複素数 $z = \frac{1+i}{\sqrt{3}-i}$ について、以下の問いに答えます。 (1) $z^n$ が実数となるような最小の自然数 $n$ を求めます。 (2) $z^n$ が純虚数となるような最小の自然数 $n$ を求めます。

1. 問題の内容

複素数 $z = \frac{1+i}{\sqrt{3}-i}$ について、以下の問いに答えます。

(1) $z^n$ が実数となるような最小の自然数 $n$ を求めます。

(2) $z^n$ が純虚数となるような最小の自然数 $n$ を求めます。

2. 解き方の手順

まず、$z$ を簡単にするために分母を実数化します。

$z = \frac{1+i}{\sqrt{3}-i} = \frac{(1+i)(\sqrt{3}+i)}{(\sqrt{3}-i)(\sqrt{3}+i)} = \frac{\sqrt{3} + i + i\sqrt{3} - 1}{3+1} = \frac{(\sqrt{3}-1) + (\sqrt{3}+1)i}{4} = \frac{\sqrt{3}-1}{4} + \frac{\sqrt{3}+1}{4}i$

次に、$z$ を極形式で表します。

$r = \sqrt{(\frac{\sqrt{3}-1}{4})^2 + (\frac{\sqrt{3}+1}{4})^2} = \sqrt{\frac{3 - 2\sqrt{3} + 1 + 3 + 2\sqrt{3} + 1}{16}} = \sqrt{\frac{8}{16}} = \sqrt{\frac{1}{2}} = \frac{1}{\sqrt{2}}$

$\cos\theta = \frac{\frac{\sqrt{3}-1}{4}}{\frac{1}{\sqrt{2}}} = \frac{\sqrt{3}-1}{4} \cdot \sqrt{2} = \frac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{4}$

$\sin\theta = \frac{\frac{\sqrt{3}+1}{4}}{\frac{1}{\sqrt{2}}} = \frac{\sqrt{3}+1}{4} \cdot \sqrt{2} = \frac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4}$

$\theta = \frac{5\pi}{12}$ なので、$z = \frac{1}{\sqrt{2}} (\cos \frac{5\pi}{12} + i\sin \frac{5\pi}{12})$ となります。

(1) $z^n$ が実数となる条件は、$z^n = (\frac{1}{\sqrt{2}})^n (\cos \frac{5n\pi}{12} + i\sin \frac{5n\pi}{12})$ の虚部が0になること、つまり $\sin \frac{5n\pi}{12} = 0$ となることです。

$\frac{5n\pi}{12} = k\pi$ ( $k$ は整数)より、$5n = 12k$ となります。したがって、$n$ は12の倍数である必要があります。$n = \frac{12k}{5}$ より、$n$ が自然数となる最小の $k$ は $k = 5$ なので、$n = \frac{12 \times 5}{5} = 12$ が最小の自然数です。

(2) $z^n$ が純虚数となる条件は、$z^n = (\frac{1}{\sqrt{2}})^n (\cos \frac{5n\pi}{12} + i\sin \frac{5n\pi}{12})$ の実部が0になること、つまり $\cos \frac{5n\pi}{12} = 0$ となることです。

$\frac{5n\pi}{12} = \frac{\pi}{2} + k\pi = \frac{(2k+1)\pi}{2}$ ( $k$ は整数)より、$5n = 6(2k+1)$ となります。したがって、$n = \frac{6(2k+1)}{5}$。 $n$ が自然数となる最小の $k$ を探します。

$k = 0$ のとき $n = \frac{6}{5}$

$k = 1$ のとき $n = \frac{18}{5}$

$k = 2$ のとき $n = \frac{30}{5} = 6$

よって、$n = 6$ が最小の自然数です。

3. 最終的な答え

(1) 12

(2) 6