ある選挙区でA候補とB候補の2人が出馬した。無作為に100票を開票したところ、A候補が70票、B候補が30票であった。仮説検定の考え方を用いて、基準となる確率を1%とした場合、A氏は当選確実と判断してよいか。
2025/7/17
1. 問題の内容
ある選挙区でA候補とB候補の2人が出馬した。無作為に100票を開票したところ、A候補が70票、B候補が30票であった。仮説検定の考え方を用いて、基準となる確率を1%とした場合、A氏は当選確実と判断してよいか。
2. 解き方の手順
まず、帰無仮説を立てます。帰無仮説は「A候補とB候補の得票率は同じである」とします。
次に、有意水準を定めます。問題文より、有意水準は1%です。
次に、検定統計量を計算します。ここでは、二項検定を使用します。
A候補が当選確実でない場合、すなわち、真の得票率が50%以下である場合を考えます。
100票のうち、A候補が70票以上獲得する確率を計算します。これは、二項分布における累積確率を計算することになります。
二項分布の確率質量関数は以下の通りです。
ここで、は試行回数、は成功回数、は成功確率です。
この問題では、、、 となります。
A候補が70票以上獲得する確率は以下の通りです。
この確率を計算すると、 となります。これは1%よりもはるかに小さい値です。
片側検定の場合、この値が有意水準を下回れば、帰無仮説を棄却します。
3. 最終的な答え
計算された確率(約0.000039)は、有意水準1%よりも十分に小さいので、帰無仮説(A候補とB候補の得票率は同じである)を棄却します。したがって、A氏は当選確実と判断してよい。