接線 $m$ の傾きは $6(-2t)^2 = 24t^2$

(4) $l$ の傾きは $6t^2$, $m$ の傾きは $24t^2$

$\tan \theta = \left| \frac{24t^2 - 6t^2}{1 + 24t^2 \cdot 6t^2} \right| = \left| \frac{18t^2}{1 + 144t^4} \right| = \frac{18t^2}{1 + 144t^4}$ (∵ $t > 0$ より、$18t^2 > 0$, $1 + 144t^4 > 0$)

(5) $\tan \theta = \frac{18t^2}{1 + 144t^4}$ を最大にする $t$ を求める。

$f(t) = \frac{18t^2}{1 + 144t^4}$ とおく。

$f'(t) = \frac{36t(1 + 144t^4) - 18t^2(576t^3)}{(1 + 144t^4)^2} = \frac{36t + 5184t^5 - 10368t^5}{(1 + 144t^4)^2} = \frac{36t - 5184t^5}{(1 + 144t^4)^2} = \frac{36t(1 - 144t^4)}{(1 + 144t^4)^2}$

$f'(t) = 0$ となるのは、 $1 - 144t^4 = 0$ のとき。

$144t^4 = 1$

$t^4 = \frac{1}{144} = \frac{1}{12^2}$

$t^2 = \frac{1}{12}$

$t = \pm \frac{1}{\sqrt{12}} = \pm \frac{1}{2\sqrt{3}} = \pm \frac{\sqrt{3}}{6}$

$t > 0$ より、$t = \frac{\sqrt{3}}{6}$

$0 < t < \frac{\sqrt{3}}{6}$ のとき、$f'(t) > 0$ であり、$t > \frac{\sqrt{3}}{6}$ のとき、$f'(t) < 0$ であるから、$t = \frac{\sqrt{3}}{6}$ で $\tan \theta$ は最大となる。

$\tan \theta$ が最大となるとき、$\theta$ も最大となる。

3. 最終的な答え

(1) $a = 6t^2, b = -4t^3 + 1$

(2) $-2t$

(3) $24t^2$

(4) $\frac{18t^2}{1 + 144t^4}$

(5) $\frac{\sqrt{3}}{6}$