定積分 $\int_{-2}^{-1} (x-1)\left(\frac{1}{x^3+1}\right) dx$ を計算する問題です。

解析学定積分部分分数分解広義積分積分計算
2025/7/7

1. 問題の内容

定積分 21(x1)(1x3+1)dx\int_{-2}^{-1} (x-1)\left(\frac{1}{x^3+1}\right) dx を計算する問題です。

2. 解き方の手順

まず、被積分関数を整理します。x3+1x^3 + 1 を因数分解すると (x+1)(x2x+1)(x+1)(x^2-x+1) となるので、
x1x3+1=x1(x+1)(x2x+1)\frac{x-1}{x^3+1} = \frac{x-1}{(x+1)(x^2-x+1)}
となります。部分分数分解を試みます。
x1(x+1)(x2x+1)=Ax+1+Bx+Cx2x+1\frac{x-1}{(x+1)(x^2-x+1)} = \frac{A}{x+1} + \frac{Bx+C}{x^2-x+1}
両辺に (x+1)(x2x+1)(x+1)(x^2-x+1) を掛けると
x1=A(x2x+1)+(Bx+C)(x+1)x-1 = A(x^2-x+1) + (Bx+C)(x+1)
x1=Ax2Ax+A+Bx2+Bx+Cx+Cx-1 = Ax^2 - Ax + A + Bx^2 + Bx + Cx + C
x1=(A+B)x2+(A+B+C)x+(A+C)x-1 = (A+B)x^2 + (-A+B+C)x + (A+C)
係数を比較すると
A+B=0A+B = 0
A+B+C=1-A+B+C = 1
A+C=1A+C = -1
これらの連立方程式を解きます。 B=AB = -A を2番目の式に代入すると AA+C=1-A-A+C = 1 となり、2A+C=1-2A+C=1です。
A+C=1A+C=-1 と合わせて解くと、
2A+C=1-2A+C = 1
A+C=1A+C = -1
上の式から下の式を引くと 3A=2-3A = 2 なので A=23A = -\frac{2}{3} です。
C=1A=1(23)=1+23=13C = -1-A = -1 - (-\frac{2}{3}) = -1 + \frac{2}{3} = -\frac{1}{3} です。
B=A=23B = -A = \frac{2}{3} です。
よって、
x1x3+1=23(x+1)+23x13x2x+1=23(x+1)+2x13(x2x+1)\frac{x-1}{x^3+1} = -\frac{2}{3(x+1)} + \frac{\frac{2}{3}x - \frac{1}{3}}{x^2-x+1} = -\frac{2}{3(x+1)} + \frac{2x-1}{3(x^2-x+1)}
したがって、
21x1x3+1dx=21(23(x+1)+2x13(x2x+1))dx\int_{-2}^{-1} \frac{x-1}{x^3+1} dx = \int_{-2}^{-1} \left( -\frac{2}{3(x+1)} + \frac{2x-1}{3(x^2-x+1)} \right) dx
=[23lnx+1+13lnx2x+1]21= \left[ -\frac{2}{3}\ln|x+1| + \frac{1}{3}\ln|x^2-x+1| \right]_{-2}^{-1}
=[13lnx2x+1(x+1)2]21= \left[ \frac{1}{3}\ln\left|\frac{x^2-x+1}{(x+1)^2}\right| \right]_{-2}^{-1}
x=1x=-1 を代入すると x2x+1(x+1)2=1+1+1(1+1)2=30\frac{x^2-x+1}{(x+1)^2} = \frac{1+1+1}{(-1+1)^2} = \frac{3}{0} となるので、直接代入できません。
しかし積分範囲は 2-2 から 1-1 なので、積分できません。
x3+1=0x^3+1=0 となるxxは、x=1x=-1であるため、積分区間にx=1x=-1が含まれており、これは広義積分となります。
limϵ021ϵ(x1)/(x3+1)dx\lim_{\epsilon \to 0} \int_{-2}^{-1-\epsilon} (x-1)/(x^3+1) dx を考える必要があります。
積分は発散します。

3. 最終的な答え

発散する

「解析学」の関連問題

$\int \frac{1}{x^2-25} dx$ を計算します。

積分部分分数分解対数関数
2025/7/17

実数 $k$ を定数とする3次関数 $f(x) = 2x^3 - (3k+1)x^2 + 2kx$ について、以下の問いに答える。 (1) $f(0)$ を求め、3次方程式 $f(x) = 0$ がた...

3次関数極値微分方程式傾き
2025/7/17

(1) 無限等比級数 $2 - \frac{1}{2} + \frac{1}{8} - \frac{1}{32} + \frac{1}{128} - \dots$ の和を求める。 (2) 循環小数 $...

無限等比級数級数の和循環小数等比数列
2025/7/17

次の定積分を計算します。 $\int_1^e \frac{(\log x)^3}{x} dx$

定積分置換積分対数関数
2025/7/17

与えられた積分 $\int 4x^3 \cos(x^4 + 2) dx$ を計算します。

積分置換積分三角関数
2025/7/17

定積分 $\int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \cos^3{\theta} \, d\theta$ を計算します。

定積分三角関数置換積分
2025/7/17

問題は、$\tan \frac{x}{2} = t$ とするとき、以下の2つの問いに答えるものです。 (1) $\sin x$, $\cos x$, $\frac{dx}{dt}$ をそれぞれ $t$...

三角関数置換積分定積分積分
2025/7/17

関数 $y = x\sin x + \cos x$ を微分せよ。

微分関数の微分積の微分法三角関数
2025/7/17

与えられた二つの不定積分を計算します。 (1) $\int x\sqrt{2x-1} dx$ (2) $\int \frac{x}{\sqrt{x+1}} dx$

積分不定積分置換積分
2025/7/17

xy平面上を運動する点Pの座標が時刻t (t>0) において $x = t^2\cos t$, $y = t^2\sin t$ で与えられている。原点をOとし、時刻tにおけるPの速度ベクトルを$\ve...

ベクトル極限微分軌跡三角関数
2025/7/17