平面上に $\triangle OAB$ があり、$OA=5$, $OB=8$, $AB=7$ とする。実数 $s, t$ を用いて、点 $P$ が $\overrightarrow{OP}=s\overrightarrow{OA}+t\overrightarrow{OB}$ と表される。 (1) $\triangle OAB$ の面積を求める。 (2) $s \ge 0$, $t \ge 0$, $1 \le s+t \le 2$ のとき、点 $P$ の存在しうる領域の面積が $\triangle OAB$ の面積の何倍であるかを求める。 (3) $s \ge 0$, $t \ge 0$, $s+2t \ge 2$, $2s+t \le 2$ のとき、点 $P$ の存在しうる領域の面積が $\triangle OAB$ の面積の何倍であるかを求める。

はい、承知いたしました。問題文を読んで、順番に解いていきます。

1. 問題の内容

平面上に $\triangle OAB$ があり、$OA=5$, $OB=8$, $AB=7$ とする。実数 $s, t$ を用いて、点 $P$ が $\overrightarrow{OP}=s\overrightarrow{OA}+t\overrightarrow{OB}$ と表される。

(1) $\triangle OAB$ の面積を求める。

(2) $s \ge 0$, $t \ge 0$, $1 \le s+t \le 2$ のとき、点 $P$ の存在しうる領域の面積が $\triangle OAB$ の面積の何倍であるかを求める。

(3) $s \ge 0$, $t \ge 0$, $s+2t \ge 2$, $2s+t \le 2$ のとき、点 $P$ の存在しうる領域の面積が $\triangle OAB$ の面積の何倍であるかを求める。

2. 解き方の手順

(1) $\triangle OAB$ の面積を求める。

ヘロンの公式を用いる。$a=5, b=8, c=7$ とすると、$s = \frac{a+b+c}{2} = \frac{5+8+7}{2} = 10$。

面積 $S$ は

$S = \sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)} = \sqrt{10(10-5)(10-8)(10-7)} = \sqrt{10 \cdot 5 \cdot 2 \cdot 3} = \sqrt{300} = 10\sqrt{3}$

(2) $s \ge 0$, $t \ge 0$, $1 \le s+t \le 2$ のとき。

$s+t=k$ とおくと、$\overrightarrow{OP} = s\overrightarrow{OA} + t\overrightarrow{OB} = (s+t)(\frac{s}{s+t}\overrightarrow{OA} + \frac{t}{s+t}\overrightarrow{OB}) = k(\frac{s}{k}\overrightarrow{OA} + \frac{t}{k}\overrightarrow{OB})$.

$s \ge 0, t \ge 0$ より、$\frac{s}{k} \ge 0, \frac{t}{k} \ge 0$ である。

$\frac{s}{k} + \frac{t}{k} = 1$ であるから、$\overrightarrow{OC} = \frac{s}{k}\overrightarrow{OA} + \frac{t}{k}\overrightarrow{OB}$ となる点Cは、線分AB上の点である。

$1 \le k \le 2$ より、点Pは、$\triangle OAB$ を拡大した領域のうち、$s+t \ge 1$ かつ $s+t \le 2$ を満たす領域。

$s+t=1$ は線分ABを表し、$s+t=2$ は$\triangle OAB$を2倍に拡大した$\triangle OA'B'$を表す。

求める面積は、$\triangle OA'B'$ の面積から $\triangle OAB$ の面積を引いたもの。

$\triangle OA'B'$ の面積は $2^2 \times \triangle OAB = 4 \triangle OAB$

よって求める面積は $4 \triangle OAB - \triangle OAB = 3 \triangle OAB$ なので、$\triangle OAB$ の面積の3倍。

(3) $s \ge 0$, $t \ge 0$, $s+2t \ge 2$, $2s+t \le 2$ のとき。

$s+2t=2$ と $2s+t=2$ を連立すると、

$s+2t = 2$ より $s = 2-2t$。これを $2s+t=2$ に代入して、

$2(2-2t) + t = 2$

$4 - 4t + t = 2$

$2 = 3t$

$t = \frac{2}{3}$

$s = 2 - 2(\frac{2}{3}) = 2 - \frac{4}{3} = \frac{2}{3}$

交点は $(\frac{2}{3}, \frac{2}{3})$

$s=0$ のとき、$s+2t=2$ より $t=1$。$2s+t \le 2$ より $t \le 2$ なので、$t=1$。

$t=0$ のとき、$s+2t \ge 2$ より $s \ge 2$。$2s+t=2$ より $s=1$。これは矛盾。

$2s+t=2$ で $t=0$ のとき、$s=1$。

$s+2t=2$ で $s=0$ のとき、$t=1$。

$2s+t=2$ で $s=0$ のとき、$t=2$。これは、$t \ge 0$ の条件を満たさない。

したがって、$s \ge 0, t \ge 0$ と $s+2t \ge 2$ と $2s+t \le 2$ の表す領域は、点$(\frac{2}{3}, \frac{2}{3}), (1,0), (0,1)$を頂点とする三角形の部分である。

$A = (1,0)$, $B = (0,1)$, $C = (\frac{2}{3}, \frac{2}{3})$

面積は、$\frac{1}{2} |(1 \cdot 1 + 0 \cdot \frac{2}{3} + \frac{2}{3} \cdot 0) - (0 \cdot 0 + 1 \cdot \frac{2}{3} + \frac{2}{3} \cdot 1)| = \frac{1}{2} |1 - (\frac{2}{3} + \frac{2}{3})| = \frac{1}{2} |1 - \frac{4}{3}| = \frac{1}{2} |\frac{-1}{3}| = \frac{1}{6}$

$\overrightarrow{OP} = s \overrightarrow{OA} + t \overrightarrow{OB}$

$A' = \overrightarrow{OA}$

$B' = \overrightarrow{OB}$

$C' = \frac{2}{3}\overrightarrow{OA} + \frac{2}{3}\overrightarrow{OB}$

$\triangle OA'B' = \triangle OAB = 10\sqrt{3}$

$\overrightarrow{OC'} = \frac{2}{3} (\overrightarrow{OA} + \overrightarrow{OB})$

$\triangle OA'B' = \frac{1}{6} | \overrightarrow{OA} \times \overrightarrow{OB} | = \frac{1}{6} \triangle OAB$

求める面積は、$\triangle OAB$ の面積の $\frac{1}{6}$ 倍。

3. 最終的な答え

(1) $\triangle OAB$ の面積は $10\sqrt{3}$

(2) $\triangle OAB$ の面積の3倍

(3) $\triangle OAB$ の面積の$\frac{1}{6}$倍