自然数 $n$ を、それより小さい自然数の和として表す方法の数を求める問題です。ただし、和の順序が異なるものは別の表し方として数えます。 (1) 自然数 4 の表し方は何通りあるか。 (2) 自然数 5 の表し方は何通りあるか。 (3) 自然数 $n$ の表し方は何通りあるか (ただし $n \geq 2$)。

数論分割数組み合わせ数学的帰納法
2025/7/4

1. 問題の内容

自然数 nn を、それより小さい自然数の和として表す方法の数を求める問題です。ただし、和の順序が異なるものは別の表し方として数えます。
(1) 自然数 4 の表し方は何通りあるか。
(2) 自然数 5 の表し方は何通りあるか。
(3) 自然数 nn の表し方は何通りあるか (ただし n2n \geq 2)。

2. 解き方の手順

(1) 自然数 4 の場合:
- 3 + 1
- 2 + 2
- 2 + 1 + 1
- 1 + 3
- 1 + 2 + 1
- 1 + 1 + 2
- 1 + 1 + 1 + 1
合計 7 通り
(2) 自然数 5 の場合:
- 4 + 1
- 3 + 2
- 3 + 1 + 1
- 2 + 3
- 2 + 2 + 1
- 2 + 1 + 2
- 2 + 1 + 1 + 1
- 1 + 4
- 1 + 3 + 1
- 1 + 2 + 2
- 1 + 2 + 1 + 1
- 1 + 1 + 3
- 1 + 1 + 2 + 1
- 1 + 1 + 1 + 2
- 1 + 1 + 1 + 1 + 1
合計 15 通り
(3) 自然数 nn の場合:
n=a1+a2+...+akn = a_1 + a_2 + ... + a_k (ただし aia_i は自然数で、ai<na_i < n)
nn の場合の数を f(n)f(n) とします。
n=2n=2 のとき、1+11+1 なので、f(2)=1f(2)=1
n=3n=3 のとき、2+1,1+2,1+1+12+1, 1+2, 1+1+1 なので、f(3)=3f(3)=3
n=4n=4 のとき、f(4)=7f(4)=7
n=5n=5 のとき、f(5)=15f(5)=15
これらの結果から、
f(n)=2n11f(n) = 2^{n-1} - 1
と推測できます。
数学的帰納法を用いて証明します。

1. $n=2$ のとき、$f(2) = 2^{2-1}-1 = 2^1-1 = 1$ で成立

2. $n=k$ のとき、$f(k) = 2^{k-1} - 1$ が成立すると仮定

3. $n=k+1$ のとき、$f(k+1)$ を計算する。

k+1k+1 を表す和の中で、最初の数が jj であるとすると、残りの和は k+1jk+1-j です。ここで 1jk1 \le j \le k です。
k+1jk+1-j を表す方法の数は j=kj = k のとき 11j<kj<kのとき f(k+1j)=2kj1f(k+1-j) = 2^{k-j}-1 である.
f(k+1)=j=1kf(k+1j)=2k1+2k2+...+21+20=2k1f(k+1) = \sum_{j=1}^k f(k+1-j) = 2^{k-1} + 2^{k-2} + ... + 2^1 + 2^0 = 2^k-1
したがって、n=k+1n=k+1 のときも成立。

3. 最終的な答え

(1) 7 通り
(2) 15 通り
(3) 2n112^{n-1}-1 通り

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