2変数関数 $f(x, y) = \cos x + 2 \cos y - 3 \sin(xy)$ について、以下の問いに答える。 (1) $f(x, y)$ を $x, y$ について2次までMaclaurin展開せよ。 (2) $f(x, y)$ は原点で停留しているか判定せよ。停留点の場合、その臨界性(極値か、鞍点か)を判定せよ。

解析学多変数関数Maclaurin展開偏微分停留点ヘッセ行列鞍点
2025/7/7

1. 問題の内容

2変数関数 f(x,y)=cosx+2cosy3sin(xy)f(x, y) = \cos x + 2 \cos y - 3 \sin(xy) について、以下の問いに答える。
(1) f(x,y)f(x, y)x,yx, y について2次までMaclaurin展開せよ。
(2) f(x,y)f(x, y) は原点で停留しているか判定せよ。停留点の場合、その臨界性(極値か、鞍点か)を判定せよ。

2. 解き方の手順

(1) Maclaurin展開とは、原点(0,0)(0, 0)におけるTaylor展開のことである。2次までのMaclaurin展開を行うために、必要な偏微分を計算する。
まず、与えられた関数を書き出す。
f(x,y)=cosx+2cosy3sin(xy)f(x, y) = \cos x + 2 \cos y - 3 \sin(xy)
次に、1階偏微分を計算する。
fx=sinx3ycos(xy)f_x = -\sin x - 3y \cos(xy)
fy=2siny3xcos(xy)f_y = -2 \sin y - 3x \cos(xy)
次に、2階偏微分を計算する。
fxx=cosx+3y2sin(xy)f_{xx} = -\cos x + 3y^2 \sin(xy)
fyy=2cosy+3x2sin(xy)f_{yy} = -2 \cos y + 3x^2 \sin(xy)
fxy=3cos(xy)+3xysin(xy)f_{xy} = -3 \cos(xy) + 3xy \sin(xy)
fyx=3cos(xy)+3xysin(xy)f_{yx} = -3 \cos(xy) + 3xy \sin(xy)
次に、これらの偏微分を原点(0,0)(0, 0)で評価する。
f(0,0)=cos0+2cos03sin0=1+20=3f(0, 0) = \cos 0 + 2 \cos 0 - 3 \sin 0 = 1 + 2 - 0 = 3
fx(0,0)=sin03(0)cos0=0f_x(0, 0) = -\sin 0 - 3(0) \cos 0 = 0
fy(0,0)=2sin03(0)cos0=0f_y(0, 0) = -2 \sin 0 - 3(0) \cos 0 = 0
fxx(0,0)=cos0+3(0)2sin0=1f_{xx}(0, 0) = -\cos 0 + 3(0)^2 \sin 0 = -1
fyy(0,0)=2cos0+3(0)2sin0=2f_{yy}(0, 0) = -2 \cos 0 + 3(0)^2 \sin 0 = -2
fxy(0,0)=3cos0+3(0)(0)sin0=3f_{xy}(0, 0) = -3 \cos 0 + 3(0)(0) \sin 0 = -3
2次までのMaclaurin展開は以下の式で与えられる。
f(x,y)f(0,0)+fx(0,0)x+fy(0,0)y+12fxx(0,0)x2+fxy(0,0)xy+12fyy(0,0)y2f(x, y) \approx f(0, 0) + f_x(0, 0)x + f_y(0, 0)y + \frac{1}{2}f_{xx}(0, 0)x^2 + f_{xy}(0, 0)xy + \frac{1}{2}f_{yy}(0, 0)y^2
これらの値を代入して整理すると、
f(x,y)3+0x+0y+12(1)x2+(3)xy+12(2)y2f(x, y) \approx 3 + 0x + 0y + \frac{1}{2}(-1)x^2 + (-3)xy + \frac{1}{2}(-2)y^2
f(x,y)312x23xyy2f(x, y) \approx 3 - \frac{1}{2}x^2 - 3xy - y^2
(2) fx(0,0)=0f_x(0, 0) = 0 かつ fy(0,0)=0f_y(0, 0) = 0 であるから、原点は停留点である。
次に、ヘッセ行列式 DD を計算して、停留点の種類を判定する。
D=fxx(0,0)fyy(0,0)[fxy(0,0)]2=(1)(2)(3)2=29=7D = f_{xx}(0, 0)f_{yy}(0, 0) - [f_{xy}(0, 0)]^2 = (-1)(-2) - (-3)^2 = 2 - 9 = -7
D<0D < 0 であるから、原点は鞍点である。

3. 最終的な答え

(1) 2次までのMaclaurin展開は f(x,y)312x23xyy2f(x, y) \approx 3 - \frac{1}{2}x^2 - 3xy - y^2
(2) 原点は停留点であり、鞍点である。

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