(1) 関数 $y = \frac{e^x - e^{-x}}{2}$ の逆関数を求め、そのグラフを描く。 (2) 等式 $\int \frac{dx}{\sqrt{x^2 + a}} = \log(x + \sqrt{x^2 + a}) + C$ (ただし、$a > 0$, $C$ は積分定数) が成り立つことを証明する。

1. 問題の内容

(1) 関数 $y = \frac{e^x - e^{-x}}{2}$ の逆関数を求め、そのグラフを描く。

(2) 等式 $\int \frac{dx}{\sqrt{x^2 + a}} = \log(x + \sqrt{x^2 + a}) + C$ (ただし、$a > 0$, $C$ は積分定数) が成り立つことを証明する。

2. 解き方の手順

(1)

関数 $y = \frac{e^x - e^{-x}}{2}$ の逆関数を求める。

$y = \frac{e^x - e^{-x}}{2}$ は $\sinh x$ （ハイパボリックサイン）と表される。逆関数を求めるために、$x$ と $y$ を入れ替える。

$x = \frac{e^y - e^{-y}}{2}$

両辺に $2$ を掛けて、

$2x = e^y - e^{-y}$

両辺に $e^y$ を掛けて、

$2xe^y = (e^y)^2 - 1$

$(e^y)^2 - 2xe^y - 1 = 0$

$e^y$ についての二次方程式と見て解く。

$e^y = \frac{2x \pm \sqrt{(2x)^2 - 4(-1)}}{2} = \frac{2x \pm \sqrt{4x^2 + 4}}{2} = x \pm \sqrt{x^2 + 1}$

$e^y > 0$ より、$e^y = x + \sqrt{x^2 + 1}$ となる。

したがって、$y = \log(x + \sqrt{x^2 + 1})$

これが逆関数である。

逆関数のグラフは、$y = \log(x + \sqrt{x^2 + 1})$ のグラフを書く。

$y=\sinh x$ のグラフは原点対称で単調増加なので、逆関数も単調増加になる。$x=0$ のとき $y=0$ なので、$(0,0)$ を通る。

(2)

$\int \frac{dx}{\sqrt{x^2 + a}} = \log(x + \sqrt{x^2 + a}) + C$ を証明する。

右辺を微分して左辺になることを示す。

$\frac{d}{dx} \log(x + \sqrt{x^2 + a}) = \frac{1}{x + \sqrt{x^2 + a}} \cdot (1 + \frac{1}{2\sqrt{x^2 + a}} \cdot 2x)$

$= \frac{1}{x + \sqrt{x^2 + a}} \cdot (1 + \frac{x}{\sqrt{x^2 + a}})$

$= \frac{1}{x + \sqrt{x^2 + a}} \cdot \frac{\sqrt{x^2 + a} + x}{\sqrt{x^2 + a}}$

$= \frac{1}{\sqrt{x^2 + a}}$

したがって、$\int \frac{dx}{\sqrt{x^2 + a}} = \log(x + \sqrt{x^2 + a}) + C$ が成り立つ。

3. 最終的な答え

(1) 逆関数: $y = \log(x + \sqrt{x^2 + 1})$

グラフ: $y = \log(x + \sqrt{x^2 + 1})$ のグラフ (詳細なグラフは省略)

(2) 証明: 上記参照