袋の中に赤玉2個、白玉1個、青玉1個の合計4個の玉が入っている。この袋から玉を1個取り出し、色を確認してから袋に戻すことを4回繰り返す。赤玉を取り出した回数を$m$回、取り出した玉の色の種類の数を$n$種類とする。 (1) $m=4$となる確率を求めよ。 (2) $mn=6$となる確率を求めよ。 (3) $mn$の期待値を求めよ。

確率論・統計学確率期待値二項分布確率分布場合の数
2025/7/6

1. 問題の内容

袋の中に赤玉2個、白玉1個、青玉1個の合計4個の玉が入っている。この袋から玉を1個取り出し、色を確認してから袋に戻すことを4回繰り返す。赤玉を取り出した回数をmm回、取り出した玉の色の種類の数をnn種類とする。
(1) m=4m=4となる確率を求めよ。
(2) mn=6mn=6となる確率を求めよ。
(3) mnmnの期待値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) m=4m=4となる確率は、4回とも赤玉を取り出す確率である。赤玉を取り出す確率は24=12\frac{2}{4} = \frac{1}{2}であるから、求める確率は
\left(\frac{1}{2}\right)^4 = \frac{1}{16}
(2) mn=6mn=6となる確率を求める。
mmnnはそれぞれ、赤玉を取り出した回数と取り出した玉の色の種類数である。4回の試行で、mmnnの取りうる値は以下の通り。
- m=0,1,2,3,4m = 0, 1, 2, 3, 4
- n=1,2,3n = 1, 2, 3
mn=6mn=6となるのは、(m,n)=(2,3)(m, n) = (2, 3)または(m,n)=(3,2)(m, n) = (3, 2)のときである。
(i) (m,n)=(2,3)(m, n) = (2, 3)のとき:
赤玉を2回、白玉または青玉をそれぞれ1回ずつ取り出す場合である。
この確率は、
{}_4C_2 \left(\frac{1}{2}\right)^2 \cdot \frac{1}{4} \cdot \frac{1}{4} \cdot 2 = 6 \cdot \frac{1}{4} \cdot \frac{1}{16} \cdot 2 = \frac{12}{64} = \frac{3}{16}
(ii) (m,n)=(3,2)(m, n) = (3, 2)のとき:
赤玉を3回、白玉または青玉を1回取り出す場合である。
この確率は、
{}_4C_3 \left(\frac{1}{2}\right)^3 \cdot \frac{1}{4} = 4 \cdot \frac{1}{8} \cdot \frac{1}{4} = \frac{4}{32} = \frac{1}{8} = \frac{2}{16}
したがって、求める確率は
\frac{3}{16} + \frac{2}{16} = \frac{5}{16}
(3) mnmnの期待値を求める。
mmは二項分布B(4,12)B(4, \frac{1}{2})に従うので、mmの期待値はE[m]=412=2E[m] = 4 \cdot \frac{1}{2} = 2である。
nnの値とその確率を求める。
- n=1n=1: 4回とも同じ色を取り出す場合
- 4回とも赤: (12)4=116(\frac{1}{2})^4 = \frac{1}{16}
- 4回とも白: (14)4=1256(\frac{1}{4})^4 = \frac{1}{256}
- 4回とも青: (14)4=1256(\frac{1}{4})^4 = \frac{1}{256}
- よって、P(n=1)=116+1256+1256=16+1+1256=18256=9128P(n=1) = \frac{1}{16} + \frac{1}{256} + \frac{1}{256} = \frac{16+1+1}{256} = \frac{18}{256} = \frac{9}{128}
- n=2n=2: 2種類の色を取り出す場合
- P(n=2)=1P(n=1)P(n=3)P(n=2) = 1 - P(n=1) - P(n=3)を用いて計算できる。
- n=3n=3: 3種類の色を取り出す場合
- 赤玉、白玉、青玉が少なくとも1回ずつ出る場合。
- 起こりうるパターンとしては、(赤2回、白1回、青1回)のみ。
- 確率は 4C2,1,1(12)2(14)1(14)1=4!2!1!1!1164=12164=1264=316=24128{}_4C_{2,1,1} (\frac{1}{2})^2 (\frac{1}{4})^1 (\frac{1}{4})^1 = \frac{4!}{2!1!1!} \cdot \frac{1}{16 \cdot 4} = 12 \cdot \frac{1}{64} = \frac{12}{64} = \frac{3}{16} = \frac{24}{128}
P(n=2)=1912824128=12833128=95128P(n=2) = 1 - \frac{9}{128} - \frac{24}{128} = \frac{128 - 33}{128} = \frac{95}{128}
E[mn]=minjP(m=mi,n=nj)E[mn] = \sum m_i n_j P(m=m_i, n=n_j) を計算する。
E[mn]=E[m]E[n]E[mn] = E[m] E[n]ではないので、地道に計算する。
E[n]=19128+295128+324128=9+190+72128=271128E[n] = 1 \cdot \frac{9}{128} + 2 \cdot \frac{95}{128} + 3 \cdot \frac{24}{128} = \frac{9 + 190 + 72}{128} = \frac{271}{128}
mmnnの同時確率分布を考える必要がある。
mn=0mn=0: m=0m=0の場合。m=0m=0となる確率は(12)4=116(\frac{1}{2})^4=\frac{1}{16}
mn=1mn=1: m=1m=1かつn=1n=1はありえない。
mn=2mn=2: m=1m=1かつn=2n=2
mn=3mn=3: m=1m=1かつn=3n=3はありえない。m=3m=3かつn=1n=1も。
mn=4mn=4: m=2m=2かつn=2n=2 または m=4m=4かつn=1n=1
mn=6mn=6: m=2m=2かつn=3n=3 または m=3m=3かつn=2n=2
mn=8mn=8: m=4m=4かつn=2n=2
mn=9mn=9: m=3m=3かつn=3n=3
mn=12mn=12: m=4m=4かつn=3n=3
E[mn]=0P(m=0)+E[mn] = 0 \cdot P(m=0) + \dots
複雑すぎるので、別のアプローチを考える。
XiX_iii回目に赤玉が出たとき1、そうでなければ0となる確率変数とする。m=i=14Xim = \sum_{i=1}^4 X_i
YRY_R, YWY_W, YBY_Bをそれぞれ赤、白、青の玉が少なくとも一回出たとき1、そうでなければ0となる確率変数とする。n=YR+YW+YBn=Y_R+Y_W+Y_B
E[mn]=E[(Xi)(YR+YW+YB)]=E[(XiYR)+(XiYW)+(XiYB)]E[mn] = E[(\sum X_i)(Y_R+Y_W+Y_B)] = E[(\sum X_i Y_R) + (\sum X_i Y_W) + (\sum X_i Y_B)]

3. 最終的な答え

(1) 116\frac{1}{16}
(2) 516\frac{5}{16}
(3) 27164\frac{271}{64}

「確率論・統計学」の関連問題

区別できない2個のサイコロを投げて、出た目の和が10以上になる場合の数を求める問題です。

確率サイコロ場合の数組み合わせ
2025/7/13

4人が1回じゃんけんをするとき、手の出し方が全部で何通りあるか求める問題です。

確率組み合わせ場合の数じゃんけん
2025/7/13

ある競技は6試合を行い、3勝すれば勝ち抜きとなる。ただし、対戦相手は毎回異なり、引き分けはない。また、3勝した時点でそれ以降の試合は行わない。最初に1勝したとき、この競技を勝ち抜くための勝敗の順は何通...

確率組み合わせ場合の数条件付き確率
2025/7/13

9人を以下の方法で分ける場合の数をそれぞれ求めます。 (1) 部屋A, B, Cに3人ずつ入れる。 (2) 3人ずつの3組に分ける。 (3) 2人、2人、5人の3組に分ける。

組み合わせ場合の数順列二項係数
2025/7/13

無作為標本 $X_1, X_2, ..., X_n$ が与えられ、標本空間 $X$ 上の分布 $P_\theta, \theta \in \Theta$ に従うとします。$\Theta_0 (\neq...

仮説検定統計的推測帰無仮説対立仮説第1種の誤り
2025/7/13

母平均 $\mu$ が未知で、母分散が $\tau^2$ の正規母集団から無作為抽出された標本 $83, 84, 86, 95, 93, 96, 86, 91, 87, 90, 101, 76, 10...

統計信頼区間母平均標本平均正規分布
2025/7/13

9人を以下の3つの方法で分ける場合の数を求めます。 (1) 部屋A, B, Cに3人ずつ入れる。 (2) 3人ずつの3組に分ける。 (3) 2人, 2人, 5人の3組に分ける。

組み合わせ場合の数順列
2025/7/13

母平均が $\mu$、母分散が $\sigma^2$ である母集団からの無作為標本 $X_1, X_2, ..., X_n$ に対して、標本平均 $\bar{X} = \frac{1}{n} \sum...

標本平均期待値分散確率変数無作為標本
2025/7/13

母平均 $p$、母分散 $p(1-p)$ のベルヌーイ母集団からのサイズ3の標本変量 $X_1, X_2, X_3$ について、3つの統計量 $T_1 = X_1$, $T_2 = \frac{X_1...

ベルヌーイ分布標本期待値分散統計量
2025/7/13

A市の政策に対する賛否を調査するために、A市に住む有権者20,000人の中から無作為に400人を選び、意見を聞いた。適切な母集団と標本の大きさを選択肢の中から選ぶ問題。

母集団標本統計調査無作為抽出
2025/7/13