三角形OABがあり、$OA=5$, $OB=8$, $AB=7$とする。点Pの位置ベクトルを$\vec{OP}=s\vec{OA}+t\vec{OB}$と定める。 (1) 三角形OABの面積を求める。 (2) $s \ge 0$, $t \ge 0$, $1 \le s+t \le 2$のとき、点Pが存在し得る領域の面積が、三角形OABの面積の何倍であるか求める。 (3) $s \ge 0$, $t \ge 0$, $s+2t \ge 2$, $2s+t \le 2$のとき、点Pが存在し得る領域の面積が、三角形OABの面積の何倍であるか求める。

幾何学ベクトル面積三角形領域
2025/7/4

1. 問題の内容

三角形OABがあり、OA=5OA=5, OB=8OB=8, AB=7AB=7とする。点Pの位置ベクトルをOP=sOA+tOB\vec{OP}=s\vec{OA}+t\vec{OB}と定める。
(1) 三角形OABの面積を求める。
(2) s0s \ge 0, t0t \ge 0, 1s+t21 \le s+t \le 2のとき、点Pが存在し得る領域の面積が、三角形OABの面積の何倍であるか求める。
(3) s0s \ge 0, t0t \ge 0, s+2t2s+2t \ge 2, 2s+t22s+t \le 2のとき、点Pが存在し得る領域の面積が、三角形OABの面積の何倍であるか求める。

2. 解き方の手順

(1) 三角形OABの面積を求める。余弦定理を使ってcosAOB\cos \angle AOBを計算し、sinAOB\sin \angle AOBを求める。面積の公式に代入する。
cosAOB=OA2+OB2AB22OAOB=52+8272258=25+644980=4080=12\cos \angle AOB = \frac{OA^2+OB^2-AB^2}{2OA\cdot OB} = \frac{5^2+8^2-7^2}{2\cdot5\cdot8} = \frac{25+64-49}{80} = \frac{40}{80} = \frac{1}{2}
sinAOB=1cos2AOB=1(12)2=34=32\sin \angle AOB = \sqrt{1-\cos^2 \angle AOB} = \sqrt{1-(\frac{1}{2})^2} = \sqrt{\frac{3}{4}} = \frac{\sqrt{3}}{2}
OAB=12OAOBsinAOB=125832=103\triangle OAB = \frac{1}{2}OA\cdot OB \cdot \sin \angle AOB = \frac{1}{2} \cdot 5 \cdot 8 \cdot \frac{\sqrt{3}}{2} = 10\sqrt{3}
(2) s0s \ge 0, t0t \ge 0, 1s+t21 \le s+t \le 2のとき。
s+t=ks+t=kとおくと、t=s+kt=-s+kとなる。この条件を満たす領域は、
s0s \ge 0, t0t \ge 0より、第一象限である。
1s+t21 \le s+t \le 2は、s+t=1s+t=1s+t=2s+t=2の間の領域を表す。
s+t=1s+t=1s+t=2s+t=2は平行な直線なので、領域は平行四辺形になる。
s+t=1s+t=1s+t=2s+t=2の交点はそれぞれ(1,0),(0,1)(1,0),(0,1)(2,0),(0,2)(2,0),(0,2)である。
領域はOAB\triangle OABの面積の何倍であるか。
1s+t21 \le s+t \le 2より、
1s+t1 \le s+tのとき、OP=(s+t)(ss+tOA+ts+tOB)\vec{OP} = (s+t)\left(\frac{s}{s+t}\vec{OA}+\frac{t}{s+t}\vec{OB}\right).
S=ss+tS = \frac{s}{s+t}, T=ts+tT = \frac{t}{s+t}とおくと、S+T=1S+T=1であり、S0S \ge 0, T0T \ge 0
OU=SOA+TOB\vec{OU}=S\vec{OA}+T\vec{OB}とすると、UUは線分AB上にある。
OP=(s+t)OU\vec{OP} = (s+t)\vec{OU}. 1s+t21 \le s+t \le 2より、OP=kOU\vec{OP}=k\vec{OU}となり、kkは1から2の間を動く。
したがって、線分ABを、Oから見て1倍から2倍に拡大した領域となる。
三角形OABの面積をSとすると、面積は、22S12S=4SS=3S2^2S - 1^2S = 4S-S = 3S. よって3倍である。
(3) s0,t0,s+2t2,2s+t2s \ge 0, t \ge 0, s+2t \ge 2, 2s+t \le 2のとき。
s+2t=2s+2t=22s+t=22s+t=2の交点を求める。
s+2t=2s+2t=2よりs=22ts=2-2t, 2s+t=22s+t=2に代入すると、2(22t)+t=22(2-2t)+t=2, 44t+t=24-4t+t=2, 3t=2-3t=-2, t=23t=\frac{2}{3}.
s=22(23)=243=23s = 2-2(\frac{2}{3}) = 2 - \frac{4}{3} = \frac{2}{3}.
交点は(23,23)(\frac{2}{3}, \frac{2}{3})
s+2t=2s+2t=2は、(2,0)(2,0)(0,1)(0,1)を通る。
2s+t=22s+t=2は、(1,0)(1,0)(0,2)(0,2)を通る。
OA=12OA\vec{OA'}=\frac{1}{2}\vec{OA}, OB=12OB\vec{OB'}=\frac{1}{2}\vec{OB}とする。
領域は三角形OABから三角形OA'B'を引いたものと相似である。
s+2t2,2s+t2s+2t \ge 2, 2s+t \le 2より、OP=sOA+tOB\vec{OP}=s\vec{OA}+t\vec{OB}を満たす領域の面積は、
12OA+12OB\frac{1}{2}\vec{OA}+\frac{1}{2}\vec{OB}(23OA+23OB)(\frac{2}{3}\vec{OA}+\frac{2}{3}\vec{OB})で作られる領域。これは、OAB\triangle OAB49\frac{4}{9}である。
OAB\triangle OABの面積をSSとすると、s+2t=2s+2t=2上の点23OA+23OB\frac{2}{3} OA + \frac{2}{3}OBのとき、t=23OBt = \frac{2}{3} OB, s=23OAs=\frac{2}{3}OA
求める面積はOAB\triangle OAB の面積からOAB\triangle OA'B'の面積を引いたもので、 OAB=14OAB\triangle OA'B' = \frac{1}{4} \triangle OAB だから、求める面積は、34\frac{3}{4} になる。 t+2s=2t + 2s =2のときの面積はOAB=14OAB\triangle OA'B' = \frac{1}{4} \triangle OABなので、 OAB\triangle OABから引くと34\frac{3}{4}となる。 よって面積はOAB34\triangle OAB \frac{3}{4}となる。
OP=sOA+tOB\vec{OP}=s\vec{OA}+t\vec{OB}, s0,t0,s+2t=2,2s+t=2s \ge 0, t \ge 0, s+2t=2, 2s+t=2.
A=23A,B=23BA'=\frac{2}{3}A, B'=\frac{2}{3}B, 49S\frac{4}{9}S

3. 最終的な答え

(1) 10310\sqrt{3}
(2) 3倍
(3) 49\frac{4}{9}

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