次の5つの文章が正しいかどうか判定し、正しければ○、誤りを含んでいれば×と答えます。 (1) $(\frac{1}{\pi})^3 < (\frac{1}{\pi})^2$ が成り立つか。 (2) $\frac{d}{dx} 2^x = \frac{2^x}{\log 2}$ であるか。 (3) 点(2, 4)における曲線 $x^3 + y^3 - 9xy = 0$ の接線の傾きは$\frac{4}{3}$であるか。 (4) 2変数関数fが点(0, 0)で偏微分可能ならば、fは点(0, 0)で全微分可能であるか。 (5) $C^{\infty}$級関数fが$f(x, y) = 1 + 2x + 3y + 4x^2 + 5xy + 6y^2 + o(x^2 + y^2) ((x, y) \to (0, 0))$ を満たすとき、$f_{xy}(0, 0) = 5$であるか。

解析学微分偏微分陰関数接線全微分
2025/7/5

1. 問題の内容

次の5つの文章が正しいかどうか判定し、正しければ○、誤りを含んでいれば×と答えます。
(1) (1π)3<(1π)2(\frac{1}{\pi})^3 < (\frac{1}{\pi})^2 が成り立つか。
(2) ddx2x=2xlog2\frac{d}{dx} 2^x = \frac{2^x}{\log 2} であるか。
(3) 点(2, 4)における曲線 x3+y39xy=0x^3 + y^3 - 9xy = 0 の接線の傾きは43\frac{4}{3}であるか。
(4) 2変数関数fが点(0, 0)で偏微分可能ならば、fは点(0, 0)で全微分可能であるか。
(5) CC^{\infty}級関数fがf(x,y)=1+2x+3y+4x2+5xy+6y2+o(x2+y2)((x,y)(0,0))f(x, y) = 1 + 2x + 3y + 4x^2 + 5xy + 6y^2 + o(x^2 + y^2) ((x, y) \to (0, 0)) を満たすとき、fxy(0,0)=5f_{xy}(0, 0) = 5であるか。

2. 解き方の手順

(1) (1π)3<(1π)2(\frac{1}{\pi})^3 < (\frac{1}{\pi})^2 の判定
1π\frac{1}{\pi} は1より小さい正の数である。したがって、(1π)3<(1π)2(\frac{1}{\pi})^3 < (\frac{1}{\pi})^2 は正しい。
(2) ddx2x=2xlog2\frac{d}{dx} 2^x = \frac{2^x}{\log 2} の判定
axa^x の微分は ddxax=axloga\frac{d}{dx}a^x = a^x \log aである。したがって、ddx2x=2xlog2\frac{d}{dx} 2^x = 2^x \log 2となる。よって、ddx2x=2xlog2\frac{d}{dx} 2^x = \frac{2^x}{\log 2}は誤りである。
(3) 点(2, 4)における曲線 x3+y39xy=0x^3 + y^3 - 9xy = 0 の接線の傾きが43\frac{4}{3}であるかの判定
陰関数の微分を行う。
x3+y39xy=0x^3 + y^3 - 9xy = 0xx で微分すると、
3x2+3y2dydx9y9xdydx=03x^2 + 3y^2 \frac{dy}{dx} - 9y - 9x \frac{dy}{dx} = 0
dydx(3y29x)=9y3x2\frac{dy}{dx}(3y^2 - 9x) = 9y - 3x^2
dydx=9y3x23y29x=3yx2y23x\frac{dy}{dx} = \frac{9y - 3x^2}{3y^2 - 9x} = \frac{3y - x^2}{y^2 - 3x}
点(2, 4)における傾きは
dydx(2,4)=3(4)22423(2)=124166=810=45\frac{dy}{dx}|_{(2, 4)} = \frac{3(4) - 2^2}{4^2 - 3(2)} = \frac{12 - 4}{16 - 6} = \frac{8}{10} = \frac{4}{5}
43\frac{4}{3} ではないので誤りである。
(4) 2変数関数fが点(0, 0)で偏微分可能ならば、fは点(0, 0)で全微分可能であるかの判定
一般に、偏微分可能であっても全微分可能とは限らない。したがって、誤りである。
(5) CC^{\infty}級関数fがf(x,y)=1+2x+3y+4x2+5xy+6y2+o(x2+y2)((x,y)(0,0))f(x, y) = 1 + 2x + 3y + 4x^2 + 5xy + 6y^2 + o(x^2 + y^2) ((x, y) \to (0, 0)) を満たすとき、fxy(0,0)=5f_{xy}(0, 0) = 5であるかの判定
f(x,y)=1+2x+3y+4x2+5xy+6y2+o(x2+y2)f(x, y) = 1 + 2x + 3y + 4x^2 + 5xy + 6y^2 + o(x^2 + y^2)
fx(x,y)=2+8x+5y+o(x,y)f_x(x, y) = 2 + 8x + 5y + o(x, y)
fxy(x,y)=5f_{xy}(x, y) = 5
したがって、fxy(0,0)=5f_{xy}(0, 0) = 5である。

3. 最終的な答え

(1) ○
(2) ×
(3) ×
(4) ×
(5) ○

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