母平均 $p$、母分散 $p(1-p)$ のベルヌーイ母集団からのサイズ3の標本変量 $X_1, X_2, X_3$ について、3つの統計量 $T_1 = X_1$, $T_2 = \frac{X_1 + X_2}{2}$, $T_3 = \frac{X_1 + X_2 + X_3}{3}$ を考える。 (a) 期待値 $E(T_1), E(T_2), E(T_3)$ の大小関係について正しいものを選ぶ。 (b) 分散 $V(T_1), V(T_2), V(T_3)$ の大小関係について正しいものを選ぶ。

確率論・統計学ベルヌーイ分布標本期待値分散統計量
2025/7/13

1. 問題の内容

母平均 pp、母分散 p(1p)p(1-p) のベルヌーイ母集団からのサイズ3の標本変量 X1,X2,X3X_1, X_2, X_3 について、3つの統計量 T1=X1T_1 = X_1, T2=X1+X22T_2 = \frac{X_1 + X_2}{2}, T3=X1+X2+X33T_3 = \frac{X_1 + X_2 + X_3}{3} を考える。
(a) 期待値 E(T1),E(T2),E(T3)E(T_1), E(T_2), E(T_3) の大小関係について正しいものを選ぶ。
(b) 分散 V(T1),V(T2),V(T3)V(T_1), V(T_2), V(T_3) の大小関係について正しいものを選ぶ。

2. 解き方の手順

(a) 期待値について
ベルヌーイ分布に従う確率変数 XiX_i の期待値は E[Xi]=pE[X_i] = p である。
E[T1]=E[X1]=pE[T_1] = E[X_1] = p
E[T2]=E[X1+X22]=12(E[X1]+E[X2])=12(p+p)=pE[T_2] = E[\frac{X_1 + X_2}{2}] = \frac{1}{2}(E[X_1] + E[X_2]) = \frac{1}{2}(p + p) = p
E[T3]=E[X1+X2+X33]=13(E[X1]+E[X2]+E[X3])=13(p+p+p)=pE[T_3] = E[\frac{X_1 + X_2 + X_3}{3}] = \frac{1}{3}(E[X_1] + E[X_2] + E[X_3]) = \frac{1}{3}(p + p + p) = p
したがって、E[T1]=E[T2]=E[T3]=pE[T_1] = E[T_2] = E[T_3] = p である。
よって、選択肢④が正しい。問題文には答えが2と書いてあるが、これは誤りである。
(b) 分散について
ベルヌーイ分布に従う確率変数 XiX_i の分散は V[Xi]=p(1p)V[X_i] = p(1-p) である。
V[T1]=V[X1]=p(1p)V[T_1] = V[X_1] = p(1-p)
V[T2]=V[X1+X22]=14(V[X1]+V[X2])=14(p(1p)+p(1p))=12p(1p)V[T_2] = V[\frac{X_1 + X_2}{2}] = \frac{1}{4}(V[X_1] + V[X_2]) = \frac{1}{4}(p(1-p) + p(1-p)) = \frac{1}{2}p(1-p)
V[T3]=V[X1+X2+X33]=19(V[X1]+V[X2]+V[X3])=19(p(1p)+p(1p)+p(1p))=13p(1p)V[T_3] = V[\frac{X_1 + X_2 + X_3}{3}] = \frac{1}{9}(V[X_1] + V[X_2] + V[X_3]) = \frac{1}{9}(p(1-p) + p(1-p) + p(1-p)) = \frac{1}{3}p(1-p)
V[T1]=p(1p)V[T_1] = p(1-p)
V[T2]=12p(1p)V[T_2] = \frac{1}{2}p(1-p)
V[T3]=13p(1p)V[T_3] = \frac{1}{3}p(1-p)
明らかに、V[T1]>V[T2]>V[T3]V[T_1] > V[T_2] > V[T_3] である。
よって、選択肢③が正しい。

3. 最終的な答え

(a) 期待値について:④
(b) 分散について:③

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