関数列 $\{T_n(x)\}$ が以下の条件で定義される。 $T_1(x) = x$, $T_2(x) = 2x^2 - 1$, $T_n(x) = 2xT_{n-1}(x) - T_{n-2}(x)$ ($n \ge 3$) (1) $T_n(x)$ が $x$ の $n$ 次式であることを示せ。 (2) $T_n(\cos\theta) = \cos(n\theta)$ であることを示せ。

解析学関数列漸化式数学的帰納法三角関数チェビシェフ多項式
2025/4/1

1. 問題の内容

関数列 {Tn(x)}\{T_n(x)\} が以下の条件で定義される。
T1(x)=xT_1(x) = x, T2(x)=2x21T_2(x) = 2x^2 - 1, Tn(x)=2xTn1(x)Tn2(x)T_n(x) = 2xT_{n-1}(x) - T_{n-2}(x) (n3n \ge 3)
(1) Tn(x)T_n(x)xxnn 次式であることを示せ。
(2) Tn(cosθ)=cos(nθ)T_n(\cos\theta) = \cos(n\theta) であることを示せ。

2. 解き方の手順

(1) 数学的帰納法を用いて、Tn(x)T_n(x)xxnn 次式であることを示す。
[1] n=1,2n=1, 2 のとき
T1(x)=xT_1(x) = xxx の1次式であり、T2(x)=2x21T_2(x) = 2x^2 - 1xx の2次式であるから、n=1,2n=1, 2 のとき成立する。
[2] n=k,k1n=k, k-1 (k2k \ge 2) のとき、Tk(x)T_k(x)xxkk 次式、Tk1(x)T_{k-1}(x)xxk1k-1 次式であると仮定する。このとき、
Tk+1(x)=2xTk(x)Tk1(x)T_{k+1}(x) = 2xT_k(x) - T_{k-1}(x)
2xTk(x)2xT_k(x)xxk+1k+1 次式であり、Tk1(x)T_{k-1}(x)xxk1k-1 次式であるから、Tk+1(x)T_{k+1}(x)xxk+1k+1 次式である。
したがって、数学的帰納法により、Tn(x)T_n(x)xxnn 次式である。
(2) 数学的帰納法を用いて、Tn(cosθ)=cos(nθ)T_n(\cos\theta) = \cos(n\theta) を示す。
[1] n=1,2n=1, 2 のとき
T1(cosθ)=cosθT_1(\cos\theta) = \cos\theta より、T1(cosθ)=cos(1θ)T_1(\cos\theta) = \cos(1\theta) が成り立つ。
T2(cosθ)=2cos2θ1=cos(2θ)T_2(\cos\theta) = 2\cos^2\theta - 1 = \cos(2\theta) より、T2(cosθ)=cos(2θ)T_2(\cos\theta) = \cos(2\theta) が成り立つ。
[2] n=k,k1n=k, k-1 (k2k \ge 2) のとき、Tk(cosθ)=cos(kθ)T_k(\cos\theta) = \cos(k\theta)Tk1(cosθ)=cos((k1)θ)T_{k-1}(\cos\theta) = \cos((k-1)\theta) であると仮定する。このとき、
Tk+1(cosθ)=2cosθTk(cosθ)Tk1(cosθ)T_{k+1}(\cos\theta) = 2\cos\theta T_k(\cos\theta) - T_{k-1}(\cos\theta)
=2cosθcos(kθ)cos((k1)θ)= 2\cos\theta \cos(k\theta) - \cos((k-1)\theta)
三角関数の加法定理より、
cos((k+1)θ)+cos((k1)θ)=2cosθcos(kθ)\cos((k+1)\theta) + \cos((k-1)\theta) = 2\cos\theta \cos(k\theta)
であるから、
Tk+1(cosθ)=cos((k+1)θ)+cos((k1)θ)cos((k1)θ)=cos((k+1)θ)T_{k+1}(\cos\theta) = \cos((k+1)\theta) + \cos((k-1)\theta) - \cos((k-1)\theta) = \cos((k+1)\theta)
したがって、数学的帰納法により、Tn(cosθ)=cos(nθ)T_n(\cos\theta) = \cos(n\theta) が成り立つ。

3. 最終的な答え

(1) Tn(x)T_n(x)xxnn 次式である。
(2) Tn(cosθ)=cos(nθ)T_n(\cos\theta) = \cos(n\theta) である。

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