以下の2つの微分方程式の初期値問題を解きます。 (1) $y'' + y = 1$, $y(0) = 0$, $y'(0) = 0$ (2) $2y'' - y' + y = 0$, $y(0) = 0$, $y'(0) = 7$

解析学微分方程式初期値問題特性方程式電磁気学荷電粒子ローレンツ力
2025/7/4
## 問題1

1. 問題の内容

以下の2つの微分方程式の初期値問題を解きます。
(1) y+y=1y'' + y = 1, y(0)=0y(0) = 0, y(0)=0y'(0) = 0
(2) 2yy+y=02y'' - y' + y = 0, y(0)=0y(0) = 0, y(0)=7y'(0) = 7

2. 解き方の手順

(1)
まず、斉次方程式y+y=0y''+y = 0を解きます。特性方程式はr2+1=0r^2 + 1 = 0となり、r=±ir = \pm iが得られます。よって、斉次解はyh(x)=c1cos(x)+c2sin(x)y_h(x) = c_1 \cos(x) + c_2 \sin(x)となります。
次に、特殊解を求めます。yp(x)=Ay_p(x) = Aと仮定すると、yp=0y_p'' = 0なので、0+A=10 + A = 1より、A=1A = 1となります。よって、yp(x)=1y_p(x) = 1です。
したがって、一般解はy(x)=c1cos(x)+c2sin(x)+1y(x) = c_1 \cos(x) + c_2 \sin(x) + 1となります。
初期条件y(0)=0y(0) = 0より、c1+1=0c_1 + 1 = 0なので、c1=1c_1 = -1となります。
y(x)=c1sin(x)+c2cos(x)y'(x) = -c_1 \sin(x) + c_2 \cos(x)なので、初期条件y(0)=0y'(0) = 0より、c2=0c_2 = 0となります。
よって、y(x)=cos(x)+1y(x) = -\cos(x) + 1となります。
(2)
まず、特性方程式2r2r+1=02r^2 - r + 1 = 0を解きます。
r=1±184=1±i74r = \frac{1 \pm \sqrt{1 - 8}}{4} = \frac{1 \pm i\sqrt{7}}{4}
よって、一般解はy(x)=ex4(c1cos(74x)+c2sin(74x))y(x) = e^{\frac{x}{4}} (c_1 \cos(\frac{\sqrt{7}}{4}x) + c_2 \sin(\frac{\sqrt{7}}{4}x))となります。
初期条件y(0)=0y(0) = 0より、c1=0c_1 = 0となります。
y(x)=c2ex4sin(74x)y(x) = c_2 e^{\frac{x}{4}} \sin(\frac{\sqrt{7}}{4}x)
y(x)=c2(14ex4sin(74x)+ex474cos(74x))y'(x) = c_2 (\frac{1}{4} e^{\frac{x}{4}} \sin(\frac{\sqrt{7}}{4}x) + e^{\frac{x}{4}} \frac{\sqrt{7}}{4} \cos(\frac{\sqrt{7}}{4}x))
初期条件y(0)=7y'(0) = 7より、c274=7c_2 \frac{\sqrt{7}}{4} = 7なので、c2=287=47c_2 = \frac{28}{\sqrt{7}} = 4\sqrt{7}となります。
よって、y(x)=47ex4sin(74x)y(x) = 4\sqrt{7} e^{\frac{x}{4}} \sin(\frac{\sqrt{7}}{4}x)となります。

3. 最終的な答え

(1) y(x)=1cos(x)y(x) = 1 - \cos(x)
(2) y(x)=47ex4sin(74x)y(x) = 4\sqrt{7} e^{\frac{x}{4}} \sin(\frac{\sqrt{7}}{4}x)
## 問題2

1. 問題の内容

一様な電場E\mathbf{E}と磁束密度B\mathbf{B}の中で運動する荷電粒子の運動方程式が与えられています。E=(E0,0,0)\mathbf{E} = (E_0, 0, 0), B=(B0,0,0)\mathbf{B} = (B_0, 0, 0), v=(vx,vy,vz)\mathbf{v} = (v_x, v_y, v_z)のとき、以下の問いに答えます。
(1) vx,vy,vzv_x, v_y, v_zについての微分方程式をそれぞれ求めます。
(2) 時間t=0t=0における速度v(0)=(v0,0,v1)\mathbf{v}(0) = (v_0, 0, v_1)のとき、vx,vy,vzv_x, v_y, v_zを求めます。
(3) 前問(2)の結果を図示し、荷電粒子の運動について述べます。

2. 解き方の手順

(1)
与えられた運動方程式は
mdvdt=q(E+v×B)m\frac{d\mathbf{v}}{dt} = q(\mathbf{E} + \mathbf{v} \times \mathbf{B})
E=(E0,0,0)\mathbf{E} = (E_0, 0, 0)B=(B0,0,0)\mathbf{B} = (B_0, 0, 0)v=(vx,vy,vz)\mathbf{v} = (v_x, v_y, v_z)を代入すると、
m(dvxdt,dvydt,dvzdt)=q((E0,0,0)+(vx,vy,vz)×(B0,0,0))m(\frac{dv_x}{dt}, \frac{dv_y}{dt}, \frac{dv_z}{dt}) = q((E_0, 0, 0) + (v_x, v_y, v_z) \times (B_0, 0, 0))
クロス積を計算すると、
(vx,vy,vz)×(B0,0,0)=(0,vzB0,vyB0)(v_x, v_y, v_z) \times (B_0, 0, 0) = (0, v_z B_0, -v_y B_0)
したがって、
mdvxdt=qE0m\frac{dv_x}{dt} = qE_0
mdvydt=qvzB0m\frac{dv_y}{dt} = qv_z B_0
mdvzdt=qvyB0m\frac{dv_z}{dt} = -qv_y B_0
(2)
(1)で求めた微分方程式を解きます。まず、vxv_xから解きます。
mdvxdt=qE0m\frac{dv_x}{dt} = qE_0より、
dvxdt=qE0m\frac{dv_x}{dt} = \frac{qE_0}{m}
積分すると、vx(t)=qE0mt+C1v_x(t) = \frac{qE_0}{m}t + C_1
初期条件vx(0)=v0v_x(0) = v_0より、C1=v0C_1 = v_0なので、
vx(t)=qE0mt+v0v_x(t) = \frac{qE_0}{m}t + v_0
次に、vyv_yvzv_zを解きます。
dvydt=qB0mvz\frac{dv_y}{dt} = \frac{qB_0}{m}v_z
dvzdt=qB0mvy\frac{dv_z}{dt} = -\frac{qB_0}{m}v_y
ω=qB0m\omega = \frac{qB_0}{m}とおくと、
dvydt=ωvz\frac{dv_y}{dt} = \omega v_z
dvzdt=ωvy\frac{dv_z}{dt} = -\omega v_y
d2vydt2=ωdvzdt=ω2vy\frac{d^2v_y}{dt^2} = \omega \frac{dv_z}{dt} = -\omega^2 v_y
d2vydt2+ω2vy=0\frac{d^2v_y}{dt^2} + \omega^2 v_y = 0
この微分方程式の解は、vy(t)=C2cos(ωt)+C3sin(ωt)v_y(t) = C_2 \cos(\omega t) + C_3 \sin(\omega t)
初期条件vy(0)=0v_y(0) = 0より、C2=0C_2 = 0なので、vy(t)=C3sin(ωt)v_y(t) = C_3 \sin(\omega t)
dvzdt=ωvy=ωC3sin(ωt)\frac{dv_z}{dt} = -\omega v_y = -\omega C_3 \sin(\omega t)
積分すると、vz(t)=C3cos(ωt)+C4v_z(t) = C_3 \cos(\omega t) + C_4
初期条件vz(0)=v1v_z(0) = v_1より、C3+C4=v1C_3 + C_4 = v_1
また、dvydt=ωvz\frac{dv_y}{dt} = \omega v_zなので、
vy(t)=C3ωcos(ωt)=ωvz=ω(v1C3cos(ωt))v_y'(t) = C_3 \omega \cos(\omega t) = \omega v_z = \omega (v_1 - C_3 \cos(\omega t))
よって、C3=v1C_3 = v_1
したがって、vy(t)=v1sin(ωt)v_y(t) = v_1 \sin(\omega t)
vz(t)=v1cos(ωt)v_z(t) = v_1 \cos(\omega t)
(3)
vx(t)=qE0mt+v0v_x(t) = \frac{qE_0}{m}t + v_0
vy(t)=v1sin(ωt)v_y(t) = v_1 \sin(\omega t)
vz(t)=v1cos(ωt)v_z(t) = v_1 \cos(\omega t)
xx軸方向には等加速度運動、yz平面内では等速円運動をします。したがって、荷電粒子は螺旋運動をします。

3. 最終的な答え

(1)
mdvxdt=qE0m\frac{dv_x}{dt} = qE_0
mdvydt=qvzB0m\frac{dv_y}{dt} = qv_z B_0
mdvzdt=qvyB0m\frac{dv_z}{dt} = -qv_y B_0
(2)
vx(t)=qE0mt+v0v_x(t) = \frac{qE_0}{m}t + v_0
vy(t)=v1sin(qB0mt)v_y(t) = v_1 \sin(\frac{qB_0}{m} t)
vz(t)=v1cos(qB0mt)v_z(t) = v_1 \cos(\frac{qB_0}{m} t)
(3)
荷電粒子はxx軸方向に等加速度運動し、yzyz平面内では等速円運動をするので、螺旋運動をする。

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