シュワルツの不等式 $|(a, b)| \le ||a|| ||b||$ を証明する問題です。ここで、$(a, b)$ はベクトル $a$ と $b$ の内積を表し、$||a||$ はベクトル $a$ のノルムを表します。

代数学不等式ベクトル内積ノルムシュワルツの不等式証明
2025/7/5

1. 問題の内容

シュワルツの不等式 (a,b)ab|(a, b)| \le ||a|| ||b|| を証明する問題です。ここで、(a,b)(a, b) はベクトル aabb の内積を表し、a||a|| はベクトル aa のノルムを表します。

2. 解き方の手順

シュワルツの不等式を証明するために、以下の手順を使用します。
まず、b=0b = 0 の場合を考えます。このとき、(a,b)=0(a, b) = 0 かつ b=0||b|| = 0 であるため、(a,b)=0ab=0|(a, b)| = 0 \le ||a|| ||b|| = 0 が成り立ち、不等式は成立します。
次に、b0b \neq 0 の場合を考えます。任意の実数 tt に対して、以下の不等式が成立します。
atb20||a - tb||^2 \ge 0
ノルムの定義から、
atb2=(atb,atb)=(a,a)2t(a,b)+t2(b,b)=a22t(a,b)+t2b2||a - tb||^2 = (a - tb, a - tb) = (a, a) - 2t(a, b) + t^2(b, b) = ||a||^2 - 2t(a, b) + t^2||b||^2
したがって、
a22t(a,b)+t2b20||a||^2 - 2t(a, b) + t^2||b||^2 \ge 0
この式は、任意の実数 tt に対して成立する2次不等式です。特に、t=(a,b)b2t = \frac{(a, b)}{||b||^2} を代入すると、
a22(a,b)b2(a,b)+((a,b)b2)2b20||a||^2 - 2\frac{(a, b)}{||b||^2}(a, b) + (\frac{(a, b)}{||b||^2})^2||b||^2 \ge 0
a22(a,b)2b2+(a,b)2b4b20||a||^2 - 2\frac{(a, b)^2}{||b||^2} + \frac{(a, b)^2}{||b||^4}||b||^2 \ge 0
a2(a,b)2b20||a||^2 - \frac{(a, b)^2}{||b||^2} \ge 0
(a,b)2b2a2\frac{(a, b)^2}{||b||^2} \le ||a||^2
(a,b)2a2b2(a, b)^2 \le ||a||^2 ||b||^2
両辺の平方根を取ると、
(a,b)ab|(a, b)| \le ||a|| ||b||

3. 最終的な答え

シュワルツの不等式: (a,b)ab|(a, b)| \le ||a|| ||b|| が証明されました。

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